連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第101回はロレックス「デイデイト ステラダイヤル Ref.1803/5」を取り上げる。

非常に評価の高い希少なカラーダイヤルの「デイデイト」
「デイデイト」は、ロレックスを代表するモデルと言っても過言ではない。クラシックで控えめ、洗練され、時代を超越した、誰もが憧れる逸品だ。
ヴィンテージ ロレックスの多くと同様に、このモデルにも様々なバリエーションやカスタムオーダーの個体が存在し、膨大な調査対象となっている。今回紹介する“ステラ”と呼ばれる「デイデイト」もそうだ。
“ステラダイヤル” は、Ref.1803で初めて登場し、Ref.1803は1960年から1978年まで製造された。この”ステラダイヤル”とは、鮮やかな色彩のエナメルダイヤルシリーズである。 これらのダイヤルはカタログでは「ラッカー仕上げのステラ」と記載されていた。
ステラ社はシャトレーヌとジュネーブに拠点を置く会社で、ロレックスに特殊な鮮やかな顔料のラッカーを供給していた。ダイヤルは一つ一つ、職人の目利きのもと、複数のラッカー層を混ぜ合わせ、乾燥させる手作業で仕上げられる。これらの層は乾燥して色調を作り出し、ニスを塗り、手作業で磨かれた。
この文字盤は当初中東とアジア向けに製造されたと考えられていたが、時が経つにつれて他の市場にも流通するように。当時、“ステラ”は売れ行きが鈍く(つまり生産量が少なく)、非常に手間のかかる製造工程は、数十年経った今でも非常に高いコレクターズアイテムとなっている。
この“オックスブラッド”と呼ばれる“ステラダイヤル”と18Kローズゴールドの組み合わせは完璧だ。こちらの個体は、プレジデントブレスレットではなく、リベットブレスレットが付いていることも特徴。数あるヴィンテージロレックスの中でも異才を放つ、“ステラ” の「デイデイト」。この機会にぜひ手にとってみてはいかがだろう。
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