ダンス&ボーカルグループTHE JET BOY BANGERZ(ザ ジェット ボーイ バンガーズ)のパフォーマーで、ダンスのプロリーグD.LEAGUEのリーダーを務めるTAKI。5歳からダンスを始め、D.LEAGUE開幕シーズンのMVD(最優秀ダンサー)受賞者でもある彼に、リーダーとしての責任感と表現者としての両立の秘訣を聞いたインタビュー後編。 #前編

5歳でダンスに出会い、EXPG特待生へ
「とにかくダンスが好きでしょうがない。ダンスをしない自分なんて考えられない」
2023年にデビューした10人組のダンス&ボーカルグループTHE JET BOY BANGERZ(ザ ジェット ボーイ バンガーズ。以下、TJBB)のパフォーマーとして活躍しながら、ダンスのプロリーグ「D.LEAGUE」のSEGA SAMMY LUXでリーダーを務めているTAKI。
初めてダンスと出会ったのは5歳の時だった。
「姉の付き添いでダンススクールに行ったら、もうその日から最前列で踊っていたそうです。そこから今日まで踊らない日はほとんどないかも。その最初のレッスンで流れていたのがマイケル・ジャクソンの曲で、以来ずっと僕のスターですね」
10歳の時に受けたダンスオーディションをきっかけにLDHのダンススクールEXPGに特待生として入学。EXILEなどのアーティストのバックにキッズダンサーとしてつき、15歳でD.LEAGUEからスカウトを受けた。
「アーティストの方々のバックで踊らせてもらうなかで、僕もいつかアーティストになりたい、そんな夢をずっと抱いていました。そんな時に、D.LEAGUEから声をかけていただいたんです。
D.LEAGUEでのダンスは競技であり、アーティストではなくアスリート。そこに少し悩みもしましたが、選手として活躍できれば、ダンスでご飯を食べていけるということ。それってすごいことだなと。そう思って15歳で上京して、チームに所属しました」

2004年京都府生まれ。5歳からダンスを始め、10歳でLDHが主催するキッズオーディション「GLOBAL JAPAN CHALLENGE」に出場。そのダンススキルを認められLDHのスクールEXPGに特待生として入学。2019年にダンスのプロリーグD.LEAGUEにスカウトされSEGA SAMMY LUXに入団。D.LEAGUEで最も活躍したダンサーに贈られる「MVD」を2度受賞。2021年のLDHのオーディション「iCON Z ~Dreams For Children~」をきっかけにTHE JET BOY BANGERZを結成、2023年「Jettin’」でデビュー。2024年7月14日より初の全国ツアー「THE JET BOY BANGERZ LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 〜JET PARTY〜」がスタート。 X:@taki_kojima Instagram:@taki_kojima_official
D.LEAGUEとアーティスト活動、2つの舞台で輝く“プロのダンサー”
ダンス人口が多い現代で、何をもって「プロのダンサー」と名乗ることができるのか。その線引きは曖昧である。だが、スポンサーがつき、報酬を得て戦うD.LEAGUEの選手たちは、紛れもなく「プロ」であり、発足当初から多くのダンサーが憧れてきた舞台だ。
TAKIはそのD.LEAGUE開幕シーズンで、最も活躍したダンサーに贈られるMVD(Most Valuable Dancer)」を受賞。その活躍ぶりが、LDHの社長、EXILE HIROの目に留まり、「もう一度、オーディションを受けてみないか」と声をかけられることになる。
「アーティストになりたいという想いは、ずっと持っていました。だから『ぜひ挑戦させてください』ととお伝えし、ご縁をいただいてTJBBのメンバーとしてデビューすることができました。
同じダンスでも、D.LEAGUEとTJBBではその性質はまったく異なります。D.LEAGUEはプロスポーツの世界。勝敗があり、審査員の目を意識しながら、細部までスキルを磨き上げ、それを試合で披露する。相手チームを分析して『このチームはここが優れているから、うちはここで加点を狙おう』と、戦略も綿密に練ります。
一方でTJBBでは、アーティストとして、お客さん、目の前にいる人すべてを楽しませたり、切なくさせたり、感情を揺さぶるものを届ける。
まったく異なるスタイルですが、どちらも自分のダンスを磨くうえで欠かせない要素だと思っています。だって僕は、本当にダンスが好きだから」

