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2022.12.24

河村真木子「結婚・離婚はサイドディッシュ」戸籍も超越するフレキシブル子育て

外資系金融機関の最高管理職を経て、メンバー1万人超えの超人気オンラインサロン「Holland Village Private Salon」を主宰する“バリキャリ金融女子”河村真木子さんは、2度の離婚経験者でもある。今や、3組に1人が離婚するといわれる時代。河村さんは結婚と離婚をどう捉え、どう乗り越えていったのだろうか。連載「イノベーターの子育て論」とは……

子育論を語るバリキャリ金融女子・河村真木子さん

望むのは、自分がセンターの人生

本来の資質と幼い頃から父に刷り込まれてきた思想があいまって、バリキャリの道をまっしぐらに進んできた河村さん。米系投資銀行で働き盛りであった27歳の頃に娘を出産して1年間育児休業を取るなど、プライベートでのビッグイベントを迎えたのは意外と早かった。

「気合じゅうぶんで入社したものの、思うような結果が出せず、壁にぶち当たっていた時に、無性に子供がほしくなったんですよね。そこからは、とんとん拍子に結婚、出産となって」

しかし、夫とは価値観の違いなどもあり、結婚生活3年で終止符を打つことに。シングルマザーになることに不安はなかったのだろうか。

「経済的にはかなり不安定になるなとは思いました。でも、実家が普通の家で、お金がないなかにも幸せはあることを知っていましたから、貧乏になってもいいし、もしも会社をクビになったら、家賃の安い沖縄にでも行って、英語教師とか他の仕事を探せばいいやって。第一、子供のことを考えて離婚しないって、親子ともに不幸ですよね。子供のためにガマンする人生は、私は選びたくないし、子供にとってもそれは重荷だと思います」

河村さんが望むのは、「自分がセンターの人生」。夫や子供の付属品になるのではなく、経済的にも精神的にも自立し、自分の意志で道を選び、行動する人生だ。

「誤解を恐れずに言うならば、私にとって人生のメインは働いて自由に過ごすこと。結婚や離婚は人生のサイドディッシュで、あってもなくても構わないものなんです」

多くの大人が関わることで多様な価値観に触れられる

シングルマザーとして生きる覚悟を決め、これまで以上に仕事に取り組んだ河村さんは順調にキャリアアップ。経済的な不安も払しょくされ、娘は河村さんの愛情をたっぷり受け、すくすくと成長していった。

「離婚後、いくつか恋愛もしましたし、娘が11歳の時に再婚もしました。でも、再婚相手を含め、パートナーといっしょに住んだことは一度もありません。どんなに相手が娘をかわいがってくれたとしても、いっしょに暮らすとなると、娘にとって家が居心地の悪いものになるというか、自分の居場所がないと感じるんじゃないかと思ったので」

子供は子供、自分は自分。そうきっぱり線を引いている河村さんだが、娘を想う気持ちは人一倍強い。それだけに、娘が思春期に一時引きこもりがちになった時は、とても心配したそうだ。

「当時、私は仕事が忙しくて、毎日帰宅は夜中。娘に寂しい思いをさせないよう、母に自宅の近くに引っ越してきてもらったり、お手伝いさんの他に教育係の女性もお願いするなど、いろいろな大人に娘をみてもらうような環境にしました。後で娘から聞いたところ、引きこもった原因は寂しさではなく、ボーイフレンドや友人との関係が理由だったみたいですけどね。でも、見当違いでも、あの時、いろいろ手を尽くして良かったと思っています。親がいつも自分を気にかけ、自分のために行動してくれるのだということを、娘に示せたから」

子育論を語るバリキャリ金融女子・河村真木子さん

基本的には子供に選ばせ、決めさせるが、スイミングと英語だけは別。「このふたつは生きるのに不可欠なスキルだと私は思っています。とくに英語は、ネットで世界中がつながっている今、使えるか使えないかで得られる情報が変わってきますし、人脈や経験にも大きな影響を与えますから」。勉強としてではなく、自然に覚えるのが得策と考え、ベビーシッターに外国人を雇い、週末は英語に触れられる場所やイベントに娘を連れて行くなど、日常に英語がある環境を整えた。小・中学校はインターナショナルスクールを選択。「さまざまな国籍とバックグラウンドを持つ人の中で過ごすことで、日本の価値観だけに縛られず、広い視野を養い、知見を深めてほしいという気持ちもありました」。

親は常に自分のことを想い、全力でサポートしてくれる。それは、子供にとって何よりも安心できる薬であり、「自分は大切にされる存在なのだ」という自尊心を育むことにもつながる。

「それに私、子供を育てるのは親でなくてもいいと思っているんですよ。祖母、叔母、お手伝いさん、家庭教師、そして私のパートナー。娘はいろんな大人たちに見守られ、いろんな価値観に触れ、いろんなことを体験してきました。それは、娘にとって貴重な財産になったはず。母と子だけという密室育児でお互いに息が詰まるより、ずっといいんじゃないかな」

娘は元夫の戸籍に残ることを選択

娘は、高校2年の時、小学校から通ったインターナショナルスクールを離れ、アメリカ・ボストンに留学した。留学して間もなく、河村さんは再び離婚することになったが、娘は元夫の戸籍に残ったという。

「親子というより、歳の離れた友達みたいな関係ですけど、二人はとても仲がいいし、娘なりに思うところがあったようです。私は、戸籍にはまったく関心がないので、娘がそう望み、元夫とその家族も喜んでくれているなら、いいかなって」

そう口にする河村さんに、寂しさや悲壮感はまるでない。”フレキシブル“をキーワードに、常識や慣習に囚われることなく、自分の思うがままに働き、生きてきた河村さんだが、子育てもまたフレキシブルだ。

「一番を目指そうと思ったら、『当たり前』を疑ってみる」

河村さんがモットーとする言葉は、目まぐるしく変化する時代を生きる子供たちにとっても、指針になるに違いない。

前編はこちら

河村真木子/Makiko Kawamura
1976年奈良県生まれ。父の転勤に伴い、10歳~15歳をシンガポールで過ごし、'92年に帰国し、大阪府の公立高校に入学。'94年、ロサンゼルスのLe Lycee Francaise de Los Angels高校に編入し、'96年同校を卒業して関西学院大学に入学するも自主退学。再び渡米し、コミュニティカレッジを経てUCバークレーに編入し、2000年に卒業。外資金融機関などを経て、'21年、オンライン事業Holland Village Private Salonを設立。美容商材、炭酸パックブランド「Carrie」開発販売も展開している。初となる著書『超フレキシブル人生論 ”当たり前“を手放せば人生はもっと豊かになる』が好評発売中。

過去連載記事

■連載「イノベーターの子育て論」とは……
ニューノーマル時代をむかえ、価値観の大転換が起きている今。時代の流れをよみ、革新的なビジネスを生み出してきたイノベーターたちは、次世代の才能を育てることについてどう考えているのか!? 日本のビジネス界やエンタメ界を牽引する者たちの"子育て論"に迫る。

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TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=Yoshihito Koba

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