筋肉美をもつ女神シリーズ43人目は、イ・スジ。■連載「マッスル美女」とは
フォロワー10万人超えのジム・マネージャーに
韓国には同姓同名が多い。「キム(金)」を筆頭に、「イ(李)」「パク(朴)」「チェ(崔)」「チョン(鄭)」など名字が限られており、名前をつけるにあたって“音”を重視するため、かぶりやすいのがその理由だ。例えば女子プロゴルファーのイ・ジョンウンも5人以上もいて、区別するために「イ・ジョンウン1」「イ・ジョンウン2」といった具合に表記するほど。
韓国のフィットネス界にも同姓同名の“マッスル美女”がいる。今回紹介するイ・スジがその人だ。以前に本欄で紹介した“ハガネのママ”もイ・スジという名前だが、今回紹介するイ・スジには“hipzzzy”というニックネームがある。
「まだ完璧ではありませんが、自分の体の部位の中で最も気に入っているヒップと、私の名前である“スジ”を組み合わせ、ちょっと可愛らしくするために、語尾がジからジィ〜になりました。ファンたちがつけてくださったニックネームです」
仁川(インチョン)にあるフィットネス・スタジオに務めるマネージャーでありながら、インスタグラム(@hipzzzy)のフォロワーは10万人を超える彼女。ボディメイクに興味を持ち始めたきっかけは、ボーイフレンドだった。
「ウェイトトレーニングをはじめて、かれこれ13年ぐらいになります。始めたきっかけ? 当時付き合っていた彼が筋トレ好きで、それを横で見ていた影響もあって自然とジムに通うになりました。気づけばジムが職場になっているのだから、不思議ですよね」
もとは制服を着る職業に従事していたという。制服がある職業と言えばキャビンアテンダントか看護師などが思い浮かぶが、彼女から返って来た答えは意外な言葉だった。
「私、もとは軍人だったんですよ。制服を着る職業に対して漠然とした憧れというかロマンがあって軍人になりました。韓国陸軍の輸送部門の中士でした」
70年の歳月が過ぎても今なお北朝鮮と休戦状態にある韓国では、成人男子に約2年の兵役が義務付けられているが、女性には「国防の義務」がない。それでもイ・スジのように職業軍人として軍務に従事する者も多く、2019年の時点で1万2600名強の女性たちが「国防」の現場で働いている。イ・スジもそのひとりだった。
それも階級は中士(チュンサ)という下士官。二等軍曹のような立場にあったというのだから驚きだ。イ・スジ本人も「軍服を着たときは誰よりも一生懸命に働きました」という。
もっとも部下たちが恐れる「鬼軍曹」だったわけではなかった。何しろこの美貌だ。爆発的人気を集めてもおかしくはない。
「爆発的人気だなんてことはなかったですよ (笑)。同じ部隊に属する人たちとは毎日顔を合わせていたこともあって、普通に“戦友”でした。ただ、陸軍の広報モデルを7~8年ほど務めていたので、ほかの部隊の方々は関心を持ってくれていたようです。ファンレターのような手紙が届きましたし、“交際してください“と告白されたこともありました。これ以上は恥ずかしいので、ほかの話に切り替えましょう(笑)」
トレーニングがコンプレックスを解消してくれた
もっとも、今は彼氏はおらず、デートするのはもっぱら女友達ばかりで、時間が出来ればジムでトレーニングに励む毎日だそう。
「筋トレにハマる前の私は、見た目にも明らかなほどふくよかでした。特に下半身、その中でもお尻がドップリしていて脂肪も多かった。ただ、トレーニングを始めるうちに体が絞られ、美しいボディラインへの憧れが日を重ねるごとに強くなり、ますますトレーニングにのめりこむようになりました。
筋トレって不思議ですよね。自分の短所と思っていた部分でも、努力してトレーニングを続けていれば、それが長所にもなる。今の私のヒップが、まさにそうなんです。そして成果を知ってしまったからこそ、筋トレはやめられない。ジムのマネージャーとしてこれからも、筋トレの魅力を伝えていきたいと思っています!!」
マネージャーを務めるフィットネス・ジムをもっと盛り上げて有名にしたいというイ・スジ。彼女の働く様子も紹介されているので、ぜひインスタグラム(@hipzzzy)もチェックしてみてほしい。
■連載「マッスル美女」とは……
健康志向が高まり、体を鍛える人が増えている昨今。お隣・韓国でも全国各地で大小さまざまなボディビル大会や"美ボディ・コンテスト"が開催されており、ここから輩出された"マッスル美女"たちが脚光を浴びている。美しくもしなやかな筋肉美をもつ女神をシリーズで紹介する。