1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウェアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた仕事人たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「人生を彩る眼鏡」の第28回は俳優の河合優実。「人生を彩る眼鏡#28」/「男を起動させる眼鏡」#1〜50
PERSON 78
俳優/河合優実

眼鏡をかけるとリラックスできます
「もう小学4年生の頃からずっとかけているので、眼鏡との付き合いは長いです」という河合優実さん。
「眼鏡は度入りのものを2本、サングラスはいくつか持っています。基本的に外に出る時はコンタクトをするんですけど、やっぱり目が疲れてしまうので、帰宅して眼鏡に変えるとリラックスできますね。最近すごく気に入ったデザインの眼鏡を見つけたこともあって、人と会う時にもかけるようになりました」
これまでは「顔の印象があまり変わらないデザインをかけることが多かった」というが、今回選んだのは、EYEVAN 7285のやや大きめなツーブリッジ。アメリカンヴィンテージを基調としながら、装飾を排した繊細なラインで構成されたミニマムな1本だ。
「この、エレガントな雰囲気が好きですね。クラシカルで、今の人がかけても可愛いけれど、トレンドだけになり過ぎていない感じがとても素敵で。かけた時も、しっくりきました。ブリッジの部分が印象的なので、デイリーにというより、きちんとお洋服と合わせてスタイリングを楽しみたいです」
2024年、ドラマ『不適切にもほどがある!』で一躍脚光を浴び、同年には映画『あんのこと』『ナミビアの砂漠』と主演を務めた映画も公開。いずれもその演技は高い評価を受けた。2025年は連続テレビ小説『あんぱん』にも出演するなど、その目覚ましい活躍ぶりは周知のとおりだ。この秋には、ロカルノ国際映画祭で最高賞の金豹賞に輝いた三宅唱監督の映画『旅と日々』(2025年11月7日公開)にも出演している。
「三宅監督の作品が大好きだったので、まず出演できたことがとても嬉しかったです。完成したものを観て、本当に純粋な映画だと思いました。たとえばきれいなシーンや感動的なシーンを撮る時に、作為的な演出に頼る前にまず、本当にきれいなものを発見してから撮っている感じというか。それもすべて偶然ではなく、すごく考えたうえでやっているんだろうなと思いました」
雪荒ぶ冬の山や、眩い陽が差す夏の海。同作ではそうした雄大な景色を背景に、旅先での何気ない人と人との出会いが描かれている。河合さんの撮影は、すべて青い海を臨む神津島で行われた。
「神津島では、毎日海辺を散歩していました。私自身も、普段と違う場所に訪れることで、すごくリフレッシュできます。自分が背負っているレッテルみたいなものって誰しもあると思うんですけど、旅行者になっている時は、そうしたものから自由になれる気がして。心地よいなと感じますね」
取材時は、舞台に向けて稽古の真っ最中。日々稽古だけに集中するなかで、「めちゃくちゃ初心に返っている」のだとか。ここ数年で自身を取り巻く環境が大きく変わったなかでも、変わらず大事にしていることとは。
「やっぱり、たくさんの人に作品を届けているので、なぜ今自分がその作品を、なぜ今自分がその人の人生を世の中に届けたいのか。それを一番に考えながら取り組みたいと思っています。そうでないと、役に100%入り込んだとしても意味を感じられないので、それが最優先事項ですね」
では将来の展望はと聞けば、「今は初心に返り過ぎていて何も……」と照れくさそうに笑うも、ひと呼吸おいてから丁寧に言葉を選んでこう続けた。
「忙しい期間が続くと、『何してるんだろう、自分』と思うこともあるんですが、改めて今は、お芝居をすること、みんなでひとつのものを作ることが好きだからやっているんだなと実感できていて。もちろん、自分が何をすべきか、いろいろ悩むこともあります。たぶん、これからもずーっと、ずーっと悩み続けていくんだろうなと思います。でも、とにかく本当にお芝居が好きだから、続けていきたい。その気持ちだけは、きっと変わらないですね」
河合優実/Yuumi Kawai
2000年東京都生まれ。2021年公開の映画『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』で数々の映画賞にて新人賞を受賞。その後もドラマ『不適切にもほどがある!』『あんぱん』や、映画『あんのこと』『ナミビアの砂漠』『敵』など出演作が話題となっている。
衣装クレジット
ピアス¥15,000、リング[右手人差し指]各¥15,900、リング[右手中指]¥17,900(すべてAFFECT https://affect-official.jp/) その他スタイリスト私物
問い合わせ
EYEVAN 7285 TOKYO TEL:03-3409-7285

