連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第85回は、ロレックスの「デイデイト Ref.18238A」を取り上げる。

フルゴールド&ダイヤモンド、華やかで実用性も兼備
ロレックスの「デイデイト」は、ケースとブレスレットの素材に貴金属しか使用しないプレステージモデルだ。
「デイデイト Ref.18238A」は、1988年頃から2000年頃まで製造された。18Kイエローゴールド製のケースとブレスレット、ダイヤルにはバケットダイヤを含めた10個のダイヤモンド、フルーテッドベゼルを備え、威厳と風格を兼ね備えた1本として、今なお高い人気を誇る。
このモデルの最大の特徴は、搭載ムーブメントが「Cal.3155」に進化した点にある。テンプを左右から支えるツインブリッジ方式をいち早く採用し、これにより安定性と耐久性・メンテナンス性が向上。また、日付と曜日の両方を瞬時に調整できる「ダブルクイックセット機能」を初めて実現し、日常使いにおける操作性が大幅に向上した。
「Ref.18238A」というリファレンスの末尾「A」は、文字盤にダイヤモンドインデックスがあしらわれた仕様を示しており、「Ref.18238」と比べてより華やかでエレガントな雰囲気を醸し出している。
このモデルは2000年以降に登場する後継モデル「Ref.118238」でより進化を遂げる。「Ref.118238」ではケースの形状やブレスレットの質感がより重厚になり現代の「デイデイト」に近づいていくが、「Ref.18238A」は“ヴィンテージと現代的なスペックの中間”に位置する稀有な存在なのだ。
資産価値の面でも「Ref.18238A」は高い評価を受けており、18Kゴールドの素材価値に加えて流通量の少なさや完成度の高さから、年々市場価格は上昇傾向にある。
華やかさ、実用性、歴史的背景、すべてを兼ね備えたこのモデルは、初めてのヴィンテージロレックスとしても熟練コレクターが持つ1本としても、申し分ない。
ロレックス「デイデイト Ref.18238A」
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