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2026.08.25

【アイヴァン】美術家・河原シンスケ「眼鏡は自分にとって欠かせないもの」

1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウェアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた仕事人たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「人生を彩る眼鏡」の第38回は美術家の河原シンスケ。「人生を彩る眼鏡#38」「男を起動させる眼鏡」#1〜50

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美術家/河原シンスケ

美術家 ・河原シンスケ氏
眼鏡はEYEVAN  7285「374」¥82,500(EYEVAN 7285 TOKYO)

ストーリーと美学が感じられるものが好き

1980年代より、パリを拠点としマルチに活躍している美術家の河原シンスケさん。自らを“カメレオン”と例えるほど、常にさまざまなテイストのファッションを楽しんでいるが、そのスタイリングに欠かせないのが眼鏡だ。

「もう、眼鏡がないと恥ずかしいぐらい。裸眼でも見えなくはないんですけど、眼鏡がない顔だと、間が抜けているような感じがして。自分にとって欠かせないものになっています」

それゆえ所有本数は多く、今も「旅先でおもしろいなと思うものに出会うと、買い足したりする」のだそう。

「眼鏡って、かけるだけですごく雰囲気を変えられるし、遊べるアイテム。だから、印象に残るようなデザインが好きですね。僕はとにかく何でもやってみたいタイプなので、服もいろいろなものを着たいと思っていて。今日みたいな感じもあれば、着物を着たりもする。眼鏡も、それによってかけ替える感じですね」

そんな河原さんは、EYEVAN 7285の「374」に度付きのカラーレンズを入れて着用。甲丸感のある大きめのボストンシェイプが、こなれた抜け感を演出している。

「フレームのなんともいえない色合いに、すごく惹かれました。柔らかいトーンが、今の髪色にも合っているし。しかも、すごくかけやすい。やはり日本のブランドはフィット感が違いますね」

モノ選びにおいては、クオリティや心地よさを重視。一方で、それだけが正解ではないと続ける。

「すごく窮屈だけど、『絶対にこれを着てやる!』って思えるアイテムもあったりするじゃないですか。だから、ただ心地よいとか美しいだけではなくて、完成に至るまでの過程に、どれだけストーリーと美学が感じられるかというところに重点を置いているかもしれません」

ペインティングから立体作品、空間デザインなど幅広く手がけている河原さん。フランスを拠点として40年以上が経つが、作品を作るなかで自身のアイデンティティは、やはり日本にあると感じることも少なくないという。

「すごくカラフルな絵を仕上げても、フランス人からは『シンスケの線は、やっぱり日本人的だね』と言われたりするんです。なんでかなぁと思うんですけど、僕は絵を描くときに下書きをしないんですね。下書きをなぞると線が生きないからなんですが、それは『書』にも通じるところがあって。そうしたところが、日本的だと感じられるのかもしれません」

河原さんを象徴するモチーフといえばウサギだが、日本の季節の移ろいを表現した「24節気」も創作のテーマのひとつ。立春や夏至など、15日ごとに季節の変化を捉えた繊細な感性もまた日本人ならではだと、離れたからこそ気が付かされたことも多い。

「うちは母が毎日着物を着ていて、祖母もお茶やお華を嗜むような家で、そうしたことに反発して外国へ行きたかったはずなんですけど(笑)。小学生にして写経をしたり、万葉集の大家の先生と歌会に出席したりとか、当時は本当にイヤでしたけど、そうした経験は今も自分のなかに残っていて。その魅力を今になり再発見することもあるので、悪くはなかったなと感じています」

現在、フランスや日本のみならず、さまざまな国で多岐にわたるプロジェクトが進行中。今回の日本滞在でも、京都に構える自身のアトリエで過ごす時間が取れないほど忙しくしていたのだとか。最後に今後の抱負を聞くと、「抱負は、あり過ぎて(笑)。まだまだ子供なので、やりたいことがいっぱいあるんです」と笑う。これからまた、どんな作品が届けられるか楽しみだ。

河原シンスケ/Shinsuke Kawahara
1980年代よりパリ在住のマルチアーティスト。ブリュッセルのELEVEN STEENSでの個展のほか、パリ造幣局博物館、パリ工芸美術館、西本願寺伝道院など国内外数々の展覧会で作品を発表。 また、企業、ブランドとのコラボレーションでも作品を多々創出。エルメスとの取り組みは多岐にわたり、香水『ローズイケバナ』のリミテッドボトルデザインや、同社のサスティナブル部門「petit h(プティアッシュ)」における多数のプロダクトデザイン及び、大阪中之島美術館にて開催された「エルメスの petit h -プティアッシュ」展覧会に於いて、空間とコンテンツの領域を超えたアーティスティックなセノグラフィーも手がけた。「千と一のうさぎ」始め「ル・ポミエ・セリエ」などカレやバンダナ等のコラボレーションも続行中。 「ウサギ」は、彼のこれまでの活動に重要な主題となっている。

問い合わせ
EYEVAN 7285 TOKYO TEL:03-3409-7285

【連載「人生を彩る眼鏡」】

TEXT=伊藤美玲

PHOTOGRAPH=操上和美

HAIR&MAKE-UP=AKANE

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