連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第82回は、ホイヤーの「オータヴィア Ref.2446C」を取り上げる。

バルジュー社の「Cal.72」を搭載したアルゼンチン空軍のクロノグラフ
「オータヴィア」は、タグ・ホイヤーの最も古いコレクションのひとつで、自動車(Automobile)と航空機(Aviation)を組み合わせた造語が名前の由来。(※創業時の社名がホイヤーで、1985年にタグ・ホイヤーとなった)
1933年に自動車や航空機のダッシュボードタイマーとして登場し、1962年にはクロノグラフの腕時計として復活した。
こちらは1960年代後半から1970年頃の個体で、アルゼンチン空軍に納入された軍用モデルだ。ケースバックには軍用時計の証としてアルゼンチン空軍のマークと支給番号が刻印されている。
外装の主な特徴は、視認性を高める為に赤いクロノグラフ針とブラックのパンダダイヤルを採用し、空軍専用の12時間表示ベゼルを装着しているところ。ケース径は40mmと、この時代のクロノグラフとしては大きな部類に入る。
ムーブメントはバルジュー社の名機「Cal.72」が搭載されるなど、ヴィンテージウォッチのコレクターを唸らせる要素が満載だ。
過酷なミッションを達成するためにつくられた軍用時計は、すべからく美しい。秀逸なムーブメントを搭載したホイヤーの軍用時計は紛れもない傑作といえる。
問い合わせ
エンツォショップ www.enzo-shop.com/