恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』でブレイクした長浜広奈さん。バラエティに出演すれば、大物タレント相手にも怯まずマイペース&ビッグマウスを貫く。17歳にして堂々たるその姿はまるでやんごとない身分の人のよう、「おひな様」という愛称でもって話題になった。その強すぎるメンタルはどこで育まれたのか、家族から仕事までを語るインタビュー。前半は、高すぎる!? 自己肯定感の訳を深掘りする。

「その前髪似合うね」って誰かに言ってもらいたかった
「学校生活、そんなに夢中になれるものも趣味もなくて、これからなにを楽しみに生きていったらいいんだろうって考えた時に思いついたんですよ! そうだ、私、顔が可愛いから、みんなに見せてあげようって」
これは、ABEMAで配信中の高校生による青春恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』への参加をきっかけに、テレビ、CMなどに引っ張りだことなった長浜広奈さんに「なぜ表に出る仕事を選んだのか」と尋ねた際の回答だ。
謙遜しながら、謙虚に生きる。そのことを美徳として生きてきた昭和世代の大人には、衝撃的に聞こえる回答である。

2008年東京都生まれ。ABEMAの恋愛リアリティショー『今日、好きになりました。 マクタン編』に参加、その後同シリーズの「ハロン編」「夏休み編2025」にも参加。「おひな様」の愛称で人気を集める。NHK Eテレ『どえらい大学。』レギュラー出演のほか、数々のバラエティ番組に出演。日清食品「辛ミョン」のTVCMなどをはじめ、広告出演も多数。
現在、17歳。16歳の時に彼氏に「重たい前髪が似合わない」と言われたことをきっかけにTikTokを開始。「その前髪似合うね、って誰かに言ってもらいたくて(笑)」という動機で始めたアカウントだったが、徐々にファンを増やし、ついには芸能事務所からスカウトを受けた。
『今日、好きになりました。』で女子に「どうしたら自分に自信を持てるのか」と相談されれば「対象の男は私しか見えていないって思います。そうしたらイチコロです」と答え、気弱な男子を見つければ「心もマッチョになりなよ」とバッサリ切り込む。その発言の数々は「おひな様語録」としてSNSを騒がせ続けている。
番組配信後は民放のバラエティ番組にも数々出演し、Web CMを中心に、現在出演するコマーシャルは10社以上。SNSの総フォロワー数は150万人を超え、まさに今、普通の高校生だった女の子はシンデレラストーリーを駆け上がっている最中だ。
ほとんど怒らないパパに、一度だけすごく叱られた
「高校の仲良しグループでは、ビジュアル担当。広奈は可愛いから、笑ってみんなを和ませるのが役割だよって、そういう感じになっていましたね」
クリクリとした瞳は、まさにお人形のよう。「可愛いね」と言われても「そんなことありません」とはけっして謙遜しない。自らの可愛らしさを、ただただ自認し、自ら肯定する。彼女の人気の理由のひとつに、この清々しいまでの自己肯定感の高さがあるだろう。
無論、その最強の自己肯定感を育んだのは、長浜さんが生まれ育った家庭環境が大きい。
「ママはすごく可愛いくて、パパはダンディ。2人のお姉ちゃんはいつも私のことを『可愛い、可愛い』って褒めてくれて、そういうなかで育ってきたんです。お姉ちゃんたちは私がこういう活動をする前から、私の写真をSNSに上げて『妹が可愛いから見てほしい』ってやっていました(笑)。今も家族LINEでは、『今日、テレビに出ていた広奈も可愛かった』とスクショが飛び交っています。家族全員、芸能活動をすごく喜んでくれているんです」
家族にとって自分は、いつだって絶対的に愛らしい。その実感が、彼女の自己肯定感を育て続け、自らのことも「愛らしい」と思える強い心を育ててきたのだろう。
「パパとママはほとんど怒ることはありません。でも一度、私が嘘をついた時に、パパにすごく叱られました。人生で泣いたことほどんどないんですけど、その時だけは泣いちゃいましたね。嘘をつくって、相手のことも自分のことも大事にしていないからだって、言われました。あとはパパとママには日頃から、『感情をぶつけるような強い言葉使いはしてはいけない』って教えられてきました。だから、私はこういうおっとりした話し方、言葉使いになったんだと思います」
“ぶりっこ”は私そのものだから直せない
10代の女子は、時に大人よりも残酷になる。ここまで自己肯定感の高い、しかも可愛らしい女の子は時に「ぶりっこ」「調子に乗ってる」と揶揄される対象になりかねないと心配になってしまうのだが。
「小学校の頃は“ぶりっこ”って言われて、仲間はずれにされたこともありました。『声がぶりっこ』って言われた時は、直そうとして低い声で話してみたりしたけど、でももともと高い声だから、うまくできなくて。
だから喋らなければいいんだって思って、黙っていました。だけど私、頷き方も『ウン、ウン』って感じで声が高くて、小さく首が動くから、結局全然可愛いままで(笑)。だったら、変えられないことに悩むのはもうやめようって思ったんです。
それに、なにかを言われても、怒ったり誰かの悪口は言わないでって、パパとママに教えられてきました。悪いことを言う人には近づかない。自分でも悪いことは言わない。そうしていれば、自然と自分でいられるって」
一度育まれた自己肯定感は、誰かの言葉で傷つくことはあっても、簡単には損なわれない。
最強の自己肯定感をもつ長浜さんは、10代も後半になれば「ぶりっこも、ここまで振り切っているなら珍しい」と、仲間外れにされるどころかクラス内で重宝され、愛される存在に。この時の経験は、芸能界に入り、SNSに湧くアンチの声にもめげない強さを育んでくれた。
「最初はたくさんアンチコメントがついて、すごくびっくりしちゃいました。でもだいたいが『ぶりっこ』『勘違い』とか、小学校の頃から言われていた言葉だったので『なんだ、またそれか〜』くらい。“ぶりっこ”はもう私そのものなので、直せないなぁって。でも、『髪の毛ボサボサ』とか『そのお化粧似合わない』といったコメントには『ほんとだ!?』って参考にして、直せるところは直そうとしています」
悩んでもいいけど、絶対最後は前を向いた方が得
そもそも10代は、思春期特有の劣等感に悩まされるものだが、現代ではSNSを通じてさらに他人と自分を比べてしまう機会も多くなっているだろう。フォロワー数やコメント数など、数字が明確に出てしまうことで、他人との比較も容易い。だからかもしれない。現に長浜さんの周りにも「自己肯定感が高い子は少ない」という。
「どうしてそんなにポジティブなんですか、自己肯定感高いんですか?って相談を受けることもあります。もちろん、ネガティブになって悲しくなっちゃうなら相談にも乗ります。でも最後には思うんですよ、誰だって一緒にいるなら、楽しい、ポジティブな人がいいんじゃないかなって。悩んでもいいけど、絶対最後は前を向いた方が得なんじゃないかなって。
私も人と比べて落ち込んじゃうこともあるけど、でもそれって、自分と似ている、比べる相手がいるからやっちゃうことであって、そもそも誰にも似ていない自分になっちゃえば、それで解決なんじゃないかなって思います」
「愛らしい」と感じる心はそもそも主観的なものであり、なにを「愛らしい」と感じるかは人ぞれぞれ。誰かにとって”絶対的に愛らしい”存在に一度でもなれた人間は、自分自身こそがもっとも愛らしい存在だと認識し、肯定できるようになるのかもしれない。
そして一度そう思うことができれば、他人と自分との比較に意味などないと気づけるのだろう。
長浜さんは、生涯に渡ってその強さに支えられていくはずだ。
※後編に続く
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