HEALTH

2023.02.17

“11字腹筋”を持つ童顔美女…その正体は、3児のスーパーママ

筋肉美をもつ女神シリーズ18人目は、キム・ソウン。連載「マッスル美女」とは……

秘訣は、「体をいじめる」のではなく「体をほぐす」

韓国最高峰のフィットネス&ボディビル大会である「MAX Qマッスルマニア」。毎年、個性あふれる選手らが大会を彩っているが、2022年の年末に開催された大会で一際存在感を放っていたのが、フィットネス部門で優勝したキム・ソウンだ。

愛らしい童顔フェイスなのに、おなかにくっきり浮かび上がる2本の腹筋・縦ライン(通称:11字腹筋)。しかも、家事に育児に大忙しの3児のママだということがアナウンスされると、会場は大いに沸いた。

まさに新たなマッスル・スターの誕生。出場選手の多くが一日24時間をボディメイクに費やして大会に臨む中、家事に育児に奔走する合間を縫って体作りに励んでいるというのだから拍手喝采を浴びるのは当然と言える。

ただ、かつてはスポーツをすること自体をあきらめていた時期があったという。幼少期から続けてきたバレエで身体を酷使したせいで、体のあちこちに後遺症が残っていただめだ。

その治療の一環としてリハビリに特化したトレーナーに出会い、彼の献身的なサポートのおかげで体を自由に動かせるようになった。と同時に、リハビリと筋トレを通じて「努力をすれば、その分だけ成長する。体は裏切らない」という考えにも辿り着いた。

それからは家事と育児をこなしながら、トレーニングに没頭する日々。その過程でいつしか大会出場を夢見るようになるのは必然のことだったのかもしれない。

そうはいっても彼女は3児の母親。「マッスルマニア」への出場は、時間的にも体力的にもハンデがあるなかでの挑戦だった。

「3人目の産後の体型管理は本当に大変でした。体力が低下し、以前よりバテやすくなったのに加え、今までと同じトレーニングだけでは筋肉が育たないんです。腹筋するのも一苦労でしたよ」

そんな負のスパイラルから抜け出すためにキム・ソウンが取り組んだのは、ストイックにトレーニングすることではなかった。「体をいじめる」のではなく、「体をほぐすこと」だったという。

「焦りは禁物。小さなことから地道に始めました。昼はトレーニング、夜は一人でバレエをしながら体をほぐすことに集中したんです」

大会も近づくなか、闇雲に筋トレをするのではなくあえてストレッチに重点を置いた練習メニューに終始することには迷いもあったが、今となっては賢明な選択だったという。

「筋肉の柔軟性が高まったことで、トレーニングで力を発揮できるようになり、減量にも成功。以前より理想の体型に近づくことができましたから」

そこからはとんとん拍子にことが進んでいく。

「マッスルマニア」2019年大会フィジーク部門でグランプリに輝き、世界大会にまで出場したキム・テヤンが、キム・ソウンの特別コーチを引き受けることになった。

「テヤン選手から適切なアドバイスを受けながら、より引き締まった美しい腹筋を手に入れることにも成功しました。体力がついていかず大変な時期もありましたが、テヤン選手や夫のサポート、みんなが協力してくれたので乗り越えることができました」

そうして手にしたのが、冒頭で紹介した優勝タイトルだった。彼女のお腹にクッキリと浮かび上がる“11字腹筋”は、その努力でさまざまなハンデを乗り越えてきた“ガッツの証明”でもあると言えるだろう。

そんなキム・ソウンの手には今、上位5位の選手のみが出場を許される世界大会の切符が握りしめられている。

次なる目標は世界か、それとも――。己の限界を決めないスーパーママの活躍に、今後も目が離せない。

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過去連載記事

■連載「マッスル美女」とは……
健康志向が高まり、体を鍛える人が増えている昨今。お隣・韓国でも全国各地で大小さまざまなボディビル大会や"美ボディ・コンテスト"が開催されており、ここから輩出された"マッスル美女"たちが脚光を浴びている。美しくもしなやかな筋肉美をもつ女神をシリーズで紹介する。

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TEXT=新井いるる(ピッチコミュニケーションズ)

PHOTOGRAPH=MAXQ http://www.maxq.kr/

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