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2022.06.11

【BiSHセントチヒロ・チッチ 】役者を経験し、ひと回り大きくなった彼女が大事にするもの──連載「NEXT GENERATIONS」Vol.6

新世代のアーティストやクリエイター、表現者の仕事観に迫る連載「NEXT GENERATIONS」。今回は、”楽器を持たないパンクバンド”として独自の地位を築いたガールズグループ「BiSH」のキャプテン的な存在、セントチヒロ・チッチ。初主演の映画を経験し、ひと回り大きくなった彼女が大事にするものとは。【前編はこちら】

BiSHセントチヒロ・チッチ

“まごころ”を込めれば、いつか自分に返ってくる

ストイックに研鑽を続けるセントチヒロ・チッチは、グループのまとめ役でもある。メンバーも、ファンも、何より自身も実質的なキャプテンである点は認めているところ。

グループの方向性については、事務所社長でプロデューサーの渡辺淳之介氏による部分も少なくないが、個性的な彼女たちに一体感を与えている点では、チッチの貢献も見逃せない。そんな彼女の仕事術を伺う。

「仕事上で一番大事にしているのは、”まごころ”ですね。まごころを込めて仕事をすると愛情が返ってくる。最初に気づいたのは高校時代のバイトですが、今も大事にしています。まず、自分が愛することがスタート。これはBiSHの活動でも一緒です。単に私たちを愛してください、と一方的にお願いするのではなくて、自分から興味をもったり、話しかけたり、能動的に愛することを重視しています」

ライブ活動を本山とするグループ活動において、ライブハウスや対バンとのつながりも大事だという。

「ライブの打ち上げは絶対参加するって決めてます(笑)。打ち上げまでがライブ。家に着くまでが遠足みたいな(笑)。ここから広がった交流が多いですね。また、好きなバンド、出てほしい演者さんには、手紙を書いたり、自ら足を運んでお願いしたり。自分から興味を持って積極的に動くと道が広がる。BiSHを好きになってくれる人も増えて行くと感じています」

コラボレーションが多いのもチッチの”まごころ”が生んだ対価といえるかもしれない。チッチ初のソロ曲「夜王子と月の姫」は、銀杏BOYZの峯田和伸がGOING STEADY時代から大事にする名曲のカバー。これには、チッチからの“峯田愛”が実ったものだという。

「峯田さんのライブは私が大好きでずっと通っていて、そんななかで私を知っていただき、親交が生まれました。おかげでソロ曲に使わせてもらったり、夢のツーマンライブが実現したりしました。これも愛情やまごころを込めて接してきた結果かなと思います」

チッチの「愛され力」は随所に見られる。初主演映画の監督である行定勲も、相思相愛のうえに成り立ったし、さらには、木梨憲武やヒロミなど、”チッチ推し”を公言する「おじさん」は数多い。

「別に”おじさんキラー”を意識しているわけではありません(笑)。私の好きなものには、母がハマっていたものが多くて、自然と”ひと昔前”のものが多いんですよ。同世代とは話が合わないこともあるんですが(笑)。そういうところに私が入って行くので、面白がってもらえるんでしょうね。私が好き、というのが最初です」

一方で、個性派揃いのメンバーをまとめるのもチッチの役割だという。

「まとめ役になったのも、私しかいないというのが理由です(笑)。でも、これといってまとまりはしないんです(笑)。6人が同じ意見になるようなことはないので、どこに中間の落とし所をもっていくかを探る(笑)。私が上から”こうしよう!”というのではなくて、どう伝えたら、一番いい落とし所にもっていけるかなと常に考えています。見せ方についても個性ある人たちなので、その個性を殺さないように(笑)」

まとめ役は、本来の性分なのだろうか。

「どうでしょうね。そうかもしれない(笑)。もともと考え癖があるタイプ。いつも”物事をうまく運ぶには? 伝えたいことをうまく伝えるには?”などと、つい考えてしまうんです。日々考えることをやめないことが大事だなと感じています。ライブでのMCや、インタビューなどにも生きています。こういう部分がまとめることにもつながってるのかもしれません」

考えることをやめない。チッチの見せるストイックな姿は、ときとしてファンの心を揺さぶる。力一杯駆け抜ける一方、そのオフタイムも気になるところ。

「しっかり者と思われがちなんですが、メンバーイチだらけているかも(笑)。休日は食べたいものを食べて、溜まったドラマや映画を見て、愛猫とたわむれています。普通に過ごすのが好きなんです。いかに逃げ道をつくっているかが重要なので」

休日でいったん逃げて、翌日からかんばる。「逃げ」を肯定する点ではBiSHのメッセージにも通じるところがある。オンとオフの緩急。ときには自分にも甘く、こんなところにも現代を生き抜くヒントが隠されているかもしれない。

さて、グループは2023年をもっての解散に向けて、ラストスパートを駆け抜けているところだが、現在どのような視点で活動をしているのだろうか。

「どれだけ自分たちらしく全力で向かっていけるか。今、目の前にあるものをひとつひとつ全力で。今、自分たちを愛してくれている人たちに、全力でその愛情を返す。もしかしたら、BiSHとして次あうことはないかもしれませんから。とにかく今、全力です」

今後、チッチがアーティストとして目指して行く方向性はどんなものか。

「優しくて、強い人になりたい。強い人は優しいんです。守れる強さがあるので、すごく素敵に見えるんです。これまでは、メンバーという守るべきものがあるので、強くさせてもらっていました。一人になったときも強くありたいという思いはありますね。

表現者としてはこれからも音楽やお芝居などいろいろなことに挑戦していきたいので、優しくて強い人なら、それを乗り越えていけるだろうなと。私のなかでは、少女のような女性のイメージなんですが、そのように生きていけたら幸せですね」

強くて優しい先に、幸せがある。BiSHのまとめ役として見せていた強さ、そして、やさしさをベースに、新しい一歩を歩み始めている。

■チッチ取材時の秘蔵ショットを公開!

■前編【チッチの初主演がもたらした“新しい自分”】はこちら

CENTCHiHiRO CHiTTiii
“楽器をもたないパンクバンド”「BiSH」のメインボーカルのひとり。ソロプロジェクトや他のアーティストの作品などにも参画するなど精力的に活動。直近ではTHIS IS JAPANの3rdシングル『トワイライト・ファズ』に収録される「KARAGARA feat. セントチヒロ・チッチ(BiSH)」に参加。

『BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK’N’ROLL』
圧巻の映像美と奇抜なストーリーが融合する全6作からなるショートストーリー集。映画界からは数多くの名作を残し続ける名匠・行定勲、MV界からこれまでBiSHの多くの作品を手掛けてきた田辺秀伸、大喜多正毅、エリザベス宮地、山田健人、そしてWACK代表でもある渡辺淳之介が自らメガホンを取り、6人のBiSHメンバーと、6人の監督たちがそれぞれタッグを結成。メンバー6人の個性を引きだし、独自世界を構築している。
出演:アイナ・ジ・エンド、ハシヤスメ・アツコ、アユニ・Dリンリン、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ
監督:大喜多正毅、田辺秀伸、エリザベス宮地、山田健人、渡辺淳之介、行定勲
主題歌:I have no idea.(BiSH/avex trax)
配給:松竹 映画営業部ODS事業室/イノベーション推進部新領域コンテンツ室
2022年6月10日(金)全国公開。

TEXT=髙村将司

PHOTOGRAPH=彦坂栄治

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