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2024.06.17

【ホラン千秋】「ローラン・ペリエ グラン シエクル」が追い求める“シャンパーニュの本質”に迫る

まばゆいゴールドの液体に、立ち上る繊細な泡――。その優雅な味わいで世界を魅了し、英国王室御用達としても知られるシャンパーニュ・メゾン、ローラン・ペリエ。なかでも、メゾンの威信をかけて造られるプレステージ・シャンパーニュが「グラン シエクル」だ。アッサンブラージュというシャンパーニュの本質を追求し続けるそのものづくりについて、独自の視点でしなやかに社会に切り込むホラン千秋氏が、ローラン・ペリエのグローバルアンバサダーであるエドゥアルド コッシー氏にたずねた。

ホラン千秋×「ローラン・ペリエ グラン シエクル」

メゾンの飛躍を支えた最高峰シャンパーニュ「グラン シエクル」

エドゥアルド コッシー(以下コッシー) ホランさんはシャンパーニュはお好きですか? ローラン・ペリエのシャンパーニュ「グラン シエクル」はお飲みになったことはありますか?

ホラン千秋(以下ホラン) 今回、初めてグラン シエクルをいただいたのですが、本当に香りが豊かで驚きました。すごくフレッシュなのに深みも余韻もあって、飲んでいるだけでとても特別な気持ちになりました。

コッシー ありがとうございます。気に入っていただけて嬉しいです。

ホラン ローラン・ペリエ自体、とても歴史の長いメゾンとうかがっています。

ホラン千秋/Chiaki Horan
1988年東京都生まれ。アイルランド人の父と日本人の母を持つ。青山学院大学卒業。『Nスタ』(TBS系)でのキャスターや『ザ・ニンチドショー』『出川一茂ホラン☆フシギの会』(ともにテレビ朝日系)などでMCを担当するなど多方面で活躍中。

コッシー 創立は1812年ですから、200年以上の歴史がある由緒正しいメゾンです。一方、現在の当主であるドゥ ノナンクール家が買い取った1939年当時は、販売本数はシャンパーニュ・メゾンのなかで約100位という小さなメゾンでもありました。それが現在は世界5位という売り上げを誇るまでに。その最初のステップとなったのが、グラン シエクルなのです。

ホラン メゾンの飛躍のカギがグラン シエクルだったとは。どんな背景があったのでしょうか?

コッシー 1948年にベルナール ドゥ ノナンクールが当主となり、これこそローラン・ペリエだと表現できるような、他にはないシャンパーニュを造りたいと考えたんです。ちょうど第二次世界大戦が終わり、さまざまなメゾンがプレステージ・シャンパーニュを出し始めていたのですが、その多くが「ミレジメ」と呼ばれるよい年の葡萄のみを使って造る単一ヴィンテージのシャンパーニュでした。ただ、それだと、その年の葡萄が持つ特徴によって質が左右されてしまうことになります。

ホラン千秋×「ローラン・ペリエ グラン シエクル」
エドゥアルド コッシー/Edouard Cossy
フランス・ヴェルサイユ生まれ。ブルゴーニュワイン&スピリッツ国際ビジネス学部で博士号を取得。2012年ローラン・ペリエに入社し、欧州市場でブランディングを担当。2020年よりグローバルアンバサダーとして世界中でグラン シエクルの啓蒙活動を行う。

ホラン 確かに今でもプレステージ・シャンパーニュと聞くと、ひとつの年のものが多い印象ですよね。

コッシー そんななか、ベルナールが考えたのが、シャンパーニュの本質を追求することでした。もともとシャンパーニュは、アッサンブラージュと呼ばれるワインのブレンドによって造られていました。フランスでもかなり北部にあるシャンパーニュ地方は、厳しい気候環境のためよい年が頻繁に訪れるとは限りません。ひとつの年にこだわらず、年ごとの特徴を補完するように美味しいシャンパーニュを造り続けるために、その技術を磨き続けていたのです。

そんな自分たちのDNAであるアッサンブラージュの高い技術を使うことによって、単一のミレジメを超えるシャンパーニュを造る。すなわち、ひとつの年だけでは成し得ないパーフェクトなシャンパーニュを造ることをベルナールは目指しました。それが、このグラン シエクルなのです。

ホラン千秋×「ローラン・ペリエ グラン シエクル」
ローラン・ペリエ グラン シエクル No.25
輝くホワイトゴールドの色合いの中、きめ細かな泡が立ち上るローラン・ペリエのトップキュベ「グラン シエクル」。「No.25」にブレンドされたのは、力強い骨格を感じる2008年、フレッシュさを際立たせる2007年、エレガントさを印象づける2006年の3ヴィンテージ。12年の熟成を経て、フレッシュさとトースト香が響き合う口当たりと長い余韻を持つ味わいに。¥34,133/750ml

ボトルネックの番号は歴史の証し
細いボトルネックにつけられている「No.25」という番号は、1959年に初めてリリースされたグラン シエクルをNo.1とし、以来通し番号としてナンバリングされているもの。卓越したヴィンテージのみを使った特別なアッサンブラージュは、これまでわずか25回しかないという証しでもある。

メゾンが守り続ける「アッサンブラージュ」の三大原則

ホラン やはりその年の個性というのは、かなり出てくるものなのでしょうか?

