PERSON

2025.07.08

開始2年でフォロワー49.8万。飯島直子のインスタが活況なワケ「4日間くらい悩んで返信したことも」

年齢に対して不安を抱いた時期を越え、57歳の今、「何にでもチャレンジしたい!」と明るく笑う飯島直子さん。2年前から始めた新たな挑戦について語ってもらった。

飯島直子
『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』(BSフジ)より

すっぴんも体重も惜しげもなく公開

ドラマ撮影現場の差し入れや中井貴一さん主演舞台観劇の際の中井さん、浅野和之さんとの3ショットといった“ザ・芸能人”的なものもあれば、カップ麺やファストフード、実家のエアコン掃除の画像のような生活感全開のものまでアップされ、キャプションには、「体調には十分気をつけてね しっかり栄養 しっかり睡眠 おねがいね」「がんばり過ぎずがんばろうね エイエイオーでね」など、ほっこりと和めるワードが並ぶ。

2023年1月に開設された飾り気のない、温かく、お茶目な人柄がにじみ出ている飯島直子さんのInstagramは、約50万人がフォロー(2025年6月現在)。とくに目を引くのが、コメント数の多さで、多い時は1000通以上も寄せられる。

開設から1年間は、操作に慣れるために1日2回投稿することを自分に課し、コメントにも返信。コメントは、同世代のフォロワーが多いからか、家族や人間関係、病気、老いに関する相談ごとも目立つ。それらに答えるべく、コメント欄をスクリーンショットで保存してから返信内容をじっくりと考え、ノートに下書きをした後、推敲した文章を投稿していたという。

忙しい中多くの時間を費やしていたわけだが、それは、「私を選んで相談してくれたのだから、真摯に向き合いたい」という気持ちからだ。

「どう答えたらいいか4日間くらい悩んで、返信したこともありました。皆に返信しようと思っていても、どういうわけか、同じコメントばかりが上がってきて全てのコメントが見られないこともあって。私がアナログ人間だからですかね?(笑) そんなこんなで全員に返信できないのは不公平かなと思って、今は返信はあきらめました。でも、いただいたコメントは必ず目を通して、『いいね』(リアクション)とかしています」

飯島直子
飯島さんの飾らない日常が垣間見れるInstagram。飯島さんは、朝起きたらコメントをチェックし、リアクションするのがルーティーンになっているそうだ。「コメントをくださる方のなかには80代の方もいらっしゃるんですが、その方は自分でもインスタをアップされていて、すごいなぁと尊敬しています。そんな風に、みなさんのコメントから元気をもらっている感じです。……そういうお年頃のせいか、みんな、長文なんですけどね(笑)」

飯島さんからの返信はなくなったものの、コメント数は一向に減ることはない。毎回、700前後ものコメントで賑わっている。

「なんだかね、フォロワーさん同士のコミュニティができているみたいなんですよ。私へのメッセージだけでなく、フォロワーさんからのコメントに他のフォロワーさんが返信しているの。誰かが『今日は病院で胃カメラ』と書き込むと、『気をつけて行ってきてね』とか『私もこの前胃カメラやりました』『胃カメラ、気が重いよね』って、いろんな人が反応するんです。同じ境遇や悩みを持つ人同士が、私のインスタがきっかけでつながって、いたわりあったり、励まし合ったり。見ているだけで微笑ましくて、嬉しくなっちゃうんですよね。思い切ってインスタを始めて、本当に良かったなと思います」

飯島直子
現在放送中の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合 日曜20:00〜)では、引手茶屋・駿河屋の女将で、主人公・蔦屋重三郎の養母のふじを熱演。当時の風習に倣って眉を消したメイクに、視聴者からは「誰だかわからなかった」という声も。実は飯島さん、これが大河ドラマ初出演であり時代劇初挑戦。この作品も、新たなチャレンジのひとつだ。

冠番組で“人生”を知ることも

インスタと並んで飯島さんにとって新たなチャレンジになったのが、『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』(BSフジ)。伝説のバラエティ番組『DAISUKI!』(日本テレビ系列で1991年~2000年放映)などトークメインの番組に出演はしていたものの、“仕切り役”が別にいたため、本人いわく「アシスタント的存在」だった。ところが今回は、自身がMCを務め、地元で愛される酒場を巡り、ゲストや常連客とトークを繰り広げる。当初は単発の企画だったが、好評を受けて2023年秋にレギュラー化された。

「私にできるのかなと、不安はありました。台本に書いてあるのは、その街やお店の紹介くらいで、お店に着いたら『はい、いってらっしゃい! ドーン』と放り込まれちゃうから。でも、最初の回のお客さんたちが温かくて、けっこう盛り上がったんですよ。初回だからお客さんたちはどんな番組なのかも知らないのに、気持ちよくトークしてくれて。『これならイケるかも』という気持ちになれました」

ゲストを招いてトークという回もあれば、ゲストなし、行き当たりばったりで来店客に声をかけて話を聞くという回もある。

「見ず知らずの人に声をかけるのは、なかなか勇気が必要でした。相手の顔色をうかがいながらやっていますけど、今のところ怒られたことはないかな(笑)。毎回、お店のお客さんに恵まれているなと思います。おもしろいことにね、ひとり飲みしていて“話しかけないでオーラ”を出している人が、実はお話好きでトークも盛り上がるということが、けっこうあるんですよ。人ってわからないものですよね。

最近収録した国分寺の回では、90歳のおじいちゃんと飲みました。お店の常連さんだったんだけど、ものすごく若々しくてお元気なんですよ。好きなものを食べて、飲んで、きっと没頭できる趣味とかもあるんだろうな。こんな風に年をとれたら素敵だなと思いました」

「この番組を通じて、いい人生経験をさせてもらっています」と微笑む飯島さんだが、それは、試行錯誤しながらもおもしろがってしまう彼女のポジティブさゆえのご褒美なのだろう。次回は、いつまでも変わらぬ飯島直子の魅力に迫る(7/9公開)。

飯島直子
飯島さんの冠番組『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』( BSフジ/毎週木曜22:00〜)国分寺編より。お店の常連だという90歳のおじいさんとは、「お酒やらおつまみやらをやたら奢ってくださったのには、まいっちゃったけど(笑)」というエピソードも。

飯島直子/Naoko Iijima
1968年東京都生まれ。モデルとして活動後、1988年に『11PM』のカバーガールで芸能界デビュー。1994年から2000年まで放送されたコカ・コーラ「ジョージア」のCMが大きな話題となり、“元祖癒やし系”として大ブレイク。『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)のほか、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK)に出演し、パーソナリティを務める『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』(BSフジ)も好評。2023年から始めたインスタグラムは50万近いフォロワーを有するなど話題に。

TEXT=村上早苗

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