友人宅に急にお呼ばれした場合やちょっとしたプレゼント、自宅でのカジュアルなランチ会などの際に、近所のスーパーやデパートなどで5,000〜1万円で買える“ちょっといいワイン”を知っておくと大変便利なもの。おいしいのは絶対条件で、ちょっと蘊蓄も語れると最高ですよね。そんな「街中で買える、1万円以下の“お宝ワイン”」を、年間1000種類近いワインをテイスティングし、つねにおいしいワインを探し求めているワインブロガー・ヒマワイン氏がご紹介。

プルミエ・クリュが庶民価格で買える理由
多くのワイン好き同様に私はブルゴーニュのワインが好きです。できれば毎日でも飲みたいものですが、最近の価格高騰でちょっとデイリーの楽しむのが不可能な領域に達しています。
ブルゴーニュには広域名→村名→畑名というふうに格付けがあり、畑名はさらに一級畑、特級畑に分類されますが、われわれ庶民がデイリーに口にできるのはもはや広域名のみ、じっと手を見る、そんな状況となっているのです。
だがしかしこの世は広い。がんばって探せば、まだまだ安くておいしいブルゴーニュワインは入手可能なのだというお話を今回はしたいと思います。
ご紹介するのは「ドメーヌ・マッス ジヴリ プルミエ・クリュ ラ・ブリュレ」。プルミエ・クリュ、すなわち一級畑。でありながらお値段はなんと3,000円台なのです(私の購入価格は3,838円でした)。
一級畑のワインでこの価格なのには理由があって、これが「ジヴリ村」というトトロが出てきそうなマイナーな産地のワインだから。
ヴォーヌ・ロマネ、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーといった有名村のワインに対し、ジヴリのようなマイナー村のワインは「マイナー村」っていうだけで価格が安くなる傾向があります。しかも、わりと大幅に安くなります。
造り手の力量や所有している設備の差なども価格には当然反映されますが、それ以上にこれはブランド力の差ではないかと思います。有名ブランドと無名ブランドならば有名ブランドのほうが高額で取引されるのは世の常。そこに、我ら庶民派ブルゴーニュ愛好家の“付け入る隙”があるとも言えるのです。
3,000円台でもプルミエ・クリュはプルミエ・クリュ。良い土地の良い畑のぶどうから造られたワインである点には違いがありません。ブルゴーニュを飲みたいけど、懐事情がなあ……という方、ジヴリなど、「コート・シャロネーズ地区」のマイナー村を狙うのはひとつの方法です。
さて、ドメーヌ・マッス ジヴリ プルミエ・クリュ ラ・ブリュレですが、私が入手したのは果実味ゆたかな2018年ヴィンテージ。ほんの少しだけ熟成もはじまって液体の輪郭はやわらかく、どこかレモンを入れた紅茶のような清涼感とスパイシーさを伴う香りが魅力的です。
とてもおいしいワインですし、プルミエ・クリュとラベルに書かれたワインが食卓にあると幸福度が上がります。私は近所のレストランでテイクアウトした牛すじとトマトの煮込みと合わせましたが、相性は抜群でした。普段の晩ごはんをプルミエ化させる作用が、プルミエ・クリュのワインにはあります。
ちなみにこのワイン、記事執筆時点ではまだ楽天市場で売られています。ほかにも驚くほど安く買えるプルミエ・クリュのワインは存在しますので、ワイン片手にネットの海にお宝探しの旅に出てみるのも一興ではないでしょうか。
ヒマワイン
年間約1000種類のワインを飲み、「ヒマだしワインのむ。」というブログを運営するワインブロガー。高いワインも安いワインも、地球上で造られるすべてのワインが好き。

