歴史とともに育まれた、極上の天然素材「鼈甲(べっこう)」。その神秘的な美しさを、日常的に纏う贅沢が味わえるアイヴァンの鼈甲製アイウェア。その魅力に迫った。

神秘的な美しさに五感で触れる鼈甲夜会
鼈甲夜会と冠された今回のイベントは、ゲーテラウンジ会員限定で開催された。場所は、NOT A HOTELのオーナー専用ラウンジ「NOT A HOTEL CLUB HOUSE ASAKUSA」。三層に渡る螺旋階段、吹き抜けを貫く6mのスピーカーが印象的な空間だ。
この鼈甲夜会を主催したのは、アイウェアブランドのアイヴァン。日本の伝統工芸である「鼈甲」の魅力を改めて知り、じっくりと堪能できる機会としてこの特別な場が設けられた。

イベントはアイヴァンの鼈甲眼鏡を監修し、自身も愛用者である放送作家の小山薫堂氏と、東京随一の鼈甲工房・大澤鼈甲の代表、大澤健吾氏とのトークショーからスタートした。鼈甲の材料となるのは、ウミガメの一種であるタイマイの甲羅。長い歴史を誇る鼈甲の眼鏡作りは、ほとんどが手作業によるものだ。その工程を、自身も職人である大澤氏が映像を交えて説明。参加したゲストにとって高度な職人技や手間暇のかかる作業が、鼈甲眼鏡を特別なものたらしめていることを改めて知る貴重な場に。小山氏が「日々鼈甲の眼鏡を使うなかで、ふと感じる柔らかな触感に愛着が湧く」とその魅力に触れると、大澤氏も大きく頷いていた。
トークが終わり、ゲストは人気店「桃仙閣」の中国料理に舌鼓。その後アイヴァンによる鼈甲眼鏡の受注会がスタートした。この日が初披露となった新作をはじめ、全モデル&カラーがずらりと揃うというまたとない機会。一生モノとなる1本に出会うべく、心ゆくまで試着を楽しんだ。
さらに、ゲストには大澤鼈甲謹製のグラスホルダーをはじめとしたスペシャルなお土産も用意。見て、聞いて、触れて。まさに五感で鼈甲の魅力を堪能できる、特別な夜となった。


世代を超えてストーリーを紡ぐ鼈甲眼鏡
江戸時代に始まったとされる、鼈甲の眼鏡作り。今なお鼈甲が最高峰の素材と称されるのは、この風格を湛えた色艶や極上の肌触りが、決して人工物では代替できないからだ。
材料となるタイマイの甲羅は、成長に伴い年輪のように積層し、厚みを形成。その模様には個体差があるため、鼈甲の眼鏡作りは、斑模様や色合いが美しく調和するようパーツを選別して切りだし、張り合わせるところから始まる。そう、鼈甲眼鏡の奥行きのある模様は、職人の技術とセンスの賜物なのだ。一般に鼈甲は、明るく透明なものほど高級となる。なかでも上品な黄味を帯びた白甲(しろこう)は、一頭から採れる量が少なく、透明感を生かすのに熟練の技術を要するため、大変希少で最高級品とされている。
奥深い艶を湛えた鼈甲の眼鏡。その重厚感とは裏腹に、実は軽量であることも特筆すべき点だ。有機質ゆえ肌触りもよく、そのかけ心地は「肌に吸いつくよう」と表現されるほど。実用面にも秀でた素材なのである。
この伝統工芸品たる鼈甲を、ファッションピースとして纏うことができるのが、アイヴァンの鼈甲眼鏡だ。同作は小山薫堂氏監修のもと、アイヴァンの永世定番たるモデルを大澤鼈甲に特注したもの。洒脱なデザインで、至高のかけ心地をデイリーに纏う贅沢を味わえる。使いこんでも磨き直せば輝きが蘇り、万が一折れても継いで修理ができるため、安心して長く愛用できる。手をかけて使うほどに、愛着も湧くはずだ。
小山氏は鼈甲夜会にて、「自分が見てきたものを誰かにバトンを渡す意味を込めて、鼈甲眼鏡を大切な人に受け継いでもらいたい」と語っていた。ともに人生を歩み、大切な人へとつないでいく。鼈甲眼鏡は、そんな世代を超えてストーリーを紡ぐにふさしい逸品だといえよう。

問い合わせ
EYEVAN Tokyo Gallery TEL:03-3409-1972

