1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウェアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた仕事人たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「人生を彩る眼鏡」の第32回は映画監督の山崎貴。「人生を彩る眼鏡#32」/「男を起動させる眼鏡」#1〜50
PERSON 82
映画監督/山崎貴

配役の眼鏡選びには時間をかけます
「眼鏡をかけたり、コンタクトにしたりと使い分けていましたが、ここ最近はずっと眼鏡です」という映画監督の山崎貴さん。近視が強く、眼鏡をかけるようになったのは中学生から。現在は、気分や着こなしによって数本を使い分けるが、デザインには、ひとつの共通点があるという。
「眉毛の印象が少し弱いので、フレームの上側のデザインが強いほうが似合うんじゃないかと思っていて。そういったものをかけることが多いですね」
今回選んだE5 eyevan「p25」も、ブロウラインが強調されるダークグレーのツートーンカラー。下側はクリアカラーで表情に馴染みながら、ブロウラインを印象づける。
「デザインはもちろん、思いのほか軽いかけ心地なのも気に入りました。度が強く、レンズに重さが出てしまうので、フレームは少しでも軽いとありがたいですね。レンズに薄く色が入っているのも意外と似合っていたので、これからはこうしたタイプもアリだなと思いました」
山崎さんにとって眼鏡は、自身に欠かせないアイテムであると同時に、作品の小道具としての側面もある。配役の眼鏡も自分で選ぶことが多いのだそう。
「僕の映画は、実は眼鏡をかけている登場人物が多いんです。眼鏡は、とても雄弁に語ってくれるアイテム。デザインが、その時代に連れていってくれるし、人の顔がクローズアップになっている時は、眼鏡が唯一その人のキャラクターを表現するものになるので、潜在意識に強く訴えかけてくるんですよね。だから、撮影前の衣装合わせの際、眼鏡選びにかける時間は結構長いかもしれません(笑)」
これまで、数々のヒット作を手掛けてきた山崎さん。もともとはCGなどを駆使した映像表現・VFXの技術者としてキャリアをスタートし、映画監督に。日本におけるVFXの第一人者でもあるが、「VFXと物語は、常に両輪であるべき」だと話す。
「VFXだけなら、ハリウッドには優れたものが山ほどあるわけじゃないですか。それだけで評価される時代はもう終わっていて、今はそのVFXがどれだけ物語に貢献しているかが重要であると思っているんです。面白い話が土台にあることで、VFXも良く見える。そして、VFXの効果により、物語がさらに面白く見える。と、両者が補完しあう関係というのが理想的であり、そうしたものを目指したいと思っています」
映画全体を統括する監督と、緻密にシーンを作り込んでいくVFXと。作品への向き合い方は大きく異なりそうだが、「それはどちらも、僕のなかで“映画作り”という一つの仕事なんです」という。
「よく、神は細部に宿ると言われますけど、細部に強烈なこだわりを持って作ることで、全体が影響されることはあると思うんですよ。たとえば登場人物の眼鏡選びに時間をかけたなら、衣装もこだわろうとなるし、それなら背景も……と、全体をそれに相応しいレベルにしていこうと、変化が起こっていく。また逆に、全体のレベルが高ければ、小道具一つも手が抜けないぞという気持ちになる。だから、ミクロな視点とマクロな視点は表裏一体なんじゃないかと思いますね」
年内には次回作の公開も予定され、さらには自身初となる英語作品にて監督・脚本・制作を手掛けることも発表されている。今や世界が新作を待ち望む監督となった山崎さんが、作品を通して伝えたいことは?
「……戦争に舵を切ったら、大変なことになるということは伝えていきたいですね。僕は戦争を体験した一次情報を持っている人たちから、直接話を聞けた最後の世代になるので。もちろん、映画館には皆さんエンターテイメントを求めて来るわけですけど、たくさんの人が観てくれるエンタメだからこそ、そこにそっとメッセージを仕込んでおく。それは、こうしたタイプの映画を作っている我々こそ、意識しておくべきことかなと思っています」
山崎貴/Takashi Yamazaki
1964年長野県生まれ。阿佐ヶ谷美術専門学校卒業後、1986年に映像制作会社の白組に入社。映画『ジュブナイル』(2000年)で監督デビュー。CGによる高度なビジュアルを駆使した映像表現・VFXの第一人者となる。その後、『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)『永遠の0』(2013年)、『STAND BY ME ドラえもん』(2014年)など数々のヒット作を手がけ、2023年に公開された『ゴジラ-1.0』では第96回アカデミー賞Ⓡ視覚効果賞を受賞した。続編となる『ゴジラ-0.0』は2026年11月3日より公開。北米でも11月6日から公開される。
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