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GOLF

2024.06.09

「ゴルフの上達に近道はない」――スコットランドのことわざ

ゴルフの聖地、スコットランドの古いことわざには、身も蓋もないような表現のものが多いが、表題にしたこの名言もそんなひとつであろう。それを言われてしまっては、おっしゃる通りだけれども、当然すぎて話はそれで終わり、となってしまう。

比較的早く上達するには、まわり道を減らす

確かに、ゴルフは何歳でも、いつからでも始めることはできるが、短期間で簡単に上手になるということは難しい。子どもや若者のうちにゴルフを始めると、感性がするどいので、比較的早く上達するということはあるが、それでも彼らには時間があり、飽きもせず黙々と練習するからそうなれるのだ。

 

ほとんどのゴルファーは、社会人になってからゴルフを始めるレイト・ビギナーだから、なかなか十分な練習時間を確保できないし、金銭的な余裕も少ないだろう。結果として、ラウンドはよくて月イチ、練習もたまに行くぐらいとなってしまう。これで、短期間で上手くなろうなんてことが許されるほど、ゴルフは甘くない。

ただ、テーマを決めて課題をひとつひとつクリアするような中身の濃い練習をすれば、闇雲にボールを打つよりは、比較的早く上達できるだろう。近道というほどではないが、まわり道をしないことで上達にかかる時間を短くできるというわけだ。

特に、110以上をたたいているゴルファーが100切りを目指すような場合には、練習のやり方次第で、割と早く目標を達成することが可能だ。このレベルのゴルファーが克服すべき課題は、まだ比較的難易度が低いからだ。

この時期は、どんどん上手くなってスコアもよくなるから、楽しくてしょうがない頃でもある。120ぐらい打っていたのが、ダブルボギーペースになってくると、すぐそこに100切りが見えてくるのだから、やっていても楽しいしモチベーションも上がる。

それでも、「100切り」はひとつの壁と言われるだけあって、達成には少し手こずるかもしれない。そこで必要なのが、課題を明確にして練習に取り組むことだ。100切りを目指すゴルファーが意識すべき課題は次のとおりだ。

  1. ドライバーのスライスを小さくし、OBをなくす
  2. ザックリやテンプラ、トップやチョロ、シャンクやチーピンなど、大きなミスを減らし、常に60~70点ぐらいのショットができるようになる
  3. グリーンまで60ヤードを切ったら、そこからほとんど3回で上がれるようにする
  4. スリーパットを減らし、ワンラウンドのパット数を36以下にする

これらの課題をクリアできれば、必ず100を切ることはできる。大きな飛距離は必要ないから、筋力に乏しい高齢者や女性でも、誰でも100は切れるのだ。

「100切り」の4つの課題をクリアするには

このレベルのゴルファーでフックに悩んでいる人は稀で、ほとんどが大きなスライスを打って1日に何発かOBもしくは林の奥へ打ち込み、大たたきとなるものだ。これを改善するのが1.の課題だが、正しい握り方でストロンググリップを習得すれば大概克服できるだろう。

それ以外には、ロフトの大きい(12度など)ヘッドで短尺(42~43インチ)のドライバーを使うとか、思い切ってスプーン(3番ウッド)でティーショットすることでも、スライスとOBを減らせるだろう。ティーショットは曲がらずに150ヤードも飛べば十分に100は切れる。

2.の課題は1.とも共通するが、方向性を優先して飛ばそうとしないことだ。フェアウェイウッドでもユーティリティでもアイアンでも、飛ばすことよりもフェースにボールを当てることに注力したい。大ダフリや頭叩きのチョロ、シャンクといったフェースに当たっていない大ミスだけは回避することだ。フォームは我流でも構わないので、とにかくフェースにボールを当てて、そこそこ前へ飛ばせればいい。

フルショットに関しては、大きなミスさえ回避して60~70点のショトができれば100切りには十分で、スコアをまとめるには、3.4.の課題が重要だ。だから、SWによる50~60ヤードのアプローチショット、AWによる20~30ヤードのピッチエンドランなどを練習に多く取り入れたい。60ヤード以内から確実に3回で上がれれば、ダブルボギー以上のホール数は相当減るはずだ。

最後に4.の課題だが、これはグリーン上での課題なので、なかなか練習できないように思えるかもしれない。ロングパットの距離感をよくすることでクリアへと近付けるので、コースへ行ったときには、とにかくロングパットで距離感を合わせる練習をたくさんやりたい。ラウンドの日は、その練習時間も考え、早起きして行きたいものだ。ショートパットは上級者でも外すものだし、家でも練習はできるから、コースへ行ったときはロングパットの練習をメインにやることだ。

家の絨毯での練習でも、できることはある。5mぐらいのパットなら何とかスペースが取れるのではないだろうか。5mでもひとつ距離感の基準ができれば、10mはその倍の力加減でという具合に実戦でも役立つものだ。そして、1mのショートパットは、家でできる「練習の王様」と言える。1mに自信がつけば、やはり3パットの撲滅に大きな効果が期待できる。

