同じように努力しているのに、なぜか結果に大きな差が出る人がいる。その違いはどこにあるのか。数多くの経営者やビジネスパーソンの個人鑑定を担ってきた細木かおりさんは、「人生の流れは、決断そのものより“その前の過ごし方”で決まる」と語る。母・細木数子から受け継いだ考え方をもとに、成功と失敗を分ける準備と判断のポイントを聞いた。 #1/#3

大きな決断の成否は「その前の数年」で決まる
転職、独立、結婚、転居――人生の転換期に下した決断は、その後の流れを大きく左右することがある。では、その「流れ」は、どのように生まれるのか。
これは、細木数子が提唱し、細木かおりが受け継ぐ六星占術における、「宿命大殺界」と呼ばれる20年間の考え方に由来する。
六星占術では、誰の人生にも必ず訪れる特定の期間が20年間あるとされ、それを「宿命大殺界」という。この時期の過ごし方によって、その後の人生の流れが大きく変わるという。
この期間は3つに分けられ、最初の5年間はエネルギーが上がり始める「初起殺界」、真ん中の10年間は頂点に達する「中起殺界」、最後の5年間はエネルギーが下がり始める「転起殺界」とされる。
宿命大殺界の時期に陽転すれば、強烈なエネルギーに後押しされ、長年の夢が実現するなど思わぬ成功をつかむ可能性がある一方、陰転すれば、判断や選択が裏目に出やすく、人生の底を味わう危険性も高まる。
「誰もが陽転を望むと思いますが、そのカギとなるのが、宿命大殺界に入る前の2~3年間の過ごし方。転職や転居、結婚、新たな事業を起こすなど、環境を大きく変化させた人ほど、陽転する可能性が高いですね。逆に、初起殺界の期間に環境を大きく変えたり、新しいことに手をつけたりすると、転起殺界の時期に大きなトラブルに見舞われるケースが少なくありません。
つまり、強いエネルギーを味方につけるには、自分がいつ宿命大殺界に入るのかを知り、事前に準備しておくことが大切なのです。そして、その時期に自分を支配している宿命星(運命星とも呼ばれ、個人の性格、基本的な運勢に関わるもの)は何かを知り、その星の性質に沿った生き方を心掛けてください」
もっとも、宿命大殺界の存在を知らず、何の準備もないままその時期に突入していたという人もいるだろう。気づいた時点で、打てる手はあるのだろうか。
「まずは『自分はいま宿命大殺界の時期にいるのだ』と受け入れること。陰転している場合、もがけばもがくほど負の連鎖が生まれることもあるので、『いまはそういう時期だ』と素直に受け止めましょう。そのうえで適切な判断や行動をすれば、陰転にストップをかけたり、影響を緩和させたりできます。
逆に、陽転しているなら自信をもって前に進んでOK。ただし、エネルギーが弱まり始める転起殺界に入ったら、“どう終えるか”を意識して行動してください。特別なエネルギーに後押しされ、自分の実力以上の成功を手にしている可能性もありますから、調子に乗って手を広げすぎると、思わぬ失敗に見舞われかねません」

1978年東京都生まれ。母・細木数子のマネージャー兼アシスタントを経て、六星占術の継承者となる。六星占術と自身の人生経験を活かし、経営相談から恋愛、家族の人間関係の相談まで幅広く人生に寄り添うアドバイスをする。対面にて直接相談者の話を聞く個人鑑定に加え、延べ1,500万人が利用する六星占術公式占いサイトを監修。毎年出版する『六星占術による あなたの運命』など著書多数。YouTube「細木かおりチャンネル」も好評。
経営者が “判断材料”を求めて訪れる理由
人生やビジネスの結果は、判断とタイミングに大きく左右される。そのため、かおりさんが行っている個人鑑定にはビジネスパーソンが数多く訪れ、とくに経営者の利用が目立つという。
六星占術のルーツは古代中国にあり、長い年月をかけて蓄積されてきた統計的な人間分類学ともいえる考え方だ。膨大なデータをもとにした“根拠のある鑑定”という点が、ビジネスパーソンに支持される理由のひとつだろう。
「経営者は判断力や決断力に長けています。なので、鑑定に判断をゆだねるというより、“判断材料を集める”ために利用されている印象があります。鑑定を受けることで『やはり間違いない』と確信して事業を推し進めたり、『だからうまくいかなかったのか』と軌道修正するきっかけにしたり。
また、経営者はご自身の迷いや悩みを周囲に相談しづらいため、第三者である私のもとを訪れるという側面もあると思います」
とくに多いのが、人事や配属、取引先との関わり方など、周囲の人物に関する相談だ。
「土星、金星、火星、天王星、木星、水星という6つの星人は、それぞれ能力や個性が異なり、適した職種も違います。なので、適材適所を見分けるために、部下や従業員、採用予定の相手の星を調べてほしいという人事がらみのご相談は多いですね。
また、取引先のキーパーソンへのベストな対策を知るために鑑定を利用される方も少なくありません。相手が何星人かによって、強く押した方がいいのか、一歩引いた方がいいのかなど、アプローチ方法が変わりますから」

さらに、相手の運気の流れを知ることも、ビジネスにおいて重要な判断材料になるという。自分は好運気にいても、近しい人物が大殺界に入っていれば、その影響は少なからず受けてしまうためだ。
「新規採用のタイミングをずらす、重要な契約時期を見極めるなど、少しタイミングを変えるだけで物事が陽転することもあれば、陰転することもあります。ビジネスに限らず、それは家庭でも同じこと。人はひとりで生きているのではなく、周囲との関わりのなかで影響を与え合いながら生きています。なので、自分だけでなく、周りの人が持って生まれた性質や運の流れにも気を配ることが大切です」
2016年に母の細木数子から六星占術を正式に後継して10年。母のもとを訪れていた経営者やビジネスパーソンが、いまはかおりさんを頼るようになったという。
もっとも、母の「後継者になってほしい」という願いを最初から受け入れたわけではない。最終回では、後継者としての苦悩と迷い、そして今後の展望について語ってもらう。