TJBBメンバーは全員D.LEAGUE所属! 異色の実力派ダンスグループ
実はTJBBのパフォーマー7人は、TAKIだけではなく、全員がD.LEAGUEに所属するDリーガー。競技としてダンスの技術を磨きながら、それを表現へと昇華させる――そんな“新時代の超実力派グループ”だ。
「TJBBのダンスは、他のどのグループにも負けないという自負があります。僕は5歳から毎日踊り続けてきたけれど、ダンスに飽きたなとか、もう踊りたくないなんて思ったことは一瞬もありません。
もちろん、試合に負けたり、思うように踊れなくて悔しい思いをしたことはたくさんあります。でも、そういう時こそ燃えるし、もっと踊りたくなる。
音楽が流れて、ちょっと身体を揺らすだけでも、それはもう“ダンス”だと思っているんです。だから僕にとっては本当に生活の一部。なんなら100歳になったって、音楽に合わせて揺れることはできるかもしれないし、いくつになっても踊り続けていたいですね」

D.LEAGUEとTJBB、異なる2つのチームでの役割
D.LEAGUEの所属チーム「SEGA SAMMY LUX」ではリーダーを務め、チームを引っ張っていく立場のTAKI。D.LEAGUEとTJBBでは、それぞれのグループにおける自身の役割に違いを感じているのだろうか。
「D.LEAGUEでは、やっぱり責任感をすごく感じます。チームを背負っているし、スポンサーになってくださる企業がいて、勝ち負けがはっきりある世界。負けた時にスポンサーさんやファンの方がどう思うか、それを考えると絶対負けられない。
だから、負けない強い気持ちを持ってチーム全体の士気を高めることを意識しています。たとえ試合に負けてしまっても、気持ちを切り替えて次に向かわないといけない。調子の悪いメンバーはいないか、声をかけて見守りながらチームを上げていく、そういう感じですね。ちょっと俯瞰してチームを見ているというか。
一方でTJBBでは、僕が先陣を切ってガッと走り出すような“起爆剤”でありたいと思っています。もともと声も大きくてうるさいタイプなので(笑)、自分から声を出してメンバーを盛り上げていく。とにかく明るく突っ走って、みんなを巻き込んでいく、そんな存在でありたいですね」
ディズニーやBBQも一緒に行くほどメンバーは仲良し
D.LEAGUEではライバルとして、そしてTJBBでは仲間として切磋琢磨するメンバーたち。そんな彼らは、楽曲の振り付けをすべて自分たちで手がけている。
「ホワイトボードを囲んで、『このメロディーは◯◯っぽいから、このパートを考えてみてよ』みたいに、1曲をみんなで分担して振り付けを考えています。
それぞれが考えてきた振りをリハーサルで持ち寄って教え合うんですけど、毎回『そうきたか!』って驚かされる。みんな自分にない引き出しを持っているから、本当に面白いですね」

さらにプライベートでもメンバー10人そろって遊びに出かけるなど、仲の良さもTJBBの大きな魅力だ。
「一緒にテーマパークへ行ったり、この前はBBQもしたかな。仕事でずっと一緒なのに、休みも一緒(笑)。仕事で何か問題を感じたり、おかしいなと思うことがあれば、溜め込まずお互い意見をぶつけ合っています。僕たちが届けるのはエンターテイメントだから、まずは僕たち自身が心から信頼し合い、、楽しんでいることが大切だと思うんです」
日々のリフレッシュはサウナと、最近始めたカメラだという。
「フィルムカメラを買ったんです。フィルムはその場でどんな写真が撮れたかわからないのがいいんですよね。後日現像して見ると、思い出がよみがえります。撮るのはTJBBのメンバーばかりです(笑)」
ダンスについて語る真剣な表情と、プライベートを語る楽しげな姿。その鍛え上げられた肉体と端正な顔立ちと同様に、そのギャップもTAKIの魅力のひとつなのだろう。
<衣装クレジット>ジャケット¥132,000、パンツ¥44,000、シューズ¥77,000(すべてガラアーベント/サーディビジョンピーアールTEL:03-6427-9087) ネックス¥28,000、ブレスレット¥18,000(ともにシンパシー オブ ソウル スタイル/シンパシー オブ ソウル スタイル 恵比寿本店TEL:03-3461-4875) その他はスタイリスト私物