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2024.09.15

世界No.1フーディー浜田岳文が通う、日本の名店リスト40を公開

大人になって何かにハマったり、何かを習うことは、刺激的で日常を鮮やかに彩るもの。もしかしたら生き方がガラッと変わるかもしれない! これから始めたい趣味、嗜みを、その道のプロから最上&最新の品とともに教わる。今回は「美食」を学ぶ。 【特集 人生を変える最強レッスン】

鮨さいとう
鮨さいとう
浜田氏も長年通う鮨の名店中の名店。「しみじみ美味しい、そんな鮨を握りたい」と齋藤孝司氏。ミシュランの星返上や、麻布台ヒルズ新店での新たな挑戦も話題を集めた。現在は常連客のみの営業。

行きつけを持ち地方の名店を巡る

南極から北朝鮮まで127ヵ国・地域を食べ歩き、OAD Top Restaurantsレビュアーランキングで世界1位になったフーディー、浜田岳文氏。食べることが改めて再定義された、とベストセラーになっている話題の書籍『美食の教養』の著者でもある。改めて食を学べる、何かよい取り組みはあるのか。

「まずは、ひとつの店に通い続けることです。日本の大きな特色は四季がはっきりしていること。季節を同じ店で一巡するだけでも、いろんなことが見えてきます」

食材には旬があって、特定の季節が美味しいとされる。だが、それ以外の季節はどうなのか。

「例えば、鮪といえば脂がのった冬が美味しいと思っている人は多い。でも、夏の鮪を評価しないのは、もったいないですね。若干、酸味があって、軽やかで、飽きずに食べられる。冬の鮪だとこうはいかないんです」

ひとつの店に通い続けると、こうした季節感が見えてくると言う。旬といわれるものも、実は出されるタイミングが必ずしも本当の旬ではないのだ。

「白トリュフは解禁になった10月によく食べられるのですが、実は本当に美味しいのは、11月下旬から12月。走りものに惑わされないためにも、ひとつの店に通ってほしいです」

そんな浜田氏が足しげく通う店が「鮨さいとう」だ。

「日本の鮨において、現代の最高峰だと思っています。当然のことながらよい食材が使われていますが、市場で一番高い魚介を買っているわけではありません。なのに、それが握りとなると最高峰になるのは、齋藤孝司さんの鮨職人の力量があってこそ。他の鮨店を回って、ここに来ると、それを実感します」

定期的に通うお店を持つことは、その行きつけが自分にとってのホームグラウンドになり、他のお店を体験するうえでのひとつの物差しになるのだ。

そしてもうひとつ、今、面白いのが地方の店だと言う。

「近年、地方のレストランシーンが静かに、しかし確実に熱を帯びています。都市部の店は案外、多様性がないんです。同じような食材の仕入れですから、どうしても料理が似通ってしまう。ところが地方には、個性的なお店が多い」

例えば、地元ならではの食材で勝負する店。

「鮮度が圧倒的に味を左右する食材もありますから、食材に近い所で店をやりたいということですね。産地でしか提供できない料理を味わえます」

一方で、そうでない面白さもあるそうだ。

「その食材がない季節があるわけです。そうなると問われるのは料理人の技術。実は地方こそ、高い技術が求められるのです」

都市部から地方に移る料理人も確実に増えていると言う。そして、今では海外のフーディーも日本各地を回り始めている。どうやら地方の美食から目が離せなさそうだ。

デスティネーションレストラン全国マップ

デスティネーションレストランとは、旅の目的になるような、わざわざ訪れる価値のあるレストランのこと。美食の国、日本だからこそ名店は実は地方にある。

デスティネーションレストラン全国マップ
Illustration=野村彩子

北海道
豊頃|Elezo Esprit(エレゾ エスプリ)
余市|余市SAGRA(ヨイチサグラ)
津別|チミケップホテル(Chimikepphotel)

東北
青森・八戸|Casa del cibo(カーサ・デル・チーボ)
秋田・秋田|日本料理 たかむら(Nihonryori Takamura)
岩手・遠野|とおの屋 要(Tonoya Yo)
山形・山形|Restaurant Pas Mal(レストラン パ・マル)
山形・西村山|出羽屋(Dewaya)
福島・いわき|HAGI(ハギ)

北信越
石川・七尾|一本杉 川嶋(Ipponsugi Kawashima)
石川・輪島|L’Atelier de NOTO(ラトリエ・ドゥ・ノト)
石川・金沢|片折(Kataori)
石川・野々市|すし処 めくみ(Sushidokoro Mekumi)
富山・富山|海老亭別館(Ebitei Bekkan)
富山・富山|御料理ふじ居(Oryori Fujii)
富山・南砺|L’évo(レヴォ)
長野・茅野|ca’enne(カエンネ)
長野・軽井沢|Restaurant Naz(レストラン ナズ)
長野・飯田|日本料理 柚木元(Nihonryori Yukimoto)
新潟・村上|割烹 新多久(Kappo Shintaku)
新潟・新発田|登喜和鮨(Tokiwasushi)
新潟・南魚沼|里山十帖(Satoyama Jujo)
新潟・三条|Restaurant UOZEN(レストラン ウオゼン)

関東
栃木・宇都宮|オトワ レストラン(Otowa Restaurant)
群馬・川場|Ventinove(ヴェンティノーヴェ)
東京・調布|Don Bravo(ドンブラボー)
神奈川・鎌倉|北じま(Kamakura Kitajima)
山梨・北杜|Terroir 愛と胃袋(テロワール アイトイブクロ)

東海
静岡・焼津|馳走 西健一(Chiso Nishi Kenichi)
静岡・焼津|茶懐石 温石(Chakaiseki Onjaku)
三重・松阪|私房菜 きた川(Shibosai Kitagawa)

近畿
奈良・奈良|白(Tsukumo)
和歌山・岩出|Villa AiDA(ヴィラ アイーダ)

中国・四国
広島・廿日市|AKAI(アカイ)

九州
大分・由布院|ENOWA(エノワ)
長崎・雲仙|villa del nido(ヴィッラ デル ニード)
長崎・島原|pesceco(ペシコ)

沖縄
うるま|Mauvaise Herbe(モヴェズ エルブ)
古宇利|6 SIX(シス)
宮古島|Restaurant État d’esprit(レストラン エタデスプリ) ※閉店

※マップ上の40店は、ジャパンタイムズが2021年から発表する「Destination Restaurants」の過去4年間の受賞店舗になります。

浜田岳文氏
指南してくれる人 ▶︎ 浜田岳文
1974年生まれ。米国イェール大学卒。外資系金融機関勤務を経て、現在は1年の5ヵ月を海外、3ヵ月を東京、4ヵ月を地方で食べ歩く。2021年からジャパンタイムズが主催の「Destination Restaurants」選考委員を務める。近著『美食の教養』が話題に。

【特集 人生を変える最強レッスン】

この記事はGOETHE 2024年10月号「総力特集:人生を変える最強レッスン」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=上阪徹

PHOTOGRAPH=佐藤顕子

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