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2026.05.04

批判されるのが怖い人へ。1万人に伝えた「恐れを力に変える思考法」とは

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。

批判されるのが怖い人へ。1万人に伝えた「恐れを力に変える思考法」とは

「28歳の社会人です。私は、職場でもSNSでも、誰かに批判されるのが怖くてビクビクしてしまいます。芸人さんのような批判に強くなるメンタルになるには、どうしたらいいのでしょうか?」という相談をいただきました。

「主張」は大切だと分かってはいるけど、もれなく批判もセットでついてくる。

職場で目立ちすぎると陰口を囁かれ、SNSで持論をぶてば見知らぬ幽霊から矢が飛んでくる。

なぜこんなにも、私たちの日常には批判があふれ、私たちはビクビクしてしまうのでしょう?

スマホ一つでお手軽に「承認」や「称賛」を得られる時代は、お手軽に「批判」や「非難」もできる時代でもあります。

私たちは、増加していく「批判」と、増幅していく「恐れ」と向き合うマインドを、あらためて整えたほうがよい過渡期を生きているのではないでしょうか。

そこで今回は、僕が1万人の若手芸人に伝えてきた、「批判されるのが怖くなったときの思考法」を、ゆっくりシェアしていきたいと思います。

芸人だって、100の称賛より1の批判が気になる

まず、若手には「批判されるのが怖い」は、当然のことだと伝えてきました。

僕はM-1王者と7年間シェアハウスをして、辛辣なSNSに肩を落とす姿を見てきましたし、今では冠番組をもつ教え子が、劇場のお客さんのひと言に凹んでいた背中も知っているからです。

よく周囲は「そんな些細なことは気にするな」と言ってきますが、名前の付いていない「プチ批判」や「ミニ中傷」ほど、心が乱れる理由が分からないので、余計に気が滅入るものです。

なので、生徒たちには「批判が気になる・怖いは、当然のこととして受け入れていこう」と伝え、セカンドステップとして“怖さを心の抗体にしていく”マインドを育ててきました。

例えば、初舞台の劇場でやる漫才は、怖くて足がすくみます。しかし、場数を踏むうちに、かつての怖さが抗体となり、心臓に毛が生えていきます。

これは「批判」も同じこと。批判を恐れて主張や意見をしないマインドになっていくと、批判への怖さは増すばかり。

逃げたくなるつま先を、主張や自己開示に向け、場数を踏んでいくと、怖さが心の抗体となりメンタルが育っていくのですね。

芸人さんは、ツッコミを入れたり、毒を吐いたり、他者の領域に踏み込む職業なので、それなりに批判されることが増えていきます。

しかし、接客のベテランが、瞬時に「買う客・買わない客」を嗅ぎ分けるように、批判される回数をこなしていく人は、おのずと「気にしなくていい批判」と「タメになる批判」を仕分けできるようになる。これが、私たちが見ている芸人さんのハートの強さなのです。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

最大の批判者が「自分」になっていませんか?

1万人の若手を育成して分かったのは、両親や上司から「些細なことは気にするな」と言われて育ってきた人は、些細なことを気にする自分を「ダメな人間」だと決めつけ、パフォーマンスを下げているという点です。

私たちは、支持され、励まされ、自由を保障されるとパフォーマンスが上がりますが、批判され、否定され、行動を制限されるとパフォーマンスは下がる生き物です。

そこから分かるのは、自分が自分の最大の批判者にならないようにするということです。

パフォーマンスを上げていくには、自分で「自分の自由を保障していく」こと。

どんなに注意を払って生きていても、周囲からの批判はやってきますし、SNSによって批判の総量も増えています。

しかし、主張したり、意見することは「自分の行い」であり、批判したり、非難してくるのは、しょせん「他人の行い」です。

他人の行いをコントロールすることは不可能なので、他人には自由に振舞ってもらっていい。そのかわり、自分も自由に振舞わせていただく。誰になんと思われようが、好きにやらせていただく。

こういった「自由の保障」が、能力や生産性を高めていくことに必要なマインドセットなのです。

普段、皆さんが観ている「批判に強い芸人のメンタル」の陰には、今回シェアした僕の思考のサポートが息づいています。

よかったら、頭の片隅に置いて仕事や日常に取り入れてみてください。

では、また来週、別のテーマでお逢いしましょう。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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