コッシー 年によって個性は大きく違います。そのためにローラン・ペリエでは、アッサンブラージュの三大原則を決めています。ひとつ目は「合わせるのは3つのヴィンテージのみ」。ふたつ目はシャンパーニュ地方に何万とある区画のなかから、「最高級クラスのグラン・クリュの葡萄しか使わない」こと。そして、「10年以上の長期熟成をすること」。この3つを守り続けています。

ホラン 異なる個性をひとつにまとめるために、その三大原則が大切なんですね。

コッシー 3つの年の組み合わせを、私たちは「イテラシオン(反復)」と呼んでいるのですが、例えば最初のNo.1は1955年をメインに53年と52年を合わせており、No.2では1959年をメインにその前に使った55年と53年を足しています。そしてNo.3では1961年をメインに59年と55年を、といったように必ず前に使ったミレジメを合わせることで、味の一貫性を保っているのです。

ホラン千秋×「ローラン・ペリエ グラン シエクル」
グラン シエクルを味わいながら、来日中に行くべきレストランをコッシー氏がホラン氏に相談するなど、打ち解けた雰囲気のなか話が進んだ。

ホラン なるほど! そうやって脈々と続いていく。だからこそ「これが『グラン シエクル』である」という味を継続していけるのですね。そんなアッサンブラージュで、苦労するのはどんなところですか?

コッシー まず、納得のいく葡萄を探すことですね。シャンパーニュ地方には約3万4千ヘクタールの葡萄畑がありますが、土壌などの環境から最高級レベルのグラン・クリュのほか、プルミエ・クリュ、ヴィラージュという3つのカテゴリーに分けられているんです。

ホラン もしかして、それをすべてテイスティングするのでしょうか?

コッシー ローラン・ペリエが使用する畑はそのなかの約1,600ヘクタールで、そこから理想とする葡萄を選んでいます。特に上級クラスのシャンパーニュでは、グラン・クリュやプルミエ・クリュの畑を中心にテイスティングをし、グラン シエクルはさらに、グラン・クリュのなかから厳選して、スタイルに合ったもののみを選ぶようにしています。

ホラン きっと時間も手間もかかる作業なのだと想像できます。壮大なシャンパーニュ造りのストーリーが、この1本に詰められているのですね。

ホラン千秋×「ローラン・ペリエ グラン シエクル」
注がれた瞬間、立ち上がる香りに思わずうっとり。フレッシュな柑橘をぎゅっと凝縮したような香りから長い余韻まで、ゆっくりと味わいたいと思える特別な1杯に。

10年後の味を見極める「ローラン・ペリエ」の技

コッシー グラン シエクルというひとつのスタイルにまとめ上げるには熟成も必要です。他のメゾンのプレステージ・シャンパーニュよりも長い、10年以上の熟成期間をかけています。完璧な葡萄を選ぶのも、時間を経てもよい変化を生みだす可能性が必要だからなのです。

ホラン 10年後の味を考えながら葡萄を選び、その組み合わせを考えるわけですよね。それこそ、匠の技術だと思います。

コッシー そうなんです。まさに醸造責任者の“マジック”と言えると思います。

ホラン その熟成の究極の形が「レ レゼルブ グラン シエクル」なんですね。限定品とお聞きしました。

コッシー 熟成期間は20年以上。そのために通常ボトルより穏やかに熟成するマグナムボトル(※)以上のサイズのみで造っています。

※通常ボトル750mlの2倍の大きさ

ホラン千秋×「ローラン・ペリエ グラン シエクル」
アルミ製のプレートが輝く「レ レゼルブ グラン シエクル」。20年以上の熟成を経て、何層にも感じる香りはより複雑に、そして今なお緻密な泡とシルキーなテクスチャーが口を満たす。ボトルネック部分の麻糸も1本1本職人の手で巻かれている。日本ではわずか160本のみの販売。「ローラン・ペリエ レ レゼルブ グラン シエクル No.20」¥418,000/1500ml

