インテリアに溶けこみ、置かれるだけで目を奪う。品格を宿す靴と鞄は履く・持つを超え、エグゼクティブの日常に凛とした余韻を添える。バッグ編。人気スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。

1.ボッテガ・ヴェネタ|圧巻のスケールが誘う、ラグジュアリーな旅路
イントレチャートという卓越した職人技を世に知らしめ、ブランドのマスターピースとしても名高い「カバ」。ミニ、スモール、ラージなどがラインナップされるなかでも最大級のインパクトを放つのが、「マキシ カバ」。出張に休暇に、また、機内に助手席に。時と場所を選ばない普遍性もまた、この逸品ならではの魅力だ。

2.ザ・ロウ|日常を美しく整える相棒に、機能と実用の粋を添えて
名作バッグ「マルゴー」から着想を得、よりミニマルで優美な面持ちで昨シーズンのデビューから人気急上昇の「マルロ」。注目の新作はボディにキャンバス、そしてチューブハンドルとトップジッパー開閉部にレザーを配したコンビモデル。たっぷりの容量としなやかさを備えた機能美は、本物の上質を知る人にこそしっくりとなじむ。

3.ジル サンダー|造形美とともに、しなやかな変容を愉しむ
たっぷりのマチを携えた長方形のボディは、上質なグレインレザーと滑らかなスエードで切り替えたハイブリッド仕様。長短それぞれのハンドルで手に持った際の印象がガラリと変わるのもユニークで、スタイリングに合わせて、持ち手を変える楽しさも併せ持つ。両開きのファスナーもサイドいっぱいまで配され、機能面も文句なし。

4.エルメス|稀代の名品のオーラが、クールに息づくレザーバッグ
2025年のメゾンのテーマである”ドローイング─描く─”を、ウイットを利かせて表現。往年の名品のアイコニックなディテールを、ドット・トゥ・ドットのプレイフルな手法で、上質なレザーに盛りこんだデザインが実に小気味いい。洗練とユーモア、そして職人技の粋が融合した、注目の傑作バッグ。
