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2026.02.05

“不可能を可能にする”──ディフェンダーラリーチームがダカールで見せた証明。その挑戦の軌跡

「ダカール・ラリー2026」開幕戦で、市販車ベースの「ディフェンダー ダカール D7X-R」がワークス初参戦。3台体制で総距離約24,000kmを走破し、初陣で1位・2位・4位を獲得した。砂漠で証明されたディフェンダーの“鉄壁”の強さと舞台裏を、現地取材したモータージャーナリスト・島下泰久がリポートする。

“不可能を可能にする”──ディフェンダーラリーがダカールで見せた証明。その挑戦の軌跡とは

市販車の血統で駆け抜けた24,000km

1948年に最初のモデルが生を受けて以来、のちにディフェンダーへと発展するランドローバーは、多くの冒険者たちを駆り立て、アドベンチャーの世界へと誘ってきた。そんな歴史からしてみれば、ディフェンダーが今までダカール・ラリーと無縁だったという事実は、意外にも感じられる。

しかしながら2026年、ついにその舞台にディフェンダーが挑む機会が訪れた。新たに設定された市販車をベースにしたストックカテゴリーに、ディフェンダーラリーチームが3台のマシンをエントリーしたのである。

ダカール・ラリー2026年大会は、サウジアラビア国内の総走行距離約8,000km、SS(競技区間)約5,000kmというコースで開催された。ご存知のとおり、サウジアラビアの国土はその大半が砂漠地帯で占められている。この長い距離を、ひたすらアクセル全開で、約2週間かけて走破する。

トップカテゴリーではなく“市販車”で挑む意味

そんなディフェンダーのダカール・ラリー初陣をこの目に焼きつけるべく、2026年1月1日夜に日本を発ち、サウジアラビアへと飛んだ。今年のスタート地点は紅海沿岸の都市ヤンブー。

「このマシンの変更箇所は最小限で、まさしくディフェンダーそのものです」

スタート前日の記者会見で、ディフェンダーラリーチームのプリンシパル、イアン・ジェームス氏はこう言った。実際、純競技車両で争うトップカテゴリーではなく、あくまで市販車をベースとするマシンで戦うクラスだからこそ、ディフェンダーは初のダカール参戦を決めたに間違いない。例えば、市販車と同じアルミモノコックボディのままで、フレーム構造のライバルを打ち破ることができれば、それは市販車のイメージを大幅に引き上げることになるからだ。

ディフェンダーラリーのダカールでの様子
2026年1月3~17日、サウジアラビアで開催されたFIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)の開幕戦である「ダカール・ラリー2026」。ディフェンダーラリーチームが初のワークス体制で参戦、ストック(市販車)カテゴリーで輝かしい戦果を挙げた。

「ダカールに帰ってきたのは、この挑戦のストーリーが気に入ったからです。ディフェンダーほど市販車とオフロードが直結しているクルマはありません。ダカールでの活躍は、ブランドの存在感をいっそう際立たせることにつながると思います」

こう話したのは、3人のドライバーのうちの1人であるステファン・ペテランセル選手。過去35回ダカール・ラリーに出場し、二輪、四輪合わせて14回も総合優勝しているベテランが市販車ベースのカテゴリーに参戦するのは、まさにディフェンダーによる挑戦だったからである。

「何しろ私はディフェンダーのユーザーでもあるんです!」

ディフェンダーラリーのダカールでの様子
「サスペンションストロークの豊かさにも、改めて感心。安定感も高ければ、安心感も極上。走らせるうちに、ますます信頼感が強まっていく」とはイベントを取材したモータージャーナリスト・島下泰久氏。

走らせるうちに、ますます高まる信頼感

ここまで見届けたところで私はビバークを後にして、市販車モデルのディフェンダーに乗りこんだ。最新の2026年モデルで、このあと、ダカール・ラリーよろしく砂漠での走行に臨んだのだ。ひと口に砂漠と言っても、実際の路面は非常にバラエティに富んでいる。赤土の荒野もあれば、大小の岩が無数にごろごろしているガレ場もあり、さらにはイメージ通りの砂丘もある。しかも、それらはゾーンで分けられているわけではなく、次々と路面が変化していくのである。

そんな中を走らせたディフェンダーは、やはりまずその車体がいかにも堅牢なことで唸らせた。車体が揺すられ、跳ねて着地することもあれば、床下に跳ねた石がぶつかることもあるなか、その強靭なボディはまさにびくともせず、ミシリとすることすらなく、それらの入力を受け止め、いなしてしまう。

ディフェンダーラリーのダカールでの様子
砂丘は最難関。遅いと埋まり、速すぎると丘の先でコントロールを乱す。「舵も思い通りに入らないので、ラインの見極めが肝です」と島下氏。そんな条件でもディフェンダーはコントロール性がとても高いという。

ディフェンダーは非常にコントロール性が高く、言ってみればクルマに導かれるままに操っていれば、自然と砂丘もクリアできてしまうという感覚。一度目はおそるおそる入っていったのに、二度目は思い切って臨めたほどだ。調子に乗りすぎるのは禁物だが……。もちろん、そのペースはラリーの本気の走りには遠く及ばないものだったに違いない。しかしながら、ディフェンダーがこうした舞台でも実に頼れる走りっぷりを実現していること、その片鱗は十分にうかがい知ることができたのだ。

ディフェンダーラリーのダカールでの様子
3組のドライバー&コドライバーは全13ステージ中10ステージで1位・2位・3位を独占。14日間の過酷な戦いを通じ、3台のディフェンダー ダカール D7X-Rはサウジアラビアの砂漠で計24,000kmを走破した。

初参戦にしてタフネスを証明したディフェンダー ダカール D7X-R

競技は翌1月3日にスタート。初日の「プロローグ」では、3台のディフェンダー ダカール D7X-Rが1位から3位までを独占して一気に注目を集めた。もちろん終始、順風満帆とはいかず、長いラリーの途中にはコース上で車両を停止させて重整備を施すようなシーンもあったが、それでも致命傷にはいたらず、約2週間後のゴールでは3台のディフェンダー ダカール D7X-Rがすべてフィニッシュラインを越えることができた。しかもデビュー戦にして1位・2位・4位を占めるという上々の結果を残したのである。

ディフェンダーラリーのダカールでの様子
W2RC開幕戦「ダカール・ラリー」デビューイヤーで実力とタフネスを証明。チームは次戦、2026年3月17~22日の第2戦のポルトガルに挑む。

ダカール・ラリーを素晴らしいスピードと耐久性で走りきったディフェンダー ダカール D7X-Rは、私たちが手に入れることのできる市販車と、基本は共通である。これは実にアピール度の高い事実ではないだろうか。ディフェンダーは3年計画でダカール・ラリー、そしてW2RC(FIA世界ラリーレイド選手権)に参戦する計画である。もちろんライバルたちも黙ってはいないはずだが、ディフェンダーもさらに進化していくはず。この先の戦いも楽しみだ。

島下泰久/Yasuhisa Shimashita
1972年神奈川県生まれ。モータージャーナリスト。国内外の最新モデルを中心に、走行性能はもちろん、先進環境・安全技術やブランド論など、クルマを取り巻く社会事象にも精通。著書『2026年版 間違いだらけのクルマ選び』が発売中。

問い合わせ
ランドローバーコール TEL:0120-18-5568

TEXT=島下泰久 EDIT=ダニエル利樹(c3ec-creations)

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