1843年にランスで創業したシャンパーニュメゾン、クリュッグ が「KRUG×MUSIC」の新プロジェクトとして、現代を代表する音楽家 マックス・リヒター氏とのコラボレーションを発表した。

音楽が味覚をひらく──クリュッグが描く調和の哲学
クリュッグの創業者ヨーゼフ・クリュッグが掲げたのは、「どんな年であっても、最高品質のシャンパーニュを届ける」という妥協なき信念。単一年や単一品種に依存せず、多様な要素を精緻に重ね合わせることで複雑さと調和を生み出すのが、このメゾンの哲学だ。
その「調和」という思想は味覚の世界にとどまらず、音楽という異なる創造領域へも及んでおり、クリュッグは音が味覚に与える影響について研究を重ねてきた。近年は音楽とのペアリングを提案するなど、その哲学をより立体的に表現。味わう行為そのものを、五感を使う体験へと昇華させてきた。
そうした思想や取り組みを結実させたのが、2022年から本格始動した「KRUG×MUSIC」プロジェクト。音が味覚に与える影響に着目し、音色と味わいは共鳴するという考えのもと展開されるこの取り組みでは、音楽は単なる演出ではなく、シャンパーニュの個性を解釈し、拡張するための重要な要素として位置づけられている。
そして2025年、掲げられたビジョンは「Every Note Counts(すべての音に意味がある)」。迎えるのは、現代を代表する作曲家でありピアニストのマックス・リヒター氏だ。伝統的なクラシック音楽と電子音楽を融合させ、人間の時間や記憶、感情を音で描き出すその作風は、世界的に高い評価を受けてきた。細部への徹底したこだわりと、全体としての調和を追求する姿勢は、クリュッグの哲学と強く共鳴する。

本プロジェクトでは、2008年という特別な年に生まれた3つのキュヴェに感銘を受けたリヒター氏が、3楽章から成る「Krug from Soloist to Orchestra in 2008」を制作。一音一音、一要素一要素に意味が宿るという思想を、シャンパーニュと音楽の両面から描き出すことを試みている。
これまでにも「KRUG×MUSIC」は、2022年に坂本龍一氏、2023年に宮本笑里氏、2024年に沖野修也氏と、ジャンルや表現領域を越えた音楽家たちとの対話を重ね、シャンパーニュをひらくという行為を、ひとつの完成された芸術体験へと進化させてきた。

時間や記憶、感情の層を繊細にすくい上げるような余韻を宿すリヒター氏の音楽は、クリュッグの哲学と響きあうことで、どのような感動を立ち上げてくれるのか。ぜひグラスを手に、その哲学と響きが交差する瞬間を、自らの五感で体感してほしい。
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MHD モエヘネシー ディアジオ https://www.krug.com/

