健康志向が高まり、身体を鍛える人が増えている昨今。お隣・韓国でも全国各地で大小さまざまなボディビル大会や"美ボディ・コンテスト"が開催されており、ここから輩出された"マッスル美女"たちが脚光を浴びている。美しくもしなやか筋肉美をもつ女神をシリーズで紹介する。
ナミの実写版、イム・アロがコンプレックスを解消した方法
ぱっちりと大きな瞳が愛らしい顔立ちと弾力性もあるメリハリボディ。その美しさから韓国のネットユーザーたちの間で「ナミの実写版だ」と騒がれたのが、今回紹介するイム・アロだ。
ナミとは日本の人気漫画『ONE PIECE』に登場する人気キャラクターのことだが、イム・アロもナミに負けず劣らず“美のタイトルホルダー”だ。
2018年に開催された「ミス・インターコンチネンタル」韓国首都圏大会では1位に輝き、「ミス・アジアアワード」韓国大会では2位、世界大会では3位になった。'19年には「ミスコリア」全南・済州大会でグランプリを獲得するなど、数々の大会で優秀な成績を収めてきた。
しかも、文武両道。大学時代は演劇やミュージカルなど舞台芸術を専攻する傍ら、モデルとして活動していたという。文字にすると華やかで賑々しいキャンパスライフが目に浮かぶが、当の本人であるイム・アロはその大学時代を「最悪だった」と振り返っている。
「演技の勉強と並行してモデル活動をしていましたが、あるときから背が低いことがコンプレックスになってしまったんです。その自信のなさを克服するためにスリムになろうと必死になりましたが、極端なダイエットを続けたことが原因で過度なストレスを抱える逆効果。さらにうつ状態になり、髪の毛が全部抜け落ちてしまうほど心と身体が壊れてしまいました」
そんなどん底のような日々から彼女を救ったのが、トレーニングだったという。
血行を良くするためのストレッチに始まり、早歩きを意識した散歩やランニングで汗を流したあと、主に胸筋や背筋を鍛えるためにチェストプレスやラットプルダウンを使った筋トレで、カラダと心を鍛え直した。今では筋トレが彼女の日常に欠かせないルーティンになっているらしい。
「カラダが回復するまでにかなり長い時間がかかりましたが、運動をする上で大切なことは“努力と真心”だと知ることができました。努力と真心を込めたトレーニングを積み重ねていくことで、心身の健康を取り戻す。その重要性を学んだ気がします」
コロナ禍の影響で運動不足や体力低下が危惧され、“筋トレ人口”が増加する昨今。雑誌や書籍、テレビ、動画などの媒体を通じてさまざまなトレーニング方法が紹介されているが、イム・アロは自分に合ったトレーニング方法を探しだすのが最も効果的だという。
「他人のやり方をそのまま真似るより、自分の好きな方法を探すのが正解だと思います。例えば私にとってはルンバやチャチャチャ、サンバのようなラテンダンスもトレーニングのひとつ。ストレス解消をしながら、有酸素運動としてしっかり汗を流しています」
そんな日々の努力の甲斐あって、美しいS字ボディラインを手に入れたイム・アロだが、その活躍の舞台はボディ・コンテストだけにとどまらない。2020年春夏パリコレクションでは、モデルとしてランウェイデビューも果たしているのだ。
美しく健康的なスタイルでパリコレの舞台に立ったイム・アロ。かつての自信のなさもどこ吹く風。堂々としたウォーキングで観客たちから喝采も浴びた。インタビューで自分の強みについて聞かれたときも「誠実さと真心。そして、生まれ持った美しさですね」ときっぱり。笑う健康を取り戻すためにカラダを鍛え始めたが、今では健康なカラダだけでなく理想的なスタイルや自信も取り戻すことができたというわけだ。
そんなイム・アロは現在、韓国の民族衣装である韓服をモチーフにしたドレスブランド「MADIDAARO」を立ち上げ、デザイナー兼社長としても活躍している。
ミスコンやモデルの仕事をするなかで、さまざまなドレスに袖を通しているうちに「ドレスを通じて、韓国の伝統文化を世界に伝えられるかもしれない」と思ったのがきっかけだそう。
今までは磨き上げてきた美しさを武器に自分をアピールしてきたが、今後は培ってきたプロデュース力を生かして韓国の美学を世界に発信したいという。
ひとつの場所に留まらず挑戦し続けるイム・アロ。彼女の勇気はこれからも、多くの人々に自信を与えていくことだろう。
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