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2024.06.28

噂のアートオークション「ArtXAuction」は、何が革新的で、どうすごいのか?

アートのポータルサイトやギャラリーのための管理クラウドなどを提供するArtXが、2024年3月16日、アートオークションを初開催した。従来のものとは一線を画す“アートとの出会いの場”を企画・演出したのは、ArtX代表取締役でアートコレクターでもある播口友紀氏とディレクターを務めた門間理子氏。ふたりのキーパーソンが「ArtXAuction」にかけた想いに迫る。

オークションのディレクターを務めた門間理子氏とArtX代表取締役でアートコレクターでもある播口友紀氏

“アートを家に飾る”を意識した邸宅で開催

ArtXが2024年3月に初開催したオークションの会場として選んだのは、築100年を数える歴史的建造物、小笠原伯爵邸。

スパニッシュ様式の館に、紀元前につくられた腕輪にルノワールの絵画、ホックニーのフォトコラージュ、マティスのドローイング画などが点在。作品を前に、参加者たちがドリンクを片手に、オークショニアが語る作者や作品にまつわるストーリーに耳を傾ける。

そんな和やかな雰囲気のプレビューの後、オークションがスタートするという仕掛けだ。

一般的に、アートオークションは作品が映えるようにシンプルな造りの会場で開かれ、作品は白バックに掲げられる。

下見会や有識者によるセミナーが開催されることはあるものの、作品の情報は、分厚いカタログやオークションサイトを通じてというのが主流で、会場でオークショニアから詳しい話を聞けるケースは稀だ。

あえて館を舞台にした理由について、「家に飾ることをイメージできるなど、親しみやすいアート環境を提供したかったから」と、播口氏は説明する。

播口友紀/Yuki Hariguchi
1991年生まれ。慶應義塾大学在学中の19歳から起業、事業売却を経験し、2015年に大学の同級生の田中和希氏とアイザックを立ち上げる。2021年アイザックのグループ会社としてArtXを設立し、代表取締役に就任。2018年に自身が起業し、AIを根幹にした革新的なITプロダクトを提供するハローの代表も兼任している。

原田マハ氏の小説をきっかけにアートに関心を抱き、急速にのめり込んでいったという播口氏。

アートをコレクションするうちに、アート業界の閉鎖性や排他性、イノベーションの遅れなどが目に留まり、その改革に乗り出すべく、2021年にArtXを設立。

翌年、旧知のアーティスト、門間理子氏を責任者に招聘してオークション事業を立ち上げ、約2年準備を経て、今回のイベント開催にこぎつけた。

「オークションひとつとっても、主催するのは世界的に名の知れた老舗が中心というように、アート業界は旧態依然としていて、閉鎖的だと感じました。

買い手として参加しようにも、アートに造詣がある人が前提なのか、作品に関する説明が乏しく、初心者にはハードルが高い気がします。そんな状況を変えたくて、企画したのがこのオークション。

作品それぞれのバックグラウンドやストーリーを説明すると同時に、なぜ今回この作品を選んだのかまで、参加者にお伝えしました。そうすることで、初心者でも楽しめるものにしたかったんです」(播口氏)

ArtXAuctionの様子
家に飾られることをイメージしやすいよう、小笠原伯爵邸で開催された第1回オークション。

狙いは的中し、当日は老若男女さまざまな人々が参加。プレビューにいたっては、さながらアート好きが集い、語らうホームパーティーのようだったという。

「ITという僕らの強みを生かし、初心者でもリアルタイムでビッティングしやすいオンライン・システムも開発しました。海外から参加してくださるコレクターの方もいらっしゃったり、日本国内だけではないマーケットの可能性を感じました。」

新しいことができたのは経験ゼロだったからこそ

伝統的なオークションとは一線を画し、アート業界に新たな価値を提供する。

そんな播口氏の想いに賛同し、この事業に参加した門間氏だが、「経験ゼロからのスタートだったので、最初は戸惑うことばかりでした」と笑う。

アーティストで、ArtAuction事業責任者を務める門間理子さん。
門間理子/Riko Monma
1994年北海道生まれ。7歳から14歳までニュージーランドで生活。14歳の時に飛び級でアメリカの大学に進学し、化学/物理学を専攻。2015年北海道大学大学院に入学し、卒業後は外資系化粧品会社で3年間研究職として働き、退職後、アーティスト活動を開始。2023年ArtXAuction事業責任者に就任。

「いろいろな方々に教えていただきながら、手探りで始めたような感じです。ただ、新参者だったからこそ、『コレクターは、どんなオークションを望んでいるだろう』など、既成概念にとらわれない、新しい発想ができた気がします。

歴史的建造物を会場に選んだので設営は大変でしたが、おかげさまで素敵なイベントになったと思います。何より、参加くださった皆さんが楽しんでくださったのが、嬉しかったです」(門間氏)

伝統的なオークションとの違いは、作品のラインナップにもみられる。

オークションは、制作された年代や表現方法別に作品を分類するのが主流だが、「ArtXAuction」は考古学からモダンアートまで、時代や分野を超越し、キュレーションに重点を置いた作品選びがなされた。

「『ArtXAuction』のテーマは、『THE PERENNIAL CURATION』。PERENNIALは多年草という意味なのですが、アートの普遍性や永続性を重視し、作品をセレクトしました。

たとえば、デイヴッド・ホックニーの『My Mother Sleeping L.A.』というフォトコラージュには、いつの時代にも通じる母への想いが感じられますし、ジョン・ブレットの『In the Channel Islands』は、自然の広大さに対して人間は矮小化されて描かれるなど、今を生きる私たちも抱いている自然への畏敬が感じられます。

そんな風に、つくられた時代の鏡としてだけでなく、未来にもつながる普遍性を抱いているのも、アートのすばらしさだと思うのです」(門間氏)

ITの力でアート市場を広げ、業界に貢献

来春には、第二弾となるオークションの開催を予定しているが、ArtXの挑戦はそれだけにとどまらない。

「ITが得意とするのは、いろいろな人に幅広くアクセスすること。日本のアート業界はDX化が遅れていますが、大きな変化を起こしやすいのは、そうした未成熟な市場。アートのDX化を日本から仕掛ける意味は大きいんじゃないかと思っています。

また、近々イギリスに支社を設立し、グローバルな展開を予定しているのですが、テクノロジーを活用すれば、日本のギャラリーが海外のコレクターと、海外のギャラリーが日本のコレクターと容易につながることができます。

そうやって市場を拡大することで、アートを次世代へとつなぎ、業界に貢献する。それが、僕らのミッションだと思っています」(播口氏)

ArtXの親会社、アイザックのロゴ
ArtXの親会社は、「世の中を実験しよう」をミッションに掲げ、幅広い事業を展開するアイザック。高い技術力と発想力に加え、100%自己資本だからこそ、チャレンジングな試みができるのも強みだ。

「オークション売上の一部は、海洋環境保護に取り組むGlobal Coralitionに寄付しました。アートは作品そのものに価値があるだけでなく、社会に対しても物質的な利益をもたらせるもの。そんな私たちの考えや想いも広げていきたいですね」(門間氏)

アート業界に新風を巻き起こすArtX。その挑戦に、今後も注目したい。

問い合わせ
ArtX https://artx.com/auction/top

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=田中駿伍(MAETTICO)

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