昭和の匂い漂うスナックに昭和の匂いの男がふたり。にしたんクリニックの新CMに見城徹が出演。“生涯の友”だという西村誠司社長と熱く語り合った。

見城徹が炙りだす、西村誠司の圧倒的狂気。熱狂の共鳴、躍進の軌跡
強烈な印象を残す数々のCMで独自の世界観を展開するにしたんクリニックの新CMが公開された。船越英一郎と黒木瞳が登場する映像のなかで、意外な存在感を発揮しているのが幻冬舎社長・見城徹だ。なぜにしたんクリニックは、見城にオファーを出し、見城はなぜそれに応えたのか──。
西村 CMにご出演いただき、ありがとうございました。
見城 どうせ僕は色物だろうと思ったけど(笑)、西村に頼まれたんだから断るわけにはいかないでしょ。でも実際に行ってみたら、撮影の現場が本当に楽しかった。むしろ感謝しています。
西村 場末のスナックをイメージしたセットは、僕の原風景なんです。子供の頃、父が焼き鳥店をやっていて、そこにはその日暮らしみたいな労働者が集まっていました。僕はそういう決してエリートではないけど、人間味溢れる方々のなかで育ってきた。その古きよき昭和の風景をCMで再現したんです。
見城 カウンターの上の小物まで、まさに“あの頃”の懐かしい感じだった。船越さん、黒木さんはもちろん、エキストラの人まで、汗水流して働いて生きている人たち、高度経済成長期のなかで忘れ去られた人々の悲哀を感じさせてくれた。ホステスもまさに場末のスナックにいるいい女って感じだったし(笑)。

社会からはみ出した人とエリートのハイブリッド
西村 僕の両親は中卒で、父の店に来るお客さんも社会では日の目を見ない、ちょっとはみ出してしまったような方々ばかり。でもそういう人たちだからこその優しさみたいなものを感じていました。一方、大学を卒業して社会に出てからはエリートと呼ばれる人たちと交わり、その価値観も知ることができた。今の僕は、そのハイブリッドでできているような気がします。
見城 そこが西村の、にしたんクリニックの厚みにつながっている。クリニックに通っている知り合い数人から聞いたけど、すごく評判がいい。どこよりもまじめに不妊治療に向き合っていると。そのまじめさとふざけたCMのギャップがいいんだよ。
西村 治療に関しては、本当にまじめにというか、やっぱり優しさとか思いやりを大事に考えています。クリニックに通われる方々は、残念ながら100%不妊治療がうまくいくわけではありません。いつかは不妊治療そのものをやめる決断をする方もいらっしゃるわけです。その時に、その方々のために一生懸命に仕事をするクリニックのスタッフに出会えてよかったと思ってほしい。治療はうまくいかなかったけど、彼らに出会えたからもう悔いはない。そんなふうに思ってもらえるクリニックを目指しています。
見城 派手でおふざけのようなCMをやっているし、わかりやすい成り金社長のように振る舞っているけど、その裏では地味な努力をして、真っ当なビジネスをやっている。そういうところに西村の人間としての厚み、積み上げてきたものの確かさを感じる。
西村 中学生の時に新聞配達をやっていて、地味にコツコツでも、それを積み上げていけば給料が確実に増えるということを学んだからだと思います。
見城 西村の本質は、善良で正直で真心がある人だと思っているんだけど、それを少年時代から学んでいたんだ。
西村 夕刊を配る時、同級生に会ったりするのは恥ずかしかったですが、新聞配達をすること自体は嫌ではなく、僕にとって当たり前のことでした。
見城 そんな善良な男がなぜ僕をCMに起用しようと思ったのかがわからない(笑)。
西村 見城社長からにじみ出る雰囲気というか、長い人生のなかの苦悩からしか生まれない空気感みたいなものがあのスナックに合うと思ったんです。
見城 確かに僕の人生、苦悩が多かったからなあ。フラれた、裏切られた、挫折した……そんなことばかり(笑)。
西村 その苦悩を知っているからこそ、見城社長の大局観は勉強になるんです。

少子化問題と地方創生に取り組んでいきたい
見城 そんなに褒めなくていいよ(笑)。西村はこれからどういうことをやっていこうと思っているの? 経営者としてまだやりたいことがあるでしょ。僕は死ぬまで西村と付き合う気でいるから、あと2回くらいは驚かせてほしいな。
西村 やりたいことはいろいろあるんですが、今は少子化対策と地方創生です。僕はアメリカでの暮らしが長かったせいか、日本という国への思いが強いのかもしれません。日本に元気になってほしい。だから日本が抱えているこのふたつの問題に取り組みたいです。
見城 まじめだなあ。仕事のことばかりじゃないか。
西村 もちろん自分の人生も楽しんでいきますよ。大学生の時、葬儀社でアルバイトをしていたことがあって、死を身近に感じるようになりました。母が60歳で亡くなったんですが、僕も今55歳。残りの人生はそう長くないかもしれないじゃないですか。だからこそ人生を思い切り楽しみたいという思いもあります。
見城 何事も真剣に生きる。そんな西村に観てほしい映画があるんだよ。僕の74年の人生のすべてを詰めこんだといえる『栄光のバックホーム』(製作総指揮を担当)。横田慎太郎という野球選手の実話を映画化した作品なんだけど。西村みたいに分厚い人生を生きている人には絶対に響く。泣けると思う。

出演:松谷鷹也、鈴木京香、高橋克典、前田拳太郎、伊原六花、山崎紘菜、草川拓弥ほか 企画・監督・プロデュース:秋山純 脚本:中井由梨子 原作:『奇跡のバックホーム』『栄光のバックホーム』(ともに幻冬舎文庫)
2025年11月28日より全国公開
©︎2025「栄光のバックホーム」製作委員会
西村 必ず観に行きます。
見城 大ヒットした『国宝』を超えたいんだよ。その可能性のある映画だと思う。よろしくお願いします。
西村 こちらこそ、次のCMもぜひご出演お願いしたいです。
見城 馬鹿なことを言うなよ(笑)。こういうのは1回キリだからいいんだよ。
西村 次回のCMは、××××のシチュエーションで××××風の映像にしたいと考えていて。
見城 それ面白そうだな(笑)。
西村 ではまた次の撮影もよろしくお願いします!

エクスコムグローバル代表取締役社長。1970年愛知県生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業後、大手コンサルティング会社を経て、1995年にインターコミュニケーションズ(現・エクスコムグローバル)を設立。2010年から10年ほどアメリカへ移住し、Wi-Fi事業に取り組んでいた。その独自のPR手法は注目を集める。
見城徹/Toru Kenjo(右)
幻冬舎代表取締役社長。1950年静岡県生まれ。1993年、幻冬舎を設立。数々のミリオンセラーを世に送りだす。西村社長とは2024年に出会い、意気投合。以来、盟友ともいえる関係に。2025年11月28日に公開される映画『栄光のバックホーム』では、自ら製作総指揮を務めている。
問い合わせ
エクスコムグローバル TEL:03-5766-2808

