1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウェアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた仕事人たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「人生を彩る眼鏡」の第17回は俳優・鈴木京香。「人生を彩る眼鏡#17」
PERSON 67
俳優/鈴木京香
プロの仕事に触れることで自分の意識も変化する
「もともと目は良いんですが、ダテ眼鏡は好きでたくさん持っています」という鈴木京香さん。太めで存在感のあるデザインのフレームを、普段から愛用しているという。
「真面目でおとなしく見られがちなんですが、実際はそうした性格でもなくて(笑)。だから、縁が太いものなど個性があるフレームをかけている時のほうが、自分のキャラクターに近い感じがするんです」
着用しているのは、鈴木さんが敬愛する建築家のル・コルビュジエをテーマに自身で選んだEYEVAN7285の「335 BR」。1950年代のデザインをモチーフに、ややボリュームをもたせたデザインが、ほど良く個性を引き立てている。今回はテーマに合わせて服も自らスタイリングし撮影に臨んだ。
「コルビュジエのイメージが先にあったので、フレームは即決でした。ボリュームがあるものはたくさん持っていますけど、こちらはかけやすいのがいいですね。新幹線や飛行機などでの移動中に新聞や本を読むのが好きで、それが自分にとって大切な時間になっているんです。そうした時、こちらをかけていたら、とてもお洒落だなと思います」
そんな鈴木さんが大好きなパリで撮影が行われた映画『グランメゾン・パリ』が2024年12月30日に公開される。2019年に放送され人気を博したドラマ『グランメゾン東京』の続編となる映画で、木村拓哉さんが演じる型破りなフランス料理シェフ・尾花夏樹と、鈴木京香さん演じる絶対的な味覚を持つシェフ・早見倫子を中心に、世界最高の三つ星レストランを目指し奮闘するストーリーだ。
「『グランメゾン東京』は、私の仕事のなかでもとくに“見たよ”“あのドラマ好きだったよ”と声をかけていただくことが多い作品だったんです。改めて、私と同世代の方たちのチャレンジを応援してくれるドラマだったんだなと感じています。私が演じる倫子はすごく正直で、自分の弱いところも大事な仲間には見せることができる人。それって実は、年齢を重ねるほど難しいことですよね。倫子はそれができたから、素晴らしい仲間を得ることができたんだと思います」
さらに今作では、日本人で初めてパリで三つ星を獲得した小林圭シェフが映画の料理監修を務めているのも話題に。小林さんとは撮影以前から面識があったというが、改めてその仕事ぶりを間近で見て感銘を受けたと話す。
「食材から最高のものを吟味し、料理が美味しいのはもちろんのこと、それらを引き立てるお皿やグラス、カトラリーなどプレゼンテーションまでもが美しい。最高のプロフェッショナルの仕事に触れること、そしてリスペクトの気持ちを持つことは、自分の意識を変えるうえでも大事だなと改めて思いました。例え自分はプロの域に到達できることはできなくても、意識の変化によって得られることは必ずあるはずなので」
料理への情熱、そしてシェフたちが夢に向かって挑む姿が真っすぐに描かれた“大人の青春群像劇”ともいえるこの作品。きっと、観る人の背中を押してくれるはずだ。
「映画で、私たちは三つ星に挑んでいきます。登場人物それぞれが自分の持ち場で打ち込む姿の美しさ、そして強さを感じてもらえたら嬉しいですね」
鈴木京香/Kyoka Suzuki
1968年宮城県生まれ。1989年に映画『愛と平成の色男』で女優デビュー、1991年にはNHK連続テレビ小説『君の名は』でヒロインを務めた。その後も映画や舞台などで幅広く活躍。ドラマ『グランメゾン東京』(2019年)の続きを描いた映画『グランメゾン・パリ』が2024年12月30日に公開。その前日12月29日21時からスペシャルドラマ(TBS系)も放映される。
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