連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第81回は、ロレックス「サブマリーナー Ref.5512」を取り上げる。

製造本数が少ない貴重な“メーターファースト”
ロレックスの「サブマリーナー」で史上初めてリューズガードを搭載した「Ref.5512」はヴィンテージロレックスの定番であり、製造期間は1959年~1977年頃までと言われている。
「Ref.5512」を大別すると、“ミラーダイヤル”と“マットダイヤル”に二極化されるのだが、今回紹介するのは“マットダイヤル”の初期頃に製造された通称“メーターファースト”だ。
この呼び名は、6時位置の防水スペックの表記が「メーター」から始まることに由来。それ以降の“マットダイヤル”は「フィート」から綴られるようになる。
「Ref.5512」の派生モデルである「Ref.5513」にも“メーターファースト”があるのだが、両者の違いはクロノメーター認定の証である「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICALLY CERTIFIED」の表記にある。
この2段のレターの有無でダイヤルの印象はだいぶ変わる。ちなみに「Ref.5512」の製造本数はほぼ同時期に製造されていいた「Ref.5513」ノン・クロノメーターの約10分の1というから、かなり少ない。
また「Ref.5512」の“マットダイヤル”は、俳優スティーブ・マックイーンが愛用していた腕時計のひとつとしても、愛好家の間では知れている。数年前の時計オークションで本人が所有していた時計が2000万円超えで落札されたことも大きな話題となった。
生産本数の少ない「Ref.5512」の“メーターファースト”。だからこそクオリティの高い個体と出合えたらぜひ購入をオススメしたい。
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