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2026.06.15

年間1000本以上を生み出す人気放送作家の、おもしろい企画の作りかた

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。

年間1000本以上を生み出す人気放送作家の、おもしろい企画の作りかた

「33歳の会社員です。多くの人気コンテンツを手掛けている放送作家さんは、どのように企画を生み出しているのでしょうか? アウトプットのコツがあれば教えてください」という相談をいただきました。

まず、どんな人でも、おもしろい企画を作れる能力を持っています。

しかし、毎日コンスタントにおもしろい企画を生み出せる人となるとそう多くはいません。

では、いつも良企画をアウトプットできる「生産性の高い人」と「そうでない人」の差はどこにあるのでしょう?

才能の違い、プロとアマチュアの違い、などの言葉で片づける方もいますが、僕はそうは思いません。

この後にふれる「ある1つのこと」をやっているか?いないか? その差だけだと思っています。

ということで今回は、約30年、放送作家として活動し、今でも年間1000本以上の企画を創出している僕の知見を踏まえつつ、「コンスタントに良企画を生む方法」を2週にわたってシェアしてみたいと思います。

企画を作る人が「忘れている企画」

僕はこれまで、吉本のクリエイター学校やエンタメ界の現場で、たくさんの人から「企画の作りかたは?」「生産性を高めるには?」という相談を受けてきました。

そうした日々のなかで気づいたのは、ほぼ全員が周囲をアッと言わせる企画を考えることに躍起で、「もっと大切な企画」と向き合っていないということでした。

大切な企画とは「自分に合った企画の作りかたを企画する」ことです。

同じアニメ制作会社でも、ジブリとピクサーでは制作過程がまったく違いますし、有名なプロ野球選手でも、試合直前まで素振りをする選手と仮眠をとる選手がいます。

これは、どんなステップを踏めば、自分(たち)のパフォーマンスが上がるのか、いろいろ試したことで掴んだコツ。つまり「企画したからこそ」の成果物なのです。 

企画を考えるうえで大切なことは、いかに斬新なアイデアを捻り出すかではなく、多くの人が見落としがちな「どんな作りかたが自分に合っているのか?」を、いろいろ企んでいくことなんですね。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

では、僕が企画し、見つけた手法とはどんなものか? 次のステップに進みましょう。

企画は、中学校の「得意科目」で生産する

あれこれ企画してたどり着いた、僕にとって最良の生産手段は「中学校の得意科目」でした。

何だそれ? と思われるでしょう。しかし、このメソッドは、吉本のクリエイター学校でも効果を上げているのです。

人にはそれぞれ「得意科目」があり、得意なものは苦になりません。

僕の場合、「国語」と「美術」が得意だったので、これを使った生産ラインが作れないか?と考えました。

そこで編み出したのが、最近気になった2つのワードをPCの検索画面に入力し、出てくる画像を美術鑑賞のようにボーッと眺めるという手法でした。

例えば、「シール帳」と「退職代行」で検索すると、脈絡のない画像が並ぶのですが、言葉(国語)×画像(美術)がもたらす情報によって、僕の頭は「入手困難なシールを芸人が代行するのはどうかな?」「退職届がボンボンドロップシールだったら怒られるかな?」などと、アイデアの種をスムーズに生産してくれることが分かったのです。

これは国語や美術だけの話ではありません。僕の教え子たちは、それぞれの得意科目を活かして、こんなアプローチで生産性を高めています。

  • 音楽が好き→ラジオ、オーディオブック、喫茶店の隣席客の会話など、「耳から得る情報」で企画を生んでいく。
  • 社会が好き→昭和史やテレビ史をまとめたガイドブックから過去のヒットを分析。「歴史からヒント」を得る。
  • 数学が好き→ドキュメント×バラエティの掛け算で「電波少年」や「水曜日のダウンタウン」などのドキュバラが生まれたように、既存のAとBを掛け合わせたり、足したり、引いたり、「数式」のように思考していく。
  • 英語が好き→まだ誰も知らない海外の人気コンテンツや商品を探り、ひと手間加えて「日本に輸入」してみる。
  • 体育が好き→地域コミュニティへの参加、タイミーを使って異業種に潜入してみるなど、「体験」を通して企画を創造していく。

いかがだったでしょうか? 企画は難しく考えるのではなく、中学の得意科目をこなすようにラクに思考していく。それくらいのイメージでいいのです。

では、引き続き来週、さらにお得なコツをシェアしていきたいと思います。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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