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2026.07.24

作家・原田マハ「日本のモノ作りを応援していきたい」【アイヴァン】

1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウェアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた仕事人たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「人生を彩る眼鏡」の第37回は作家の原田マハ。「人生を彩る眼鏡#37」「男を起動させる眼鏡」#1〜50

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作家/原田マハ

作家・原田マハ氏
眼鏡はE5 eyevan「p16」¥52,800(アイヴァン PR TEL:03-6450-5300)

知的な雰囲気をまとった眼鏡が好き

シンプルな黒のボートネックシャツで現れた、原田マハさん。動きに合わせて生まれるシャツの自然なドレープと、耳元で繊細に輝くパール、そしてシックなアイウェアが表情を引き立てている。

「眼鏡をかけた自分の顔のほうが好きなんです。普段使っているのはリーディンググラスなので、常に必要とするわけではないんですけど。かけたほうが、個性が出ますよね。ちょっと作家っぽく見えるというか(笑)」

クラシカルな黒縁のフレームは、E5 eyevanの「p16」。フロントに“ハイカウントアセテート”を使用し、見た目を裏切る軽さとかけ心地の良さを備えた1本だ。

「少し存在感があって、知的な雰囲気をまとっている眼鏡が好きですね。今回は、普段かけているものより、軽い雰囲気のものを選びました。黒いウェアに黒い眼鏡が、いい感じにキマったので。自分でファッションブランドを手がけていることもあり、全体のバランスやコーディネーションはすごく考えます。あとは、ジャパンメイドであること。日本の素晴らしいモノ作りを、応援したいという気持ちがあるんです」

パリにも拠点を持ち、外から日本を見る機会が増えたことで、日本のプロダクトの魅力をよりいっそう感じるようになったという。

2026年3月に刊行された著作『すべてが円くなるように』は、真珠がつなぐ人生と夢を描いた短編集だが、同作には日本の養殖真珠にフォーカスした物語が収められている。職人の手仕事の丁寧で美しい描写からは、モノづくりに携わる人へのリスペクトが伝わってくる。

「実際に養殖場を訪ねると、昔懐かしい学び舎のような建屋で皆さん黙々ときれいな仕事をしていらしたんです。優れたモノづくりのバックステージは、精神的にも物理的にも感動的な美しさがあり、そこに日本のモノ作りの美学を感じました。ほかにも、良い仕事をする職人さんの工房を訪ねると、無駄なものが一切なく、散らかっていても、どこかに秩序があるんですよね。そうしたところに、日本人の精神性が滲み出ているように思います」

今年で作家デビュー20周年。キュレーターとしての豊富な知識に加え、綿密な取材を重ね、名画や画家を題材にした名作を数々生み出してきた。

「プロフェッショナルな物書きになること自体が、人生の目的だったわけではなくて。それまでのキャリアで長くアートと付き合ってきましたが、これからもアートと付き合っていくために、自分で小説というメディアを持ちたくなったんです。小説を書くことでアートとの関係性を深めていこうという思いが、作家になるモチベーションのひとつだったかもしれません。常に“Back to origins” で、そのフレッシュな気持ちを忘れないでいたいですね」

さらに、これまでを振り返りこう続ける。

「小説家としてのスタートが遅かったこともあり、いろいろ経験してきたことを読者の方たちとシェアしたいという思いも強かったんです。これまで読者の方たちとともに歩み、成長させてもらうことができた、幸せな作家人生だと感じています」

2027年1月には、自身の原作をもとに脚本を手がけ、自らメガホンをとった映画『無用の人』も公開予定。新しいことにトライし続ける原田さんが、これからやりたいこととは?

「やっぱり、ひとりのクリエイターとして、日本のモノ作りを応援していきたいですね。たとえば、『たゆたえども沈まず』に登場した画商・林忠正のように、かつては日本の魅力を世界に広げていこうと尽力した人がいたんですよね。そうした人の存在、そして現代にも脈々と受け継がれているその動きを追いかけていきたいですし、それを途切れないよう伝えていくのが、私の役目かなと思っています」

原田マハ/Maha Harada
1962年東京生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、2017年『リーチ先生』で新田次郎文学賞、2024年『板上に咲く』で泉鏡花文学賞を受賞している。2026年11月5日に短編集『ハミングバードのいるところ』が発売。Amazonオーディブルでは、9月より先行配信する。

問い合わせ
アイヴァン PR TEL:03-6450-5300

【連載「人生を彩る眼鏡」】

TEXT=伊藤美玲

PHOTOGRAPH=操上和美

HAIR&MAKE-UP=AKANE

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