半世紀を超えて受け継がれてきた職人技と、時とともに深みを増す上質な革。イタリアの美意識を宿すフェリージの鞄には使い続けるほどに見えてくる価値がある。

Made in Italyの誇りから紐解く、本質を物語る鞄
バッグは、買った瞬間が最も美しいのだろうか。上質な革を用い、熟練した職人の手で丁寧につくられた逸品は、もちろん新品の佇まいも美しい。だが、本当の喜びは、手元に迎えてから始まる。手にするたび革はしなやかさを増し、艶を深め、小さなキズさえも、味として持ち主だけの記憶として刻まれる。時間を味方につけながら、自分だけのバッグへと育てる。レザーバッグには、完成された美しさの、その先を楽しむ余白がある。
そんな時間とともに深まる革本来の魅力を、半世紀以上にわたり高品質なレザーアイテムへと落としこんできたブランドがある。1973年、北イタリア・フェラーラで創業したフェリージだ。伝統的な革製馬具に魅せられた、創業者で現CEOのアンナリサ・フェローニらが、ベルトなどのレザーアクセサリーを趣味でつくり始めたのが原点。やがて、独自性のあるデザインと確かなクオリティが評判を呼び、ʼ90年代半ばにはグローバルブランドとしての地位を確立した。
一方で、時代が移ろえど変わらないものづくりの姿勢は、今も脈々と継承。長く愛され、時には親から子へと手渡される。そんな普遍的な価値を宿す逸品を生みだし続けてきたことこそ、Made in Italyの名門として支持されるゆえんだ。

その哲学は、新作「シジッロ」にも色濃く反映されている。コンセプトは「未来のアンティーク」。ヴィンテージのトランクケースから着想した真鍮製のひねり金具をアイコンに据え、クラシカルな意匠を現代的なフォルムに融合した。ボディには、バケッタレザーにバッファロー特有の力強いシボ感を型押しした革を採用し、ベジタブルタンニンなめしによって革本来の風合いを活かしながら、摩耗やキズにも強い堅牢性を備えている。真鍮も革も使いこむごとに少しずつ表情を変え、手になじみながら趣を増していく。その変化こそが、持ち主だけの一品へと「育てる」楽しみを鮮明にしてくれるのだ。
ショルダー、ワンショルダー、トートの3型で展開される「シジッロ」は、いずれも日常のさまざまなシーンに寄り添う実用性と、歳月とともに増す品格とを両立する。完成された美しさを手にするだけでなく、自らの時を刻み、その先の表情を育てていく。フェリージが提示するのは、長く愛用することそのものを唯一無二の贅沢へと変える、バッグの新しい価値なのだ。



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