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2025.10.29

腹筋200回、円周率100桁記憶…80歳・草野仁の元気の秘訣とは【和田秀樹対談まとめ】

“太陽のようなパワー”を持つ草野仁氏と、『80歳の壁』著者・和田秀樹氏の対談ををまとめてお届け! ※2024年12月掲載記事を再編。

和田秀樹×草野仁【対談まとめ】

1.「毎日腹筋200回」80歳・草野仁はなぜ、元気なのか?

笑顔の草野仁氏と和田秀樹氏

和田 草野さんは知的な司会者の一方でマッチョのイメージがあります。こうして間近で対面してもスーツの上から筋骨隆々なのがわかります(笑)。

草野 いやいや(笑)。もうだいぶね。トレーニングも軽めにしていますから。

和田 毎日されるんですか。

草野 はい、毎日やります。

和田 どれくらいの量を?

草野 腹筋は一応200回やろうということで。

和田 すごい(笑)。

草野 あとは15キロのダンベルを持って、自分で工夫した「組み合わせ体操」を6種類くらいやっています。エアロバイクはできれば30分ぐらいはやりたいんですが、短めで終わる日も結構あります。有酸素運動をきっちりやらなきゃ、ということで。

和田 失礼ながら80歳の方のトレーニングとは思えない。

草野 以前と比べると、だいぶ軽めになりました。

和田 そもそも、なぜ筋トレをやり始めたんですか?

草野 50代後半くらいだったでしょうか。年齢とともに運動量が減っていくなかで、背中の皮を引っ張ってみると、ちょっと厚く取れるようになったんです。それで「運動しなきゃいけない」と思い、最初はジムに通ったんです。ところがジムの休館日と私の休日が合致すると行けない。それで最低限の機材を自宅に持ちこむことにしたんです。家ならやりたい時にできますからね。そこからだいぶ熱心にやって、結構、重たいものも含めてやっていたんですね。

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2.「80歳・草野仁さんの若さの秘訣は、“あれもこれもやりたい”と足し算で考えること」

和田 草野さんの声って、やはりすごい。よく通りますよね。僕は昔からテレビを見ていますがずっと変わらない。直に聞いて感激しましたよ(笑)。

草野 ハハハ、そうですか。

和田 年を取ると、普通は小さくなったり低くなったりするんです。でも元気な人の声は変わらない。先日、浜村淳さんのラジオに出演しましたが、声は昔の通りでした。

草野 歌手の方もそうです。男性も女性も音域が低くなっていく傾向があります。すごく驚かされたのは五木ひろしさんで、昔から全然変わらないんです。

和田 さすがですね。日頃の訓練の賜物でしょうか。

草野 それもありますが“心の張り”も大きいと思います。雑誌でたまたま読んだのですが、五木さんは、1年にひとつ楽器をマスターすることを目標にしていて、その数が16になったそうです。

和田 それはすごい。

草野 それで私、ある時にスタジオで偶然、五木さんとお会いしたので、聞いてみたんです。「16種類の楽器をマスターされたそうですが今は?」と。すると「18種類になりました」と言うので、驚きました。

和田 進化してるんですね。

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3.「円周率は100桁。競馬NO.1記録は1990年の中山17万7779人」草野仁のスゴい記憶力の秘密

草野 テレビ東京系の健康番組を担当して十数年になりますが、医師が同様に「日本人は炭水化物を摂り過ぎ」と指摘します。米にしても、麦やそば、うどんにしても、炭水化物のパーセンテージが多過ぎだと。例えばご飯を2膳食べる人は1膳に、パンを2枚の人は1枚にする。それだけでも簡単に体重のコントロールはできる。特に男性はそうだ、というような話を聞きましてね。

和田 なるほど。

草野 初めのうちは聞きながら「何言ってんだ。日本人は昔から米を食べないと力が出ないものなんだ」と思ってたんです。だけど頻繁に同じような話が出てくるもんだから「じゃあ、ちょっとやってみるか」と。

和田 実際に試してみた?

