PERSON

2026.07.27

AI時代の「通る企画書」の作りかた2027。令和に必要なスキルとは【前編】

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

「28歳の会社員です。最近AIに強い後輩や同僚が、めきめき企画書のクオリティを上げているので焦っています。放送作家さんの『通る企画書のコツ』があれば、教えていただけないでしょうか?」という質問をいただきました。

ここ数年で企画書を取り巻く環境は様変わりしましたね。

放送作家として四半世紀ほど企画書を作ってきましたが、「これまで」と「これから」の企画書は、ガラケーとスマホくらい別モノになっていくと感じています。

言わば、前時代の企画書(ガラケー)は、味も個性もあって素敵だけど、それだけではガラパゴス化していく。

いくら優れたアイデアでも、読んでほしい人・受けとってほしい人にアクセスできない時代になっていくと考えています。

では、令和に必要な企画書スキルとは一体どんなものなのか?

今回は、2週にわたって『通る企画書の作りかた2027』と題してシェアしていきたいと思います。

前編は、令和の企画書づくりのマインドセットを押さえていきましょう。

AIによる企画書診断へのアジャスト

最近、クリエイターと会食に行くと、ついに某テレビ局が「AIによる企画書診断をはじめた」という話題が出ます。

私たち企画者は、AIによって文章生成や画像生成が楽ちんになり、「質が上がった」「ミスがなくなった」と喜んでいますが、こちらの武器は先方の武器でもあります。

評価者やクライアントは、事前に自社の評価基準や採用条件をAIに学習させ、それをもとに評価スコアを出して淘汰していく。

大量の企画書を大勢の評価チームで採択していたときの課題、「曖昧な評価基準とフィードバック」がAIによって解消される時代になったのですね。

この流れは加速していくので、私たち企画者はアップデートをしていかなければなりません。

そこで大切なのが、学生時代に身に染みた“よく答えを間違える人は、よく問題文を読んでいない人”という当たり前の法則です。

企画コンペにおける「問題文」は、事前に提示される「募集概要」にあたります。

そこには必ず、顧客ターゲット(若者向け、女性向けなど)、予算規模(制作費、広告費など)、欲しているテーマ(目新しさ、社会正義、マネタイズなど)が書き込まれています。

ガイドから逸脱した企画は、AI診断が定着していくと弾かれることもあるので、問題文を読むように募集概要に目を通し、核となるキーワードをサーチする。

そして、大切だと感じたキーワードは、あえて企画書の文中に入れてAIに認識させていく工夫も必要でしょう。

では、より重要なステップ2へと進みましょう。

AIに食わしているモノは何か?を想像する

AIが企画を診断していく時代は、「AIが何を学習しているのか?」を想像していくことも必要です。

僕は番組制作だけでなく、様々なコンテンツ会議に出ていますが、すべてのビジネスの目的は「収益化」なので、AIに「過去の成功事例の構造」を学習させています。

海外のドラマや映画が、過去のヒット作をAIに学習させ、構成をフォーマット化しているのも、その一例です。

AIが学習しているものが見えてきたら、僕の場合、「AIになった気分で企画を創造」していきます。

例えば「ロケ番組」の企画発注が来たとしましょう。

AIが食べているのは「過去の成功事例」なので、まずは「似たような味がするもの」を思い浮かべていきます。

ロケ番組なら、AIの好物は30周年を迎えた『笑ってコラえて!』の『ダーツの旅』などでしょう。

好物が見つかったら、その企画の「普遍的な美点」をサーチしていきます。

ダーツの旅であれば、「一般人とのふれあい」「地方の原風景」などがそれにあたります。

美点が分かったら、最後に企画の背骨になっているシステム、「ダーツ」に目を向けます。

この「ダーツ」は、企画の核であり発明なのでパクるのは御法度です。

そこで、対話型AIのように、「ダーツに代わる現代っぽいモノは何か?」をセルフ大喜利していきます。

すると、例えば、『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』のように、「地方へ行く」「ふれあう」という美点の土台の上に、「電動バイク」という現代っぽいツールが見つかるのです。

ここまで企画の輪郭を整えたら、いよいよ企画書の作成にとりかかります。

この続きは後編でシェアしていきますね。ではまた来週お逢いしましょう。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2026年9月号

歯こそ最強のビジネス戦略

ゲーテ2026年8月号表紙画像

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2026年9月号

歯こそ最強のビジネス戦略

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ9月号』が2026年7月24日に発売となる。特集「歯こそ最強のビジネス戦略」では、エグゼクティブの口腔マネジメントに役立つ情報を網羅! 表紙は町田啓太。独占インタビュー&撮り下ろし8ページもお見逃しなく。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

GOETHE LOUNGE ゲーテラウンジ

忙しい日々の中で、心を満たす特別な体験を。GOETHE LOUNGEは、上質な時間を求めるあなたのための登録無料の会員制サービス。限定イベント、優待特典、そして選りすぐりの情報を通じて、GOETHEだからこそできる特別なひとときをお届けします。

詳しくみる