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2025.06.26

ジャガー・ルクルト「レベルソ」はなぜ、時代を超えて愛され続けるのか。その魅力を徹底解説

1931年のデビュー以来、多くの人から愛されてきたジャガー・ルクルトの傑作「レベルソ」。その気高さの源泉は、「レベルソ」特有の歴史とデザインにある。

「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」を着用する男性
ジャケット¥403,700[スーツ価格](ラルディーニ)、パンツ¥36,300(ブリリア 1949/ともにトヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567) ニット¥29,700(ストラスブルゴ)、スカーフ¥47,300(セブン フォールド/ともにストラスブルゴ カスタマーセンター TEL:0120-383-563)

アールデコデザインの神髄を体現する時計

その始まりは、インドに駐留していた英国軍将校のオーダーだった。「ポロ競技中でも風防が割れない時計」という注文を受けたビジネスマンのセザール・ド・トレーは、ルクルト社のジャック=ダヴィド・ルクルトに相談を持ちかけた。ルクルトは時計技師のアルフレッド・ショヴォーとともに時計の開発に取り組み、長方形のケースを反転させるという構造を考案。そしてラテン語で「反転する」という意味を持つ「レベルソ(Reverso)」と命名され、1931年にデビューを果たした。

この独創性をさらに魅力あるものとしているのが、ケースデザインだ。20世紀初頭は大量生産技術が進化し、効率よく製品を生産するために簡素で合理的な形状が好まれるようになる。しかし腕時計に代表される贅沢品は、心に響く芸術性も無視してはいけない。この合理性と芸術性のせめぎあいから生まれたのが「アールデコ」というデザイン様式で、その中心地は芸術の都・パリだった。

デザインに機能性や合理性を取り入れつつも、細部に装飾性を加えることで美しい表現をつくりだすアールデコは、腕時計における工業デザインのはしりといえる。また、生産効率を追求するなかで生まれたのが“機能美”という概念であり、この時代には数多くの傑作が生まれることになる。

直線的でありながら、サイドを柔らかくカーブさせたケースやベゼル部分のゴドロン(横縞)、先細りの形状となったラグといった「レベルソ」のデザインは、まさにアールデコの見本というべきもの。つまり革新的なケース構造と時代にフィットするデザインが融合したことで、「レベルソ」は多くの人から愛されるようになったのだ。

レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド
レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド
柔らかな発色のピンクゴールドケースに合わせて、グレイン仕上げのダイヤルも同系色。十数メートルもの金の糸を編んだミラネーゼブレスレットはしなやかに腕になじみ、アクセサリーのような美しい表情をつくりだす。ケースバックはソリッドタイプ。手巻き、18KPGケース、縦45.6×横27.4mm。¥6,424,000

卓越した技術力が「レベルソ」を進化させる

この傑作がさらなる高みへとステップアップしたのが、誕生60周年となる1991年から始まった複雑機構化。特に1994年にデビューした「レベルソ・デュオ」において、反転ケースの表面と裏面に異なる機能やデザインを与えることに成功する。これはジャガー・ルクルトにマニュファクチュールとしての卓越した技術力があるからだが、「レベルソ」の優れたデザインやケース構造があったからこそ可能になったのだ。

くるりとケースを反転させると新しい世界が広がる。それは「レベルソ」以外では楽しむことができない喜びだ。裏面に第二時間帯表示を組みこむモデルは、旅先で便利に使えるだけでなく、ダイヤル色も変わるのでファッションに合わせて使い分けることも可能。ケースバック側にワールドタイムやジャンピングアワー、さらにはミニッツリピーターといった複雑機構を組みこむモデルは、機能的であるだけでなく、その機構の世界に没入することもできる。

もちろん初代モデルからの伝統であるソリッドバックも人気がある。ケースを反転させることで時間が隠れてしまうため、時間を気にせずに物事に没頭できるし、ケースバック部分にイニシャルやメッセージなどをエングレービングすることも可能となる。

常に最先端。しかし常に不変的

初代「レベルソ」
1931年に登場した初代「レベルソ」。ブランドロゴなどはなく、REVERSOを書かれるのみ。カレンダーや秒針もなかった。ケースの形状だけでなく、ゴドロンなどの装飾やラグのフォルムも現代へ継承されている。

反転するケースの形状や構造を生かす形で機能面でも発展を遂げてきた「レベルソ」。しかし決してこれ見よがしな時計ではない。ベースにあるのは、1931年から継承されるアールデコ様式のデザインであり、時代を超越したタイムレスな美しさがある。その静かな気高さこそが、「レベルソ」の不変的な価値となっているのだ。

「レベルソ」は、いい意味で、今という時代を背負ってはいない。しかしいつの時代も、ライバルも存在しない“比類なきもの”であり、時計愛好家の美の琴線に触れ、独創的な機構やカチャカチャとケースを反転させる感触で楽しませてきた。

時代を超えて愛され続けることが、マスターピースの条件となる。それを体現しているのが「レベルソ」であり、その気高さは永遠のものなのである。

「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」を着用する男性
ジャケット¥192,500、シャツ¥70,400、パンツ¥847,000、タイ¥34,100(すべてラルディーニ/トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567)
レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド
レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド
初代モデルを思わせるブラックダイヤルが登場。針やインデックスと美しいコントラストをつくる。裏面はシルバーダイヤルの第二時間帯表示を備える。ポロ用具メーカー「カーサ・ファリアーノ」がデザインを手がけたストラップがもう1本付属する。手巻き、SSケース、縦47×横28.3mm。¥2,129,600

EVENT|超希少なモデルが揃う、またとない機会

2025年7月2日から8日まで、伊勢丹新宿店本館1階のザ・ステージにて、ジャガー・ルクルトの特別ポップアップイベント『1931 POLO CLUB』を開催。「レベルソ」の最新作はもちろん、この日のために特別に希少な限定モデルなどが展示される予定だ。

場所:伊勢丹新宿店本館1階 ザ・ステージ(東京都新宿区新宿3-14-1)
期間:2025年7月2日(水)~8日(火)

問い合わせ
ジャガー・ルクルト TEL:0120-79-1833

TEXT=篠田哲生

PHOTOGRAPH=谷田政史

STYLING=久保コウヘイ

HAIR&MAKE-UP=松本恵

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