草野 はい。3ヵ月ほどで3キロぐらい体重が減ったんです。食べる量だけでなく食べ方も変えてみました。

和田 世間では「野菜を最初に食べるのがいい」なんて言われてますね。

草野 はい。最初から米をかきこむと血糖値がバーッと上がるし、いろんな問題が出てくると言うので、最初に野菜をたくさん食べるようになりました。もちろんタンパク質も取らなきゃいけないので卵なども食べます。そうやって医師が「よい」と言うことを少しずつ実践するようになり、続けています。

和田 その結果、お元気でいる。

草野 はい。体調は安定しています。私のやり方で大丈夫でしょうか(笑)。

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4.「人はなぜ、グチグチ悩むのか」その答えは約60年活躍し続ける草野仁にあった

草野 記憶力の話でいつも思い出すのは田中角栄さんです。

和田 役人の誕生日なんかをよく覚えていたらしいですね。

草野 はい。数字を印象的に使われる方でした。例えば「来年の予算の中でこの部門に使うお金は何億何千万何千何円になった」と一発だけ、ものすごく詳細な数字を言うんです。聞いてる人は「へえ、よくそんな細かい金額まで覚えてるなあ」と感心しますよね。

和田 国家予算を真剣に検討しているという印象になる。うまいですね。

草野 はい。ところが、角栄さんの後輩だった有力政治家の方は、うまくなかった。その方が山形に遊説に行く際に、朝から取材でご一緒したことがありました。講演の際には、角栄さんのように「□□の費用が何億何千万何千何円になった」と細かい数字を言うので、聴衆も「おお、すごい」となります。

和田 親分の真似ですね。

草野 ところが角栄さんと違うのは、ひとつの講演の中で、この詳細な数字を2回も3回も言ってしまうんです。すると聴衆は「またその数字?」みたいになり、感動がなくなるんですよ。結局、聞き終わって頭に残るのは「なんかピンとこないなあ」という印象だけ。そんなケースを目の当たりにして、数字の使い方ひとつでも、人気に違いが出てくるのだと学びましたね。

和田 やはり田中角栄という人は、人を惹きつけるツボを心得ていたんでしょうね。中身があるかどうかは別ですが…。役人の誕生日を覚えてるのも、それが心をつかむポイントだとわかっていたのだと思います。

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5.なぜ、幸齢者が世界で一番賢い国は日本なのか?

和田 草野さんの割り切り力や柔軟な応対力は、やはり幼少期からのものですか?

草野 私は終戦から4年8ヵ月を経た昭和25年に小学校に入学しました。長崎県の島原という小さな田舎町です。当時も給食はありましてね。コッペパン1個と脱脂粉乳1杯だけの寂しいものでしたが、周りもみんな同じだから特に不満もない。それよりも、グラウンドで遊ぶのが楽しみだったので、一番に食べ終えて飛び出していくんです。ドッジボールなんかをよくやりましたね。

和田 活発だったのですね。

草野 小学校の頃は、学校は遊び場だと思ってました(笑)。

和田 でも、東大に入る(笑)。

草野 ただ、世の中の風潮や、先生、親から受けた影響は大きいと思います。常に「日本は資源のない国だ。人間こそが資源だ。ひとりひとりが才能を伸ばし、社会に役立つように努めよ」ということを言われていました。周りがそうやって吹き込むので「ああ、そうなんだ」と思いながら育ったんです。

和田 当時はそうでしたね。草野さんやその上の年代の方は、そうやって努力を積み上げてきた世代ですよね。

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6.「認知症は防げない。でも、遅らせることはできる」脳の老化を遅らせる方法とは

和田 多くの人は認知症になるのを恐れています。でも認知症は脳の老化現象なので、それを防ぐ方法はありません。ただし老化現象だから、遅らせることはできます。

草野 なるほど。

和田 例えば80歳でボケるところを、頭を使ってたから90歳まで遅らせられた、とか。

草野 同年代の方にも聞かせたいお話ですね。

和田 最も大事なのは意欲なんです。「つまんないなあ」と思って生きるより「今日はこうしてみよう」「あれもやってみよう」と思いながら生きていると、自然に頭も使います。毎日を惰性で生きるのではなく、積極的に実験をするようなつもりで生きたらいいと思います。

草野 和田先生も血糖値がかなり高くなって、実験的に歩いたそうですね。そして徐々に改善していった。

和田 はい。

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TEXT=ゲーテ編集部

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