35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第214回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは
「お前は私を知りすぎている」って、いったいどういう意味の表現?
ここ数年、日本語ペラペラのアメリカ人と時々スカイプで話しています。勉強熱心な彼はよく「この英語の表現は、日本語でなんと言うのか」と聞いてきます。いつもそんなに複雑な表現ではないので、なんとか答えられますが、先日は違いました。
「“You know me too well.”ってよく使いますけど、日本語ではなんて言うんですか?」
“You know me too well.”ってなんでしょうか。直訳すれば「お前は私を知りすぎている」ということになります。彼は「この表現はよく使う」と言うものの、正直、私は人生で「お前は私を知りすぎている」なんて言ったことはありません。
いったいどういうシチュエーションで使うのか例を聞いてみると。
Aさん:Did you eat McDonald’s yesterday?
(昨日マクドナルド食べたでしょ)
Bさん:Yes, I did! You know me too well!
(うん、食べた。よく知ってるね!)
Aさん:You tend to want to eat McDonald’s when you are tired.
(君は、疲れているとマクドナルド食べたがる傾向があるからさ)
誰かが、自分の行動や気持ちを的確に言い当てた時に「さすが、よく知ってるね」と、驚きを表現する慣用句なのだそうです。
直訳すると「お前は私を知りすぎている」になって、「知ってはいけないことまで知ってしまった」というようなネガティブな印象を受けますが、“You know me too well.”にはそういう意味合いはないそうです。
そもそも付き合いが長いか、よっぽど親しくないと、相手のことを言い当てることはできないので、この表現は親しい間柄の相手にのみ使えるようです。「さすが、あなたは私のことなんでも知ってるのね♡」という、親愛を表現する方法のひとつであるみたいです。
なので、例えば上司に「お前また資料作ってきてないだろ!」と言われて“You know me too well.(さすが、よくわかってらっしゃる)”と返したら、すごく怒られるということです。
また、まだ付き合っていない段階での初めてのデートで、「甘いものは好き?」と聞かれて“You know me too well.”と答えるのもNGだそうです。「え〜、なんでわかるんですかぁ。さすが私のことならなんでも知っているんですね♡」という意味になってしまって、鬱陶しい女になってしまうそうです。まぁ、それを鬱陶しいと思うかどうかは、人にもよると思いますが。
この場面では使えるのかも!?
先日先輩と1週間ほど会社に缶詰になってひとつの仕事をしていました。先輩は毎日大量のお菓子をオフィスに持ってきてくれて、食べさせてくれます。そんなにたくさん申し訳ないからいらない、と言っても「持ってきちゃったから」と毎日デスクに広げていました。こちらとしても、あれば食べるので「いらない」と言っても結局毎日食べていました。
最終日、先輩に「君は、お腹が空くと極端に機嫌が悪くなる。とにかくお腹いっぱいにさせておかないと仕事が進まないと思った。あと、いらないといっても、結局全部食べるのも知っていた」と言われました。先輩とはいえ、10年ほど付き合いがあるので、もうここは“You know me too well.”と言っても問題ないかなと思いました。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。