独創的かつ圧巻の造形美を持つロジェ・デュブイ。だが、その根底にあるのは徹底的な品質主義だ。伝統的な時計技法にこだわり、手仕事を尊ぶ姿勢こそ、スイス高級時計の世界で瞬く間にその地位を確立できた理由なのである。
美しい調和で結実する、デザインとメカニズム
華やかな印象のロジェ・デュブイ。だが、それだけでこのブランドをわかったつもりになってはいけない。同社が創業したのは1995年。美的センスに優れた実業家のカルロス・ディアス氏が、複雑機構の開発で名を馳せていた時計師、ロジェ・デュブイ氏をパートナーに迎えて時計製造をスタートさせた。
すぐに実力あるラグジュアリーブランドのみが参加を許されるジュネーブ・サロンにて展示を行い、1998年にはブランド名を「ロジェ・デュブイ」へと改めて、同サロンに独自ブースを構えるまでになる。
新興勢力に手厳しい時計業界の老舗ブランドやジャーナリストたちも、ロジェ・デュブイを好意的に迎え入れた。それは果たしてなぜか?
それは徹底的な品質主義を貫いてきたからに他ならない。機構とデザインの一体化を目指した自社ムーブメントへのこだわり。美しいデザインとメカニズムを調和させることで、大胆かつエレガントな時計をいくつも生みだしてきた。
しかも初代モデルから一貫して、ジュネーブに伝わる時計技術を継承することの証「ジュネーブ・シール」を取得。つまり、新進ブランドでありながら、歴史に敬意を払い、時計づくりをする姿勢が高く評価されているのだ。
なかでもロジェ・デュブイの時計は、トゥールビヨンに並々ならぬ情熱を傾けている。精密なメカニズムを美しく、大胆に表現するために常に機構やデザイン、構造などに挑戦し続けているのだ。
新作の「エクスカリバー チタン モノ トゥールビヨン」は星形シグネチャーを持つスケルトンウォッチだが、「ジュネーブ・シール」取得はもちろん、細部まで丁寧な仕事が施されている。大胆なデザインに宿るのは、品質に対する実直な誠実さ。その不思議な二面性こそがロジェ・デュブイの魅力である。
エクスカリバー チタン モノ トゥールビヨン
「Less is more」の哲学から生みだされた新作ウォッチ。シングルトゥールビヨンは、下からのみキャリッジを支えるフライング式。チタン素材をこれだけ立体的に仕上げることができる技術力の高さも驚きである。アストラル(星)型シグネチャのシャープな造形美を楽しみたい。世界限定28本。
エクスカリバー スパイダー フライバック クロノグラフ
スーパーカーからインスピレーションを受けたクロノグラフ。カレンダーや積算計はスピードメーターや燃料計をイメージし、6時位置にはクロノグラフ機構を動かすためのコラムホイールが見える。重層的なデザインだが、もちろん「ジュネーブ・シール」を取得している。
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ロジェ・デュブイ 銀座ブティック TEL:03-5537-5317