ティーンモデルとして若い女性たちに大人気の“りんくま”こと久間田琳加。女優としても着実に成長を遂げてきた彼女の主演映画が、これから続々と公開される。HiHi Jets・井上瑞稀と共演した映画『おとななじみ』ではコメディに挑戦、「新たな自分を発見した」という。次のシネマスターは彼女かもしれない――。連載「NEXT GENERATIONS」とは……
映画の現場の一体感が好き
とても楽しそうに、彼女は笑う。その笑顔と笑い声につられ、こちらもなんだか楽しい気分になってくる。久間田琳加は、そういう女の子だ。
「自分の気分の浮き沈みを現場に持ち込まないということは意識しています。マイナスな気分で仕事をしてもパフォーマンスは上がらないし、まわりにも悪い影響を与えてしまうじゃないですか。以前、それで失敗したことがあって、それからは気をつけるようにしています」
芸歴は長い。小学6年生のときにモデルオーディションでグランプリを獲得。以来、『ニコラ』『セブンティーン』『ノンノ』などのファッション誌でモデルとして活躍し、同世代の女の子たちから絶大な人気を得てきた。
2015年からは女優業もスタート。2023年5月に公開された映画『おとななじみ』では、井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズ Jr.)演じる超残念男子・ハルに想いを寄せるオカン系女子・加賀屋楓を演じている。
「モデルの仕事はもう10年くらいやっていますが、撮影のときはいつもワクワクします。なりたい自分になれる感じがして楽しいんです。
女優の仕事は、チームで作品に向き合うところが好きです。朝早くから夜遅くまで撮影で、セリフも憶えて、本当に大変なことは多いんですけど、それを1ヵ月くらい続けていくと、現場にいる人が家族のように思えてくる。
みんなでひとつになって面白い作品を作ろうとする、その一体感みたいなものがすごく好きなんです」
本当に恋をしているような気分になってきた
『おとななじみ』は、幼馴染として育ち、お互いを強く想いあいながら、その想いを伝えきれない男女を描いたラブコメディだ。久間田が演じたのは、好きな相手の世話を焼き続ける“オカン系女子”楓。
「楓と私は、明るい性格という点では共通しています。でも男の人の世話を焼きたいという気持ちはよくわからなくて(笑)、どう表現したらいいのか最初は戸惑いました。でも台本を読み込み、監督と話しながら演じていくうち、撮影の後半には楓の気持ちがわかるようになってきて、セリフも憶えやすくなっていきました。そうすると不思議なことに本当に恋をしているような気分になってきて、演じるのもすごく楽しくなる。やりがいを感じながら演じることができました」
ラブコメならではの苦労もあったそう。
「楓は喜怒哀楽がぜんぶ行動や顔にでちゃう。だから体も顔もとにかく動かし続けなきゃならないんです。こんなに表情筋を使ったことないです(笑)。普段、自分でも見たことがないような変顔がたくさん映っていました」
少女漫画を月に100冊読む
『おとななじみ』の原作は、大人気の少女漫画。もともと少女漫画が大好きだという彼女にとっては「うれしすぎて信じられない」夢のような出演オファーだったという。
「少女漫画は1日3冊、月100冊くらい読んでいます! どんどん買って、どんどん読む(笑)。いちばんお金を使っているかもしれません。少女漫画の魅力は“オンリー・キュンキュン”。とにかく日常にないキュンキュンを求めて読み続けている感じです。『おとななじみ』は、そのキュンキュンに加えて笑いもある。だから少女漫画好きな人はもちろん、そうでない人も楽しめる作品になっていると思います」
2023年は秋にも主演映画の公開を控え、多忙な日々を送っている。ストレスはどのように発散しているのだろうか?
「ストレスというか、ちょっと疲れてパワーがなくなったと感じたら肉を食べます。そういえば、昨日も一昨日も焼肉でした(笑)。好きな部位はミノとハラミ。あとはごはんとキムチがあればじゅうぶんです」
現在、22歳。今は休むよりも仕事をしていたいという。
「休みたいと思っても1週間が限界かなあ。2週間目には『私、仕事ないの?』って不安になってきそう。やっぱり仕事の現場が自分を成長させてくれるし、自分でも知らなかった新しい自分を発見できる。今回の撮影も最初は不安しかなかったのに、最後は心から楽しむことができた。こういう経験をすると、もっといろいろな仕事をしたいなと思っちゃいますよね」
ひたすらポジティブな彼女の笑顔は、みんなを元気にさせてくれる。その魅力をもっと感じたいと思ったら、映画館に足を運ぶしかないだろう。
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■連載「NEXT GENERATIONS」とは……
新世代のアーティストやクリエイター、表現者の仕事観に迫る連載。毎回、さまざまな業界で活躍する10~20代の“若手”に、現在の職業にいたった経緯や、今取り組んでいる仕事について、これからの展望などを聞き、それぞれが持つ独自の“仕事論”を紹介する。