1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウエアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた仕事人たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載の第2弾がスタート。第3回はダンサーの菅原小春。「人生を彩る眼鏡#3」。
PERSON 53
ダンサー/菅原小春
自分にフィットするのは型破りなデザイン
ジャンルや既存の型にとらわれないパフォーマンスで、多くの人を魅了している菅原小春さん。撮影時にはカメラの前でも躍動感ある動きを見せた。その全身から溢れるエネルギー、レンズ越しの眼差しの強さは、きっとこの写真からも伝わってくるはずだ。
「サングラスは好きで、普段からよく掛けています。ほぼずっと黒髪でショートなこともあって、ブラックの印象が強いデザインを合わせるのが好きで、いろいろな形のものを持っていますね。必ずこれ、というデザインは決めていなくて、いつもインスピレーションで手に取って、掛けてみた相性で選ぶ感じかな」
今回選んだのは、EYEVANからリリースされたばかりの新作「Flash」。ボリュームのある6カーブのビッグシェイプに、EYEVANらしい繊細なディテールを取り入れたオーセンティックな雰囲気に仕上げた、新たな魅力を感じさせるモデルだ。
「こういうデザイン、EYEVANでは珍しいですよね? そんな型破りな感じがカッコいいなと思いました。繊細なデザインも好きなんですが、私は顎のラインや肩幅がパキっとしているから、力強い部分があったほうがフィットする感じがあるんです。このサングラスも、クラシックなんだけど力強さを感じるデザインが好きですね」
菅原さんは、2022年の秋にEYEVANブランド設立50周年を記念して開催されたショー「EYEVAN 50th Anniversary Runway 眼服 EYEWEAR」に、メインパフォーマーとして出演。各業界のトップクリエイターと“人が初めてアイウェアを着た瞬間”をテーマに、舞台を創り上げた。
「眼鏡をダンスにどう落とし込むかは、すごく考えましたね。実は、眼鏡というフィルターを通して見る感覚と、通さないで見る感覚との違いを楽しむことって、ダンスにも通ずる部分があって。肉体だけなのか、服を着るのかで異なるように、何かひとつ纏うと違う自分になれて、表現力が変わってきたりするんです。そういう点で、眼鏡はすごく大事なアイテムですね」
まるで魂が肉体を得て表現をしているような、見る者の感性に全身で訴えかけてくる菅原さんのダンス。そのインスピレーションとなるものは?
「ただ表面上だけカッコいいっていうのは、私にはできないから……。自分が熱を持って、愛情を持って、“これをやったら死んでもいい”って思えるものを毎回やるようにしています。だから、ブレは大きいんですけど(笑)。うまくできるように安全安心なところでやると、人の心ってあまり動かなくて。壊れそうな繊細なものだったり、どうなるかわからないっていうドキドキがあるから、観る人のなかに入っていけるんじゃないかと思います」
菅原小春/Koharu Sugawara
1992年千葉県生まれ。幼少期に創作ダンスを始め、10代でDANCE ATTACKやSHONEN CHAMPLEなどの有名ダンスコンテストで優勝。2010年にアメリカ・ロサンゼルスに渡り、独自のダンススタイルを生み出す。現在は日本を拠点に、国内外のさまざまなアーティストのバックダンサーや振り付けを行っている。また近年は、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』、連続テレビ小説『おかえりモネ』、ドラマ『パリピ孔明』に出演するなど、女優としても活躍している。
問い合わせ
EYEVAN Tokyo Gallery TEL:03-3409-1972