PERSON

2025.06.20

最終回目前、飯島直子が『最後から二番目の恋』を語る。「ドラマも共演者もスタッフも、イヤな人がひとりもいない」

今クール最も話題になった連続ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)が2025年6月23日に最終回を迎える。この作品で、チャーミングな魅力を披露してくれている飯島直子さんに、作品や共演者への想いを聞いた。

ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』より。

11年の時を経て同じキャスト&スタッフが集結

無料動画配信サービス「TVer」のお気に入り登録者数は128万以上、見逃し配信が累計2400万再生突破と、今クールのドラマの中でトップクラスの人気を誇る月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)。

テレビ局の敏腕ドラマプロデューサー・千明を小泉今日子さんが、千明が住む鎌倉の古民家の隣人であり、長倉四きょうだいの長兄・和平を中井貴一さんが演じるほか、和平のきょうだい役として飯島直子さん、内田有紀さん、坂口憲二さんが出演。姉御肌で毒舌家の千明と生真面目で堅物な和平は、顔を合わせれば口喧嘩ばかりな一方で、妙にウマが合う。そんな二人を軸に、長倉家の個性的な面々が織りなす“大人の青春ドラマ”は、笑いあり、切なさあり、さらに恋愛のドキドキ感までも散りばめられていて、何とも味わい深い。

この作品、タイトルからもわかる通り、2012年1月~3月の『最後から二番目の恋』(同年11月にスペシャル版『最後から二番目の恋2012秋』も放送)、2014年4月~6月の『続・最後から二番目の恋』に次ぐ、シリーズ3作目。直近の放映から11年を経て、レギュラー陣だけでなく、前2作に携わったスタッフたちも再集結した。すでに引退していたスタッフまでもが、この作品のために現場復帰したというから、この作品が、視聴者のみならず、キャスト・スタッフにどれほど愛されていたかが伺える。

『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)
他人の話はまるで聞かず、場の空気を読まずに自分の言いたいことをマシンガントークで繰り広げることもある典子。「『こういう人、知っている!』という声が多くて。周囲に必ずひとりはいるタイプみたいです(笑)」と飯島さん(写真左上)。

等身大で演じた“11歳年を取った典子”

「3作目をという話は、前から出てはいたんですが、なかなか実現しなかったんです。だから、2025年春の放映が決まったと聞いた時は、『うわぁ、遂に!』と嬉しかったですね。11年ぶりにキャストやスタッフの皆さんと集まった時は、みんなでハグしあって、一瞬にしてあの頃に戻ってしまったみたいで。ブランクはまるで感じませんでした」

そう語るのは、和平のすぐ下の妹で、超マイペースで自己中心的、少々がさつな専業主婦の典子を演じる俳優・飯島直子さん。典子は、結婚して長倉家を出たものの、しょっちゅう長倉家を訪れては場を引っ掻き回すという役どころだ。

撮影が始まるのを楽しみにしていたという飯島さんだが、「収録が近づいてきたら、だんだん不安になってきたんですよ。11年前と同じように典子を演じられるのかなって」と、当時の胸の内を明かしてくれた。

「実際、第1話のオンエアを観て、『テンポが遅い…』と反省しました。典子のキャラを考えて一生懸命リズムをつけたつもりなのに、イマイチで。

でも、そのことを(小泉)今日子さんに話ししたら、『それでいいし、それがいいんだよ。(ドラマの登場人物も)11年分、年を取っているんだから』と言っていただけて、『そっか、そうだよね』って。私が年を取ったのと同じように、典子だって11年前と同じじゃない。今の自分のまま演じればいいんだと、吹っ切れました。

今日子さんと(中井)貴一さん、お二人は本当に頼りになる存在。年齢が上だとか業界の先輩だからというよりも、人として素晴らしいんですよ。それにお二人だけでなく、共演者もスタッフも全員いい人ばかり! このドラマは悪い人、イヤな人がひとりも出てこないんですけど、それは共演者もスタッフも同様なんです」

2025年5月15日に放映された、飯島さんの冠番組『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』( BSフジ/毎週木曜22:00〜)には小泉さんと中井さんがゲストとして出演。飯島さんが席を外している間、ふたりが飯島直子を表す言葉として挙げたのは、「柔」と「和」。席を外していた間、「気遣いが素晴らしい」「生まれ変わったらお嫁さんにしたい」などと二人が絶賛していたことを聞き、飯島さんが照れる場面も。小泉さんと中井さんの回は2025年6月26日までTVerで配信中。

グランドフィナーレなのに「終わり」という気がしない

2014年放映のシーズン2終了直後から「すぐにでも続編を」という声は多数上がっていた。しかし、2015年、坂口さんが特発性大腿骨頭壊死(えし)症という難病にかかっていることを公表し、2018年から無期限で活動を休止。坂口さんが、2023年以降仕事を少しずつ再開したことを受け、2025年春クールでのシーズン3放送が実現した。

「主要キャストがひとりでも欠けてしまったら、続編はやらない。みんなそう思っていたので、坂口くんが元気に戻って来てくれて、実現できたことは本当に嬉しいですね。

このドラマは私にとって特別な作品。(シーズン1から数えて)14年間、3シリーズも続く連ドラに携わらせていただくのは初めてということもありますが、それ以上に、千明や長倉家の存在が大きいのだと思います」

2025年6月23日、『続・続・最後から二番目の恋』は、惜しまれつつも最終回を迎える。シーズン4の予定はなく、この回がシリーズのグランドフィナーレ。飯島さん自身も、千明や長倉家の面々と別れを告げる。

「でも、これでおしまいだという気が全然しないんですよ。千明と長倉家のみんなは、(前作からの)11年間ずっと鎌倉で暮らしていたのと同じように、これからもずっとあの家で同じように過ごしていて、私たち出演者もずっとつながっている。すごく不思議だけど、そういう感覚なんです」

そう言った後、「もしかしたら、”続・続・続“があるかもしれないですしね。人間の気持ちなんて変わるから」と、茶目っ気たっぷりに笑う飯島さん。その笑顔は”元祖癒やし系“として一世を風靡した20代の頃と変わらないが、本人曰く「私も、年相応にあちこちガタがきていますよ(笑)」と。次回は、”57歳の今“について話を聞く(6/21公開予定)。

『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)
『続・続・最後から二番目の恋』
毎週月曜21:00~、フジテレビ系で放送
脚本:岡田惠和
主題歌:浜崎あゆみ
出演:小泉今日子、中井貴一、飯島直子、坂口憲二、内田有紀、石田ひかり、三浦友和
 
鎌倉を舞台に、人生の“黄昏れ時”にさしかかりつつも、「いくつになっても、未来に恋していたい」大人たちが織りなす、ホームドラマ&ラブコメディー。個性豊かな登場人物たちが直面する悩みはリアリティがあり、同世代の共感を呼ぶ一方、若い世代にとっては人生の道しるべに。年を取るのも悪くない。そんな気持ちになれる、ハートフルな作品だ。最終回は2025年6月23日放送。

飯島直子/Naoko Iijima
1968年東京都生まれ。モデルとして活動後、1988年に『11PM』のカバーガールで芸能界デビュー。1994年から2000年まで放送されたコカ・コーラ「ジョージア」のCMが大きな話題となり、“元祖癒やし系”として大ブレイク。現在は、『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)のほか、NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に出演し、パーソナリティを務める『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』(BSフジ)も好評。2023年から始めたインスタグラムは50万近いフォロワーを有するなど話題に。

TEXT=村上早苗

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