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2025.06.28

「週3でラーメンを食べたいから、他の18食を整える」元空手世界チャンプの人気トレーナー

美しい肉体を持つ女性パーソナルトレーナーたち。自身がトレーナーになったきっかけや身体を鍛えることが人生に与えるいい影響とは? パーソナルジム・LOWMEL(ローメル)のMIKU編。【特集 魅せるカラダ2025】

パーソナルトレーナーのMIKUさん

ボディメイク大会初出場で優勝するも、過食と10kgのリバウンド

「筋トレは歯磨きと同じ、習慣なんです」

表参道のパーソナルジム「LOWMEL(ローメル)」の人気トレーナーMIKUさんは重いバーベルを軽々持ち上げながらそう微笑む。

ボディメイクの大会「JBBFビキニフィットネス」の2019年大会、埼玉県オープン大会158cm以下級で優勝。さらに「APF SUBLIME SAPPHIRE CUP」2023年大会、東京大会のモノキニクラス(女性らしい美しさやスタイルを競う部門)でも優勝を飾った超実力派トレーナーだ。

MIKUさんは父親が空手の指導者であり、自身も幼少期から空手に打ちこんだ。小学校4年生で世界大会優勝を果たし、アスリートとして将来を嘱望されていたという。

「でも、中学を卒業した時点で空手はもうやりきったような気がしてしまって。それまで生活のすべてを空手に捧げていましたから、少し疲れてしまったのかもしれません」

パーソナルトレーナーのMIKUさん

空手から離れ、それまでできなかった“普通の学生”としての生活を楽しんだ。卒業後はアパレルの仕事に就いたが、連日会食も多く、運動からも離れていたことで体重が増加。「このままじゃまずい」と始めたのが筋トレだった。

ジムに通い、独学でひたすらトレーニングをする日々。その延長線上で出合ったボディメイクのコンテストに、初出場でいきなり優勝を果たす。

「2019年に『JBBFビキニフィットネス』に出場する前は、よくわからず勢いで身体づくりをしていて。減量は思うようにいかず、最後の2ヵ月でなんとか追いこんだんです。知識のない状態で、ひたすら食事制限だけ続けていたので、本当に辛くて。優勝できたのはうれしかったのですが、大会後はもうぐったりで、しばらくトレーニングもできなくなってしまいました」

過酷な減量からの反動で大会後は過食状態になり、10kgのリバウンド。自己嫌悪に陥ってしまった経験から、「しっかり知識をつけたい」「健康的に減量できる人を増やしたい」と強く思うようになり、トレーナーとしての道を志すようになった。

パーソナルトレーナーのMIKUさん

食事は「我慢」ではなく「工夫」

「もう2度とあんな辛い思いはしたくない」と思っていたMIKUさんだったが、2023年、再び大会に挑戦。それまでに臨床栄養医学指導士、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 NESTA PFTなどの資格を取り、得た知識を使って半年かけて計画的に減量。タンパク質、脂質、炭水化物の「PFCバランス」を意識し、食事を「抜く」のではなく「整える」ことを徹底。結果、「APF SUBLIME SAPPHIRE CUP」で優勝を飾ることができた。

「優勝よりも、無理なく減量ができたことに達成感がありましたね。燃え尽きてしまった2019年から、無理なくトレーニングと減量をするためにどうしたらいいか、4年間、私なりに研究してきました。2023年の大会でその成果を出せたことがうれしかったです」

ボディメイクにおいて、食事は「我慢」ではなく「工夫」が大事だと説くMIKUさん。実は大のラーメン好きで週3回はラーメン屋に行くのだという。

「1日3食ご飯を食べるとして、1週間で21食。そのうちの3食をラーメンにしたいから、他の18食を整えればいいんです。よく『筋トレ中は、ササミとブロッコリーだけ』という食事のイメージする方もいると思いますが、それではバランスがとれません。栄養を身体にどう足すか、考えないと」

食事は和定食スタイルを基本に、野菜や芋類、果物などを意識的に取り入れる。栄養バランスを考えるのが難しいなら「彩りが豊かか」を見ればいいのだという。

「ササミとブロッコリーだけだと、彩りは良くないですよね(笑)。そこに少し赤い野菜を足してみる、黄色いフルーツを入れてみる、など迷ったら“色”で考えてみてください!」

パーソナルトレーナーのMIKUさん

MIKUさんがトレーナーとして大切にしているのは「ストレスフリーで続けられるようになること」。クライアントにはストレスのない食生活を提案、トレーニング中も追いこむよりも笑顔で声をかける。

「トレーニングは自分に自信を与えてくれる。昔は、空手もボディメイクも燃え尽きることも多かったけど、今は“歯磨き”と同じ。人生の一部になりました」

中学で辞めていた空手にも、15年ぶりに復帰。2025年12月に開催される大会出場へ向けて準備を重ねている。

「今日も、ジムでの仕事が終わったあとは空手の稽古に行ってきます!」

自身も目標に向かって努力し続けるMIKUさんとなら、モチベーションを保ちつつトレーニングができるに違いない。

LOWMEL
ピラティス、筋トレ、整体、エステを展開する女性専用トレーニングジム。筋肉と関節を正しい位置に戻し、運動効率を上げる「コンディショニング」をすべてのトレーニングに組みこむ。男性は紹介の場合のみ入会可能。
住所:東京都渋谷区神宮前3-40-2 シグマDuo原宿
TEL:03-6455-4522
営業時間:9:00〜21:00(最終受付20:00)

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=山本陸

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