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2025.11.25

新素材「ブレゲゴールド」採用。ブレゲ、250周年年記念モデル2選

数々のイベントと記念モデルで250周年のアニバーサリーを祝ったブレゲ。しかし、このブランドの魅力は簡単には語り尽くせぬ深みがある。そこで来日したブレゲCEOのグレゴリー・キスリング氏に、この名門ブランドの強みや独自性、そしてこれからのことを聞いた。

ブレゲCEOのグレゴリー・キスリング氏
Gregory Kissling
ブレゲCEO。1976年スイス生まれ。カルティエを経て、2004年にオメガに入社し、さまざまな新製品の開発に携わる。2022年からはオメガの副社長に。2024年10月より現職。豊富な知識と経験を持つ、高級時計のスペシャリストだ。

CEOが語る、250年もの歴史とその先の未来

「アブラアン-ルイ・ブレゲが作り上げた哲学を引き継ぎ、そして革新しながら、新素材や画期的な機構といった未知の世界へと進んでいく。それを永遠に続けることがブレゲの哲学です」とブレゲCEOのグレゴリー・キスリング氏は語る。

まずは250周年に合わせて「ブレゲゴールド」という新素材を発表した。また記念モデルには、ブレゲが2010年に特許を取得したマグネティック・ピボット機構を採用。これは磁気の力で精度を司るテン芯を支えるというもので、重力による影響をかなり軽減させる。初代ブレゲは高精度機構トゥールビヨンを開発したが、その正統進化版といえるだろう。

「機械式時計にとって磁気は天敵であって、排除するために各ブランドは苦心している。でもブレゲはその常識に反して磁石を時計の中に入れて、精度を向上させ、日差±1秒の精度を実現しました。常識を破壊するのが、私たちの革新なのです」

さらに新たな試みとして、独自規格の「ブレゲ・シール」もスタート。これは厳格に定められた仕様書に合わせ、手仕事から生まれた美しく調和した「デザイン」、精度や耐磁性に厳格な基準をつくった卓越した「技術」、生涯にわたって修理を可能とする「倫理性」といった基準をクリアしたものに与えられる品質保証となる。

「ブレゲというブランドは、250年前から常に精度のために技術を追求し続け、そして美しいスタイルも構築してきました。そういった要素を明確化するのがブレゲ・シールであり、これは最高基準の時計づくりを目指していきたいという表明でもあるのです」

初代ブレゲが積み重ねてきた理想を実現させる。それこそが時計ブランドとしてのブレゲの進む道であるのだ。

「250年の歴史と伝統をベースにしながら、現代のモダンなテクノロジーを融合させるので、バランスが重要です。いつも私たちが考えるのは、もしもこの時代にアブラアン-ルイ・ブレゲが生きていたら、彼はどんなものを発明しただろうか? ということなのです。彼の革新的発明は、どれもがユーザーのための革新でした。だから我々もユーザーのメリットになるような機構を開発し続ける。高精度機構の新技術であるマグネティック・ピボットを見たら、きっと感動してもらえると思いますよ」とキスリング氏は笑みを浮かべた。

初代ブレゲの卓越したセンスが宿る

アブラアン-ルイ・ブレゲの偉業はたくさんあるが、そのひとつが時計の美的表現技法を格段に向上させたことだ。

スイスで生まれた初代ブレゲは、時計先進国だったフランスに移り、パリのシテ島にあるケ・ド・ロルロージュという小径に工房を開いた。彼がつくる時計はエナメル画のような工芸的な芸術性というよりは、工業的で先鋭的な表現が特徴だった。その代表が「ギヨシェ彫り」。初代ブレゲが1786年に初めて時計に取り入れたのは、光の反射をおさえて視認性を高めるためだった。しかし幾何学的な彫り模様が描きだす表現は、力強さと繊細さがあった。円を組み合わせた優雅なブレゲ針も、美しいコントラストをつくっている。

ブレゲ「No.5」
「クラシック 7235」のデザインソースとなった「No.5」は、自動巻き機構の原型のひとつである「ペルペチュエル」を搭載する傑作。1794年3月14日に著述家のフランソワ・ジュルニャック・サン-メアールに納品した記録が残っている。ブレゲはこの時計をオークションで買い戻し、修復し、現在はパリのブレゲミュージアムに収蔵されている。

そんなブレゲの美の集大成となるのが1794年に誕生した懐中時計「No.5」であり、そのデザインコードを踏襲したのが、創業250周年記念モデルとなる「クラシック 7235」だ。

懐中時計と同様にスモールセコンド、ムーンフェイズ、パワーリザーブ表示をバランスよく配置。ダイヤルやケースサイドのギヨシェは、特別にケ・ド・ロルロージュ模様を彫りこんだ。これはブレゲの美学を表現する時計なのである。

ブレゲ「クラシック 7235」
クラシック 7235
端正な美学を取り入れたダイヤルを愛でるドレスウォッチ。精密なギヨシェ彫りは、ダイヤル上に3種の模様を組み合わせており、その美への探求心もブレゲらしさの表れ。搭載ムーブメントはキャリバー502.3.DRL。自動巻き式ながら、ケース厚は9.9mmにおさえており、手首にすっとなじむ。自動巻き、18Kブレゲゴールドケース、径39mm。世界限定250本。¥10,945,000

初代ブレゲが探求した高精度技術を結集

初代ブレゲの天才的な発明のひとつが、トゥールビヨン機構だ。これは胸ポケットの中に垂直に収まる懐中時計が、常に一方向からの重力の影響を受けることで生じる誤差(姿勢差)を解消するために、調速機構全体を回転させて重力の影響を平均化するというもの。この技術は1801年に特許を取得し、懐中時計「No.1176」などに搭載された。

この懐中時計に使われたのは、キャリッジを4分間で一周させる「4分トゥールビヨン」で、さらに動力ゼンマイのトルクを一定化するコンスタントフォース機構も内蔵していた。まさにブレゲの高精度技術の粋を集めた時計だったのだ。

トゥールビヨン機構の特許を取得した翌年である1802年から1809年まで製造していた「No.1176」は、さまざまな高精度技術を搭載。さらには右側のスモールセコンド表示に組みこまれたスタート/ストップ機構によって、簡易的な計測も可能になった。ブレゲの最高峰の時計技術を物語る歴史的な傑作であり、ポーランド貴族が購入した記録が残る。

「クラシック 7225」は、「No.1176」のデザインコードを継承しつつ、機構を現代的にアップデート。姿勢差の補正を担うのはマグネティック・ピボット機構で、ムーブメントの振動数は超ハイビートの毎時7万2000振動。このスピードを実現するため、ガンギ車やアンクルは軽くて平滑でエネルギー効率に優れるシリコン製のパーツを使用する。

この時計はブレゲの技術を堪能するもの。見た目はレトロだが、かなりホットな時計だ。

ブレゲ「クラシック 7225」
クラシック 7225
懐中時計の配置を継承する、秒針のスタート/ストップは8時位置側で行い、ケースサイドのプッシュボタンで操作する。さまざまな高精度技術を駆使することで、精度な日差±1秒を実現。パラジウムを混ぜることで、淡い輝きとなった独自素材を使用。現代技術の粋を集めた高精度時計だ。自動巻き、18Kブレゲゴールドケース、径41mm。¥12,617,000

問い合わせ
ブレゲ ブティック 銀座 TEL:03-6254-7211

TEXT=篠田哲生

PHOTOGRAPH=舛田豊明

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