英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第309回。

発音には要注意! “Sit out”の使い方
イギリスで語学学校に行っていた際、「放課後ちょっとお茶しない?」「パブでビール飲まない?」というお誘いが同級生からよくありました。
ほとんどはその誘いを喜んで受けていましたが、それでもたまには面倒臭いな、行きたくないな、と思うこともありました。
日本では行きたくない飲み会に誘われた場合、「仕事が忙しいから行けない」と言えばいいのですが、イギリスにいた際、私は完全無職。この理由では通用しないためだいたい「お腹痛いから行かない」の一点で通していました。結果、英語力よりもお腹の痛い演技ばかりが上達。
そもそも断る際の英語表現をほとんど知らず、あの時なんと言っていたらスマートだったのだろう、そう思うことが今でもあります。そこで商社に勤めている英語ペラペラの日本人の方に「断り方」のフレーズを聞いてみました。
「“I’ll sit this one out.”なんていいんじゃない?」
とその方は教えてくれました。
Sit outで「参加しない」という意味になるそうで、「今回私は参加しません」となるようです。
より丁寧に断りたいなら“I really appreciate the offer, but I think I’ll sit this one out. ”(誘ってくれてありがとう、でも今回は参加しません)という言い方がいいということ。
「参加しない」と言われれば、それ以上押してこないでしょうし、理由もそこまで聞いてこないかもしれません。キッパリしているけれど丁寧で、毎回「お腹痛い」と嘘をつくよりずっと、いい表現な気がします。
しかしながら不安なのがSit outの発音です。英語力0の私の耳ではshit out(くそったれ)の発音と聞き分けるのが難しく、ということは私がSit outと言ったつもりでも向こうにはshit outと聞こえる可能性があるということです。「誘ってくれてありがとう、でもくそったれね」とむちゃくちゃに下品で嫌な感じの断り方になってしまいそうな気もします。
ちなみにその商社の方は、入社当初は英語の会話に自信がなく、対面ではとりあえずいつも笑顔でYesと言っていたそうです。しかしメールになるとその英作文能力を発揮し「その案件は致しかねます」「その条件ではお受けできません」と、英語でなんでもキッパリ断っていたということ。そのせいで「Ms.YAMADAは会うといつもニコニコ、『はい、大丈夫ですよ〜』と言っているのに、メールになると怖い」と取引先から言われていたそうです。現在では、対面でも「ニコニコしながら断る」ことができるほどの英語力の方です、ペラペラの方達もこうやって苦労されてきたのだと思えば、私ももっと頑張らねばと思った次第です。