PERSON

2023.11.20

「怒っている人」に怒り返さず、向き合う3つの方法を教えます【吉本NSC人気NO.1講師】

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位の桝本壮志のコラム。

あなたの近くに「怒ってる人」はいますか?

部下にキレている上司、なぜかPCに八つ当たりしてる同僚、店員に怒鳴ってるクレーマー、見えない敵にパンチしてる酔っ払い……。そう、今日も地球の半分は「怒り」でできています。

そこで今週は、怒れる人たちへの対処法、心のライフハックを伝えてみたいと思います。

怒る人の「怒りの原因」は、あなただけではない

まず、「怒っている人」に対処するには、“怒っている人とは何者か?”を知る必要があります。

先に答えを言います。怒る人は“さみしい人”です。

過去に大声を出して有利になった成功体験があり、自分が怒れば、人は従う、屈服させられると思っています。

そして、よく怒る人は、あなたがミスしたり、プロジェクトが不振だったりという、“現在のできごと”だけが原因で怒っているわけではありません。「あのとき無礼だった」「あのとき遅刻した」など、現在のできごとに“過去のできごと”をトッピングして怒ったりします。

では、なぜトッピングするのでしょう?

それは“まわりの状況”が問題ではなく、虫の居所が悪かったり、家庭の不和だったり、金欠だったりと、“自分の状況”が良くないから。

そう、「よく怒る人」とは「ゆとりがなく、さみしい人」と言えますし、彼らの怒りの原因は“あなただけではない”ということも分かってくるのです。

言わせたい人には「15分間言わせておく」

では、そんな当たり屋には、どのように接していけばいいのでしょう?

かつては四方八方にキレている人がいた芸能界で息をしてきた僕は、いくつかの法則に気づくことができました。

●「でも」と「だって」は、火に油を注ぐ

怒っている人の最大の目的は“自分の正しさを認めさせたい”なので、「でも」や「だって」のような、“さあ、今から反論をはじめますよ”というワードを異常に嫌います。

その場から早めに退散するには、これらのワードを禁句にして対峙するほうが吉となります。

●言わせたい人には15分間言わせておく

怒っている人は「風船」です。イライラや鬱憤が、体内という風船にたまって暴発寸前になっているので“空気を抜く”ことが最も有効です。

パンパンに膨れた風船の口を開くと、あとは自動的に空気を吐き出すように、怒っている人も“一方的に吐き出してもらうこと”が最良の手段です。

ためしに15分間、一方的に怒らせてみてください。

大泣きしている子供が、やがて疲れて静かになるように、怒っている人も、やがて落ち着いてきます。なぜなら怒りの持続時間は、せいぜい15分だからです。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。

なぜ、怒る人との交戦は避けるべきなのか?

ここまで読んで、「理不尽なのは向こうなのに、反論もせずに我慢しろって? 納得いかない!」と言う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、怒っている人との交戦は得をしません。1つは、先述した“怒りの原因があなただけではない”から。

2つ目は、何度か共演した論破王・ひろゆきさんらディベート上級者も言っていましたが、“相手を怒らせたほうが有利”だからです。

語気を荒らげる人は、怒っていくうちに感情のほうにエネルギーをつかうので、冷静さをどんどん失っていきます。冷静さを欠けば“付け入る隙”が生まれます。

同じ土俵での交戦は避け、あとでゆっくり相手が見せた隙を突いてゆく。それくらいの感覚でいいんです。

それでも「やり返したい」という衝動に駆られる人に、3つ目をお伝えしますね。

世の中には理不尽なキレ方をする人たちがたくさんいます。僕もイラッとすることは茶飯事です。

そんなとき、いつも頭の中でこんな2択クイズを出題します。

A、一瞬だけ幸せになりたいなら、やり返す。

B、一生、幸せに過ごすなら、スルーする。

そう、答えはB。一瞬の激情で人生を棒に振りたくないですし、相手と同じように怒ってしまうと、同レベルの人間になってしまうからです。

それでは、また来週お逢いしましょう。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

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