ホラン まるでタイムカプセルのよう! どんなメッセージを込めて造られたのか、いつかチャンスがあれば味わってみたいです。

コッシー 私たちの想いは、このシャンパーニュの名前にも表れています。“グラン シエクル(偉大な世紀)”とは、17世紀というフランスの文化や芸術が最も円熟した時代のこと。豊富な自然に人の手を加えることで、より素晴らしい形へと昇華していったヴェルサイユ宮殿の庭園のように、アッサンブラージュという人間の力によって、自然が生みだしたミレジメを超えた、よりパーフェクトな理想を達成するという意味がそこには込められているのです。

メゾン独自の厳しい基準でミレジメを選択
1950~2008年までの58年間において、シャンパーニュ地方でミレジメと呼べる年は一般的に49あるといわれているが、ローラン・ペリエが認めているのは29のみ。葡萄に非難すべきところがまったくない完璧な出来であるかどうか、そして長期熟成できるだけのポテンシャルを持っているかどうかという、メゾン独自の基準を満たした年だけを厳選した結果だ。

ホラン千秋×「ローラン・ペリエ グラン シエクル」
ヴェルサイユ宮殿近くで育ち、子供の頃は宮殿の庭園で遊んでいたというコッシー氏。その時にできた傷が残っていると聞き、「傷も勲章のようなものですね(笑)」とホラン氏。

時代を超えて“本物”であり続ける存在に

ホラン お話を聞いて、よりローラン・ペリエの、そしてグラン シエクルに対するフィロソフィーが理解できました。でもそうしたフィロソフィーを変わることなくずっと継承し続けるのは、とても難しいことだと思います。

コッシー おっしゃるとおり、それはとても重要なテーマとなっています。実は1952年から2024年まで、ローラン・ペリエの醸造責任者はわずか3人。現在の醸造責任者であるミシェル フォコネも、その前のふたりとともに仕事をして、積み上げてきた技術を受け継いでいます。さらに、世界第5位の売り上げを誇る生産者となった今でも家族経営を貫いていることも、フィロソフィーの継承に大きな意味を持っていると感じています。

ホラン だから確実に受け継がれていき、ぶれることがないのですね。そんな長い歴史のなかでは、時代とともに価値観が変化することもありますし、逆に変わらない価値を提供し続けるという美学もあります。ローラン・ペリエの考えをお聞かせいただけますか?

コッシー 私たちは、決して価値観を変えるというようなことはしません。数十年前に若者だった方に、今、このグラン シエクルを飲んでいただけているように、私たちの不変の美学を表現し続けていれば、「こんな素晴らしいシャンパーニュがあるのか」とそのよさを発見してくれる人が必ず現れる。ですから、私たちに必要なのは、いつの時代でも本物でい続けることだと思っています。

ホラン その真の味わいを理解して飲んでほしい、という強い想いが伝わります。私も含め、そんな匠が造り上げたグラン シエクルという本物を味わうことは、きっと人生の愉しみにもなると思います。

左:ローラン・ペリエのメゾンのスタイルを体現するのが「ラ キュベ」。100以上の畑から厳選した葡萄を使用し、アッサンブラージュを経て、メゾンが目指す「フレッシュさ」「エレガントさ」「バランスのよさ」を味わいで表現している。「ローラン・ペリエ ラ キュベ」¥8,833/750ml
右:フランスで唯一赤ワインと白ワインを混ぜることが認められているシャンパーニュで、敢えてピノ・ノワール100%にこだわって造ったロゼ。サーモンピンクの色合いに、ベリー系果実を感じる香りと味わいが楽しめる。「ローラン・ペリエ ロゼ」¥19,833/750ml

 

ローラン・ペリエ ロゴ

Laurent-Perrier

1812年に創立したシャンパーニュ・メゾン。巨大資本傘下のメゾンが多いなか、今なお家族経営を貫き、徹底した職人的ものづくりにこだわっている。「グラン シエクル」のほか、素材そのものの味を重視するヌーベル・キュイジーヌに合わせて造られたゼロ・ドサージュ(加糖なし)の「ウルトラ ブリュット」、デザートとも相性抜群の繊細な甘みを持つ「ドミ・セック」などラインナップは8種類。現在はベルナール氏の娘であるアレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール氏が当主としてメゾンを率いる。

 

 

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サントリー https://www.suntory.co.jp/wine/special/laurent_perrier/
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衣装クレジット:シャツブラウス ¥264,000、パンツ¥283,800(FABIANA FILIPPI /ともにアオイ︎TEL:03-3239-0341)、その他スタイリスト私物

TEXT=牛丸由紀子

PHOTOGRAPH=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

STYLING=森外玖水子

HAIR&MAKE-UP=森野友香子

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