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2023.01.03

オカダ・カズチカがアントニオ猪木に捧げる! 1.4東京ドームで何かが起こる!!

新日本プロレスにとって、1月4日は特別な日。通称、イッテンヨン東京ドームでは、毎年恒例のビッグマッチが行われる。さらに今年はアントニオ猪木追悼大会でもある。メインイベントに出場するオカダ・カズチカが語った。

オカダ1.4

©新日本プロレス

2022年10月1日、“燃える闘魂”アントニオ猪木がこの世を去った。享年79。全身性トランスサイレチンアミロイドージスという心臓の筋肉の働きが低下する原因不明の難病による心不全だった。

1943年に横浜で生まれた猪木は移民として渡っていたブラジルのサンパウロで、巡業で訪れた力道山にスカウトされ、プロレスラーになった。デビューは1960年。その後、長くプロレスの第一線で活躍し続けた。プロボクシング世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリや極真空手元世界王者のウィリー・ウイリアムスなどとも異種格闘技戦を行い、総合格闘技の礎も築いている。

その死を悼み、リスペクトし、2023年1月4日、新日本プロレスでは「アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~」を開催する。

新日本プロレスは、1972年1月13日にアントニオ猪木によって設立された。旗揚げ時のメンバーは、猪木、魁勝司、山本小鉄、柴田勝久、木戸修、藤波辰巳(現・藤波辰爾)。旗揚げ戦は3月6日に大田区体育館で行われた。メインイベントは、“プロレスの神様”と言われたカール・ゴッチに猪木が挑んだ。試合は時間無制限一本勝負。猪木はゴッチに敗れた。

猪木は新日本プロレスの旗揚げとともに、東京・世田谷区の野毛に道場と寮もつくった。かつて所属した日本プロレスを追われるように独立したために経済的に苦しく、自宅を立て替えて、道場と寮をつくったのだ。そこからは、藤波辰爾、長州力、藤原喜明、佐山聡(初代タイガーマスク)、前田日明、髙田延彦、武藤敬司、蝶野正洋など、猪木以降のプロレス界を担う人材が育った。

新日本プロレスの歴史で、造反や離脱は後を絶たない。しかし、仲たがいをしてもやがて元のさやに戻る。その理由は、猪木の家だった寮で生活をともにし、道場でともに汗を流し、毎日ともにちゃんこを囲んだ“家族”だからかもしれない。

2005年に猪木が新日本プロレスの経営から退いてからも、道場と寮は機能し、若いレスラーが稽古をして、デビューしている。

オカダ1.4_1

現在の新日本プロレスのエース、オカダ・カズチカもメキシコ修行を経て新日本プロレスに移籍し、猪木の“家”だった寮で暮らし、道場でトレーニングを重ね、日本で再デビューをしている。この約10年間、団体のトップとして闘ってきたオカダは、猪木さんに50周年の新日本プロレスの会場に来てほしいと熱望していたが、実現には至らなかった。

そのオカダが、1月4日のアントニオ猪木追悼大会のメインイベントのリングに上がる。

「猪木さんには会場に来てほしいとずっと思い続けてきました。今の新日本の闘いを観ていただきたかった」

今なおオカダは言う。

「残念ながら願いはかないませんでした。1月4日は、空の上の猪木さんに届く試合をしなくてはならないと思っています。ああ、今の新日本プロレスもいいね――と言っていただけるようなファイトを見せなくてはいけない」

東京ドームでのオカダの対戦相手はジェイ・ホワイト。6月12日に大阪城ホールで行われたタイトルマッチで、オカダはジェイに破れ、IWGP世界ヘビー級のベルトを奪われた。対戦成績は、オカダの1勝4敗。分は悪い。

「確かに負け越していますけれど、僕自身はやられたイメージはないんですよ。大阪城ホールでは僕の必殺技、レインメーカーにいったときに、一瞬の返し技でやられました。よく研究されていた印象です。もちろん、油断していたことは反省していますけれど。それに僕の1勝は、格闘技の殿堂とされている、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでの勝利です。苦手意識はありません。マディソンとイッテンヨンのドーム、ニューヨークと東京で勝利して、IWGP世界ヘビー級のベルトを奪い返して、空の上の猪木さんに報告します」

新日本プロレスが創立されて50年が過ぎた。エースは猪木から今のオカダまで、その間にプロレスのスタイルも大きく変わってきた。

「猪木さんの全盛期はバックを取り合い、関節を決めに行くスタイルだったと聞いています。ボディスラムのようなシンプルな技で決着がつくこともあったと思います。タイツは、ストロングスタイルを象徴する黒が主流でした。今は華やかなコスチュームでスピーディーな闘いが増えました。でも、闘うマインド、闘うスピリッツは猪木さんの時代から脈々と受け継がれています」

オカダは今、入門希望者を広く公募した「闘魂レスラー発掘プロジェクト」のトレーナーをつとめている。全国から約300人の応募があり、そのなかから選抜した練習生を鍛えている。このプロジェクトには、新日本プロレスのレジェンドや現役選手も特別コーチとして参加している。

「僕もかなり厳しく指導していますが、先輩たちも驚くほど厳しい。テレビのバラエティ番組に出演しているときの楽しい表情から一変。ときには厳しく、ときには突き放すように、練習生たちを徹底的に鍛え上げています」

オカダ1.4_2

©新日本プロレス

イッテンヨン東京ドームにも、レジェンドが登場する。

アントニオ猪木メモリアル6人タッグマッチは、永田裕志・小島聡・真壁刀義のタッグと、タイガーマスク・鈴木みのる・藤波辰爾のタッグが、30分1本勝負で闘う。藤波は新日本プロレスの旗揚げメンバーのひとり。鈴木も猪木とシングルマッチで闘った経験を持つ。

武藤敬司も6人タッグマッチに登場する。現在はノアに所属する武藤だが、出身は新日本プロレス。1984年に入門し、道場で山本小鉄に鍛えられ、猪木、坂口征二、藤原喜明らとスパーリングをして育った。その武藤は2023年2月21日にノアの東京ドーム大会で引退する。イッテンヨンは“実家”である新日本プロレスでのラストマッチになる。

オカダのリベンジマッチ、藤波や武藤の参戦など、イッテンヨン東京ドーム大会を見逃せない。

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©新日本プロレス

アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~
日時:2023年1月4日(水) 14:45開場 17:00開始
会場:東京ドーム
対戦カード:IWGP世界ヘビー級選手権試合/ジェイ・ホワイト vs オカダ・カズチカ  IWGP・USヘビー級選手権試合/ウィル・オスプレイ vs ケニー・オメガ  武藤敬司新日本プロレスラストマッチ/海野翔太・棚橋弘至・武藤敬司 vs BUSHI・SANADA・内藤哲也  アントニオ猪木メモリアル6人タッグマッチ/永田裕志・小島聡・真壁刀義 vs タイガーマスク・鈴木みのる・藤波辰爾 ほか

TEXT=神舘和典

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