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2026.08.10

感情と行動を切断する。芸能界30年で培った、職場での“怒りの消しかた”

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。

感情と行動を切断する。芸能界30年で培った、職場での“怒りの消しかた”

「30歳の会社員です。私は上司にも部下にもイライラしてしまいます。クセのある人がたくさんいる芸能界で、桝本さんはどのように対処してきましたか? 怒りの消しかたがあれば教えてください」という質問をいただきました。

腹立たしいことって職場でたくさんありますよね。部下を育成しても給料は上がらないし、畑違いの部署からやって来た上司にも仕事を教えないといけない。

丁寧に説明すれば面倒な顔をするし、簡略すると不安がるし、強めに言えばヘソを曲げる。

まるで会社は、プロダクトより怒りを生産したいんじゃないか?と思ってしまうほど、イザコザの火種がありますよね。

30年以上、クセの強い人たちが割拠するエンタメ界で息をしてきた僕も、怒りを覚えたことは山ほどあります。

しかし、休みなく働いている夏場の扇風機のように、何度も怒りのスイッチを押され、ONにされてきたので、いつしか怒りをOFFるテクニックを身につけることができました。

そこで今回は、僕なりの「職場での怒りを消す方法」をシェアしていきたいと思います。

職場では、好きなだけ「怒っていい」 

まず、あなたは職場で「怒ってはいけない」と思い込んでいませんか?

僕に言わせると、それは「自分を痛めつけている行為」です。

なぜなら、人間として「怒ること」は当たり前で、幼子も医者も僧侶も、みんな怒りを覚えるものなので、「怒ってはいけない」という足かせは、ストレスを溜め、自分を苦しめるだけなのです。

大切なことは“怒るのは当然だけど、その怒りによって他者を痛めつけてはいけない”ということ。

いくらムッとしたからと言って、大声を上げたり、罵ったり、物に当たったりしてはいけない。

つまり“怒りを覚えたときの「感情」と、その後の「行動」をセパレートして考える”ようにする。こうしたマインドが職場では必要なのですね。

怒りを消すには、感情と行動の「間」を切断する 

僕は「感情」と「行動」を分けて思考しているので、職場では好きなだけ怒っています。

嫌なことがあったら、「腹立つ!」「イラっときた!」「バカにすんな!」と、素直に「怒りの感情」を認めます。

しかし、相手に「怒りのスイッチ」をONにされても、作動するかはコチラ次第。

怒りを消すには、ムッとしたときの感情と、それに伴う行動の「間」を切断すればよいので、そのスキルを身につけていくのです。

例えば、僕の切断法の一つは、「やんわりと感情を口にする」です。 

部下に言い訳や口ごたえをされてイラっとすると、「その言いかたは苦手だな」「今日はいいけど、次回は腹が立っちゃうかも」などと、トーンに注意しつつ「伝達や予告を」織り交ぜます。

また、怒りのスイッチをONにされたら、「ゲームの主電源をONにされた」と思うようにしています。

例えば、上司に理不尽なことを言われてイラっとしたら、RPGゲームのように「自分を空から見下ろして冷静に観察」してみたり、『なぜ怒っている?』というコマンドを出して自問してみる。

すると、「ゆとりがないタイミングだった」「言われたことが図星すぎた」「言われた内容より言いかたに腹が立った」などの、そもそもの原因と対策が見えてくるのです。

■職場の怒りは「十字キーの下ボタン」の一択 

ゲームついでに言うと、僕は職場でイラっとしたときは、矛先を相手に向けたり、左右にいる同僚に向けるのでなく、必ず「後退ボタン」を押すことにしています。ゲームの十字キーでいうと、下のボタンですね。

十字キーの下ボタン

人は誰しも怒って当然ですが“怒りをどこへ向けるのか?の針路を変えることができるのは自分だけ”です。

相手をコントロールすることはできず、唯一コントロールできるのは自分だけなので、脳内のコントローラーで「後退ボタン」を押す。

怒りによって生まれる「揉めごと」の多くは、相手の言い回しや売り言葉など、「あっちのリズム」に付き合うことで起こるので、後退ボタンで「間合い」や「会話のテンポ」を変えて、やり過ごしていくことが大切なのですね。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

いかがだったでしょうか。皆さんも、職場では「怒っていい」を前提にして、その感情と行動の「間」を切り離していくスキルを磨いてみてくださいね。

ではまた来週、別のテーマでお逢いしましょう。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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