放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。
「先日のコラム、『SNSでなくSNP(散歩)で企画を生む』が面白くて、すぐに実践しました。心地良いし頭がスッキリするので、会社のミーティングも屋外から参加しようと思っているのですが、さすがにやり過ぎですかね?」という質問をいただきました。
いいですね、会社の会議も屋外から参加しちゃいましょう。
実は、僕はすでに週の1日を『外出先から会議に出る日』にしています。
会議は大きく2つのタイプがあり、①資料を見ながらプロジェクトを煮詰めていく「対面が必要な会議」、②新企画のアイデア出しや相談ごとの壁打ちなど「対面より対話が重要な会議」に分けることができます。
僕は後者のタイプの会議をひとつの曜日に集約して、外出先からリモートで参加するようにしたのですが、以前よりもアイデアとアドバイスの質が変わってきた手応えがあるのです。
一体どんな効果があるのか? 今回は「会議を屋外でやると効率が上がる理由」をシェアしていきましょう。
きっかけは「Meta社」と「脂肪」
週イチ屋外会議を画策したきっかけは、Facebookを生んだMeta社のクリエイターたちが歩きながら会議をしていたり、マーク・ザッカーバーグ氏が歩きながらインタビューを受けていたりすると知ったから。
そして、その情報をつかんだとき、ふと自分のお腹をさわったら泣きたくなるほどの脂肪がつかめたことでした。
「とりあえず歩きはじめよう」と決断し、その後「どうしたらクオリティを落とさずに会議ができるか?」を考えていきました。そうして辿り着いたのが、名付けて『モンゴル式ゲル会議』でした。それはこんなマイルールです。
▼遊牧民のごとく、季節に合わせたスポットに赴く
▼会議時間が近づいたら、ゲル(移動式住居)を探す
▼ゲルは、喫茶店でも公園でも静かな場所であればOK
▼同じ場所に留まらず、つねに放浪していく
これに則り、つい先日は「サッカーW杯」にちなんだ場所へ。そこでも次のような「屋外×会議」の利点を見出せました。
脳でなく「目・耳・心」が創出するクリエイティビティ
今回降り立ったのは、葛飾区の南エリアにある四ツ木駅。「南葛」なので『キャプテン翼』の聖地でもあります。
駅のホームや入口が翼くん一色ですし、街灯にもサッカーボールがあしらわれているなど、街とアニメをうまく掛け算したクリエイションが会議前の頭を柔らかくしてくれます。

ミーティングの時間が近づき、ゲルになりそうな場所を探していると、陽気な外国語が聴こえてきました。観光客らしき家族が、翼くんの銅像と記念撮影をしていたのです。
Googleマップを見てみると、他にも外国語でシェアされた「ピン」を発見。
どうやら彼らは、この街に9体設置されているキャラクター銅像を巡り、訪日仲間にシェアしているようです。

その後の会議で、僕はさっそく「訪日客がピン留めしているスポットを巡るロケ企画」を提案。
会議メンバーから、「日本人にはない視点の観光情報がありそう」「まだ世に出ていない裏スポットが見られそう」など、なかなかの評価を得ることができたのです。
このように、屋外から会議にコネクトすると、目に飛び込んでくる風景や耳から入ってくる情報が、会議室では立ち現れないアイデアを創出してくれることが分かってきました。
アドバイスの質を上げる「心が整う」
屋外会議はアドバイスの質も上げてくれます。この日は計4つのミーティングがあり、その都度、公園のベンチ、川のほとり、喫茶店、神社の境内と、ゲルを移動させました。
公園ではしゃいでいる子供たちを見ていると、忘れかけた純粋な幼心を思い出します。川のほとりにいると、なつかしい故郷が浮かびます。神社に足を踏み入れ、手を合わせると、仕事に追われている日々の穢れが清められていきます。
陽光、そよ風、川のせせらぎ、草花に癒されながら深呼吸をすると、オフィス内ではできないマインドリセットが可能になります。
そして、吸い込んだ新鮮な空気は穏やかな言葉となって吐き出され、リフレッシュした脳は冴えたアドバイスとなって送り出されてゆくのです。
いかがだったでしょうか。最初は「歩き出そう」くらいの初手でよいので、タブレットを手に出かけてみてください。
時間があれば、四ツ木にも足を向けてみてくださいね。
では、また来週、別のテーマでお逢いしましょう。

1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

