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2023.09.18

出川哲朗の凄さは、"辛い"をポジティブに変換する魔法の言葉にあり

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位の桝本壮志のコラム。

毎日が少しラクになる"言葉の酸素"を送ります

あなたの周りに、生き辛そうな人はいますか?

僕には約1万人の教え子がいるので、周りにたくさん。そして僕自身も、かつては生きる希望を見失いかけた1人でした。

  • 貯金がないので、将来が不安で仕方ない。
  • 仕事がうまくいかず、自己否定に陥っている。
  • 会社や上司がイヤ。でも働かないと生きていけない。
  • 恋愛ができない。一人で生きていくのは怖い。

卒業生全員にLINEを公開しているので、日々こんな相談が届きます。

もちろん僕には、他者の人生を劇的に変化させる力や地位はありません。ですが、彼らが生まれながらに持ち合わせている治癒力や蘇生力を信じつつ、言葉の酸素を送ったり、思考のツボを押したりはできる。それを基本姿勢としてやって来ました。

では今週も、劇的には変わらないけど、ちょっと日々がラクになる“生き辛さと向き合う思考法”をお伝えします。

1.出川哲朗さんに学んだ「生きてりゃなんかある」

僕が『ゴチになります!』(NTV『ぐるナイ』)でご一緒していた'90年代~'00年代にかけて、出川さんは「嫌いな男」「抱かれたくない男」の代名詞で、彼が出演すると「うるさいから出すな」「見たくない」といった苦情がTV局に来るほどでした。

しかし今では、CMキングになったり、「理想の上司」の上位に名を連ねていたりする。

出川さんから学んだのは"生きてりゃ何かある"という未来の希望です。

どんなに嫌われても、他人の評価が低くても、生きている限りバッドエンドはない。それを体現している貴重な現代人と言えるのです。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。

2.「辛い」を「ヤバい」に換えるポジティブさ

どんな修羅場に追い込まれても「辛い」とは言わず、「ヤバいよ」と口にする出川さん。この「ヤバいよ」を言い換えると「おもしろくなってきた」。そう、いかなる状況下でも"楽しんでみよう"という態度が、カメラが回っている回っていないにかかわらず日常装備としてあるのです。

幸運は、「おもしろくなってきた」のようなポジティブな言葉と仲良し。そして、なぜか機嫌がいい人のもとへ吸い寄せられるので、あなたの周りにいる「前向きな人」とは、"持って生まれた性格"ではなく"持っているテクニック"が優れているのです。

漫画やアニメで、主人公の命を奪いにくる好敵手が、ストーリーが進むにつれ、命を救う味方になるパターンが"あるある"のように、幸運がアンラッキーな顔をしてやって来るパターンも人生のド定番。「辛い」を「ヤバい」に換え、あなたなりのヒーローやヒロインになってください。

3.「不安」は未来からやって来る。だからこそ"今" 

先日、「僕なんて、才能がないんで……」と自虐した生徒に、「すげえな、天才やん」と返すと、きょとんとしていました。「才能がないのにココまで生きて来れたのは、すごい才能やで」と加えると、やわらかく顔を崩しました。

僕がこうやって生徒らを励ましているのも、出川さんの「才能なんてなくても生きていけるよ!」という言葉が源泉。

仕事も貯金も恋愛も"不安は未来からやって来る"もの。ですが、まだ何一つ起こっていない未来に気を揉みエネルギーを注ぐより"大切な今"にエネルギーを使ったほうがいい。大勢に認められていなくても、まずは、1日、1日、手ごたえのある暮らしをする。その延長線上にしか未来はない。

そういった思考になれるだけでも、立派な才能なんです。

4.「友達100人できるかな?」精神より「大切な1人」

1日、1日、手ごたえのある暮らしをする思考法は、人間関係にも応用可能です。

子供のころ歌った「友達100人できるかな」の精神は美しいですが、どんなに周囲が「嫌い」でも、「オレは好き」と言い続ける友人を1人もつことの有意義さ、ありがたさ。出川さんの場合は、内村光良さんの存在がそれにあたります。

大勢の人に好かれていなくてもいいんです。目の前にいる1人、1人。家族や親友、パートナーを愛でましょう。

それでは、また来週お会いしましょう。

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連載
桝本壮志コラム

放送作家を中心に活躍する傍ら、NSC(吉本総合芸能学院)の講師として10年連続で人気投票数1位を獲得している桝本壮志さんのコラム。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

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