「6日間、毎日10分ずつパッティングを練習すれば、1週間に1度、60分練習するよりもはるかに上達が早い」――レズリー・ショーン

この名言の通り、毎日ひまさえあれば家でボールを転がすことが、上達を早めるに違いない。「100切り」を目指す人はテーマを決めた練習をすれば、週イチの練習場、月イチのラウンドでも一気に上手くなる。早い人なら、数カ月で100を切れると思う。

80台やその先を目指すには

100を切ったら、次は80台を、と思うのが当然だが、この壁は100切りよりかなり高い。100を切れるようになると、調子のいい日は90も切れそうなプレーができることもある。すると、すぐに80台も出せるだろうと思うのだが、これが結構難しいものなのだ。

課題としては、100切りのときよりも、もう少し飛距離を伸ばすことだ。とは言っても、莫大な飛距離を必要とするわけではない。ドライバーで言えば、100切りの時は150ヤードも飛べばいいと言ったが、これを正確性は保ったまま180~200ヤード程度に伸ばしたい。

そうすれば、もちろんドライバー以外のクラブも、それぞれもう少し飛ぶようになるだろう。すると、よりグリーンに近づけるからボギーオンする確率が高くなる。そして、スコアの基準がボギーで安定してくるはずだ。

目をみはるような飛距離までは必要ないが、ミスの度合いが小さい安定したショット、アプローチ、パットができていれば、ボギーというスコアは比較的確実に取れるものだ。ボギーがスコアの基準になれば、打ってしまったダブルボギーの数より1個でも多くパーを取れば80台ということになる。

また、80台を出すには、どうしても1個以上のパーが必要となる。確実にボギーオンを確保しながら、いくつかのパーを取るには、アプローチとパッティングがカギを握る。特にパーより2打少ない数でグリーン周りまで運べたときが、寄せワンパーのチャンスだ。

そうであれば、練習場では20~30ヤードのショートアプローチに多くの球数をあて、家では1~2mのショートパットを重点的に練習することが効果的だ。

80台が出せるようになったら、次はシングルハンディを目指したくなるだろう。ここで必要となるのは、ドライバーで少なくとも220ヤード以上の飛距離を出せるようになることだ。そして、いくつかのやさしいホールではパーオンして2パットのパーが取れるようになることを目指したい。

ショットの精度もアプローチやパッティングの技術も、さらに磨かなければならないから、練習場やコースに行く頻度ももう少し増やさなければならない。このレベルになると上達のスピードはかなり遅くなる。克服すべき課題の難度が高いからだ。

なかなか上達しない自分に不甲斐なさを感じたりもするが、上達に近道はなく、地道に練習量を増やさなくてはならないことを痛切に感じるのもこの時期だ。ここで挫折するか、あきらめずに努力を続けるかでシングル入りは決まる。

練習は嘘をつかない

私は、幸いにして環境に恵まれ、大学の1年生から2年生にかけて、一気にこの過程をクリアしてシングルハンディのレベルに達した。その後、多くの友人たちが老化や病気などで実力を低下させている中、私は70歳の今も何とかシングルレベルを保つことができているのは幸せなことだ。

68歳の年に孫の世話が手を離れ、クラブ競技に復帰した。その年、ラッキーなことに2度ほど月例杯で優勝し、長期間7のまま変わらなかったハンディが5になった。16歳ぐらいで父親のクラブを振り回し始め、もう半世紀以上にもなるが、オフィシャル・クラブ・ハンディでの最高到達点は30歳ぐらいのときの3である。

70歳になったとはいえ、この人生最高だったハンディ3を何とか超えたいと思っている。しかし、ハンディ5になってからの69歳の1年間はあまり進歩できず、月例杯でもいいスコアを残せなかった。伸び悩み、いわゆる壁にぶちあたっていたわけだ。

ここを打破するのにも、やはり近道はなく、練習するしかないと考え、何かこれまでとは違う練習を自分に課さなければならないと思った。それで、近所にあるよいシミュレーションゴルフ練習場を見つけ、平日サブスク会員になった。1日1時間、平日なら何日でも定額の月会費で利用できるというシステムだ。無人営業で早朝5時から夜11時まで営業しているのも気兼ねがなくていい。

ゴルフは朝型人間になることも有益とされているので、入会してからというもの、ほとんどの平日は、4時30分に起床し、5時~6時の1時間シミュレーション・スクリーンに向かって球を打っている。その効果は、すぐに表れはじめ、74とか75というようなスコアが出始めた。1か月半後、2年間突破できなかったシニア選手権の予選も5位で通過することができた。

「いかなる局面でも、自分を支えてくれる心の余裕は、最終的には自分が積んだ練習の量から生まれてくるものである」――中部銀次郎

やはり上達に近道はなく、練習量を増やすしか上達する方法はない。銀次郎さんの言うとおり練習することが、ラウンド中うまくいかない時間帯を耐える自信にもつながったように思う。よく言われるが「練習は嘘をつかない」ということのようだ。

この記事は幻冬舎plusからの転載です。
連載:ゴルフは名言でうまくなる
岡上貞夫

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