連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第27回は、ロレックス「GMTマスター Ref.1675」を取り上げる。
レアなパーツを掘り出して、唯一無二の1本に
ヴィンテージロレックスはパーツの整合性は当然として、そのコンディションが評価の基準として問われる。
とりわけミラーダイヤルの場合は、その傾向が顕著だ。
トロピカルダイヤル(長い経年変化により文字盤がブラウンチェンジしたもの)のモデルを筆頭に、極上の状態かつ超希少モデルであれば、数千万円はもちろん、億越えも十分にあり得る。
今回紹介するのは、ミラーダイヤルの「GMTマスター Ref.1675」。PCG(ポインテッド クラウン ガード)と呼ばれる、先端が尖った特別なリューズガードを採用した、1963年製の個体だ。
PCGケースのダイヤルは数種類あり、大きくはインデックスにサークルが入るパターンと入らないパターンがある。人気や評価は前者が上回るが、あくまで条件次第だ。
この個体の特筆すべき点は、コンディションとパーツにある。ミラーダイヤルの命であるダイヤルに加え、ケースの研磨が非常に少ない。
パーツの主役は、極太の書体を使ったブラックベゼル。ブレスレットはジュビリータイプで、ロレックスの“ビッグロゴ” が刻印されている。
「GMTマスター Ref.1675」はヴィンテージとしての価値が高いこともさることながら、都会的かつタイムレスなスタイリングが魅力の1本でもある。
パーツも豊富なので、ぜひ手に入れて自分好みのアレンジも楽しんでほしい。
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アフタ http://after.llc/
■連載「ヴィンテージウォッチ再考」とは
インターネットやSNSの普及からあらゆる時代の時計が簡単に入手できるようになった。そうはいったところで、パーツの整合性や真贋の問題が問われるヴィンテージウォッチの品定めは一筋縄ではいかない。本連載では、ヴィンテージの魅力を再考しながら、さまざまな角度から評価すべきポイントを解説していく。