タフネスオフロードビークルの象徴でもあるDEFENDER(ディフェンダー)が仕かける、世界規模のアドベンチャー・コンペティション「DEFENDER TROPHY(ディフェンダートロフィー)」。その日本国内予選会が、2025年11月8日・9日の2日間、山梨県・富士ヶ嶺オフロードで初開催された。

冒険者に求められる総合力
世界70以上の国と地域から挑戦者が集う「ディフェンダートロフィー」において、日本は世界で最初に予選会を行ったマーケットだ。200名以上の応募者のうち、書類選考を通過した24名が富士山麓に集結。アフリカで開催されるグローバルファイナルへの出場権を懸けて戦った。2日間を通して選ばれるファイナリストはわずか1名という狭き門だ。
ディフェンダートロフィーは、かつての「TROPHY」や「CHALLENGE」といった伝説的イベントに着想を得た、現代版アドベンチャー・コンペティション。単にオフロードを速く走るのではなく、「知力」「体力」「精神力」「コミュニケーションスキル」といった“冒険者に求められる総合力”が問われる。クルマを操る能力と人間のポテンシャル、そのどちらも引きだすことがテーマだという。


ディフェンダートロフィーの日本予選では、多彩なプログラムが各種プロフェッショナルによって用意された。スパルタンレースさながらの障害物をこなすフィジカルタスク。ロープワークを駆使し、丸太とロープで橋を構築する課題。スペアタイヤなどの装備運搬・設置。急坂登降を含むテクニカルなオフロード走行。森の中を進むナイトドライブミッションなどなど。いずれも知識とタフネスが問われるサバイバルには欠かせないもの。
タイムや点数で競い合う一方、「どうやってチームとしてベストを尽くすか」というプロセスも審査の対象になる。参加者は2日間を通じて3人1組で1日ごとにチームを組み替え、タスクごとに役割を代えながら挑む。仲間でありながらライバルでもある関係性のなかで、ディフェンダーの走破性だけでなく、自分自身の限界とも向き合うことになるのだ。

過去のアドベンチャーイベントとの決定的な違い
「これまで開催されてきたランドローバーの伝説的なレース、キャメル・トロフィーやランドローバーG4チャレンジは“国対国”の戦いで、肉体的タフさを競う色が強いイベントでした。ディフェンダートロフィーはそこから視点を少し変えています」とジャガー・ランドローバー ヘッド・オブ・グローバル・ブランドエクスペリエンスのデビッド・グリフィス氏。
アフリカ本戦では複数国のメンバーがひとつのチームになることもあり、自然環境や地域社会への貢献も重要なテーマ。フィジカルだけでなく、精神力やチームワークまでを見る点が大きな違いだという。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン ディフェンダー担当 ブランド・マネージャーの松本祥子氏もこう続ける。
「年齢や性別、職業といった属性より、“どんなパッションを持つか”を重視して選考しました。結果として予想以上に多様な24名が集まりましたが、それこそがこのイベントの価値だったと思います。異なるバックグラウンドの参加者が、最終的には“ディフェンダーのパーパス”を共有し、ひとつのチームに。ブランドにとって非常に意味あるジャパンラウンドになりました」

“海の達人”が陸の世界大会へ
2日間の過酷なチャレンジを経て選ばれた日本代表は、シーカヤックで海峡横断レースなどに挑み続ける今村直樹さん。「普段はクルマを運転するより、舟を漕いでいる時間のほうが長い。それでも“チャレンジしたい”という気持ちが勝りました」と今村さん。「9歳の頃、黄色いディフェンダーが泥だらけで走る映像をテレビで見て以来、ずっと憧れていたんです」――それから39年。現在48歳となった今村さんは、ついに画面越しに見ていた“世界へのステアリング”を自ら握ることになった。
ディフェンダー担当マネージング・ディレクターのマーク・キャメロン氏もエールを送る。
「仲間を信じ、状況を読み、時に自然と調和しながら限界に挑む姿は、ディフェンダーブランドの精神『不可能を可能にする』そのもの。日本代表の今村さんは困難のなかでも決して諦めず、冷静さと勇気を持って挑み続けていました。グローバルファイナルでも、その挑戦は世界にポジティブな影響を与えると確信しています」
ディフェンダートロフィーは、単なるオフロードレースではない。自分の限界を決めず、世界に一歩踏みだす勇気を持てるかどうか。チームのために一歩引く判断力や、予測不能な状況を楽しむマインドセットは、そのまま日々の仕事にも通じる。日本代表・今村直樹さんがアフリカでどんな冒険をし、どんな物語を紡ぐのか。
不可能を可能にする――まさにディフェンダーの精神とともに歩むその先のストーリーを、続報で追いかけていきたい。

CURATED FOR JAPAN
“不可能を可能にする”――ディフェンダーの本アドべンチャー・コンペティション開催を記念して発売された特別仕様車。イエローとグリーンの2色展開で、写真のディープサンドグローイエローは全国限定70台。価格は¥13,000,000〜。※写真の車両は欧州仕様車。実際の日本仕様の限定車とは異なります
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