元暴走族総長という異色の経歴ながら今や実力派真打、落語家・瀧川鯉斗がBMW R1250GSを駆り、長野県・白馬で開催された「BMW MOTORRAD DAYS JAPAN 2025」へ。2025年で20周年を迎えたビーエム乗りのバイク祭りに参加した。

1984年愛知県生まれ。噺家。古典落語に取組み高い評価を得ている真打。寄席や独演会など落語家としての本業以外にも、バラエティ番組出演、ファッション誌のモデル、俳優業など幅広く活動。現在はブラジリアン柔術に熱を注ぐ、BMW R 1250 GS乗り。
開催20回目の“ビーエム祭り”に特攻
長野県・白馬村。秋の澄んだ空気のなか、アルプスの稜線を背に「BMW MOTORRAD DAYS JAPAN 2025」が開催された。今年で20回目を迎えるBMWモトラッド最大の祭典には、全国からライダーが集結。情熱を共有するその姿は、まさにBMWライダーにとっての“聖地”だ。
鯉斗師匠も、都内から愛機のGSを駆り、片道300km・約5時間のロングツーリングで会場入り。これほどの長距離を一気に走りぬけるのは、意外にも今回が初めてだったという。
中央自動車道・相模原ICを過ぎたあたりから、周囲にはBMW乗りの姿が続々と増えはじめる。同じ方向を目指すライダーたちと、自然と隊列を組むように白馬へ向かうーーその光景に、鯉斗師匠一行の胸も高鳴った。
初のロングツーリングで実感したGSの完成度
「5時間を超える道のりを、疲れ知らずで走り切れたのはGSの完成度の高さに尽きますね。都会から白馬へと移ろう景色、自然に包まれる爽快感、風の心地よさがもう本当に最高でした。GSの機動性と快適性を、このツーリングであらためて強く実感しました」
Hakuba 47に足を踏み入れると、そこには開催20回目を記念したピンクのTシャツを着たBMWライダーたちがずらり。会場はまさにピンク一色に染まり、2日間で延べ5000人のライダーが来場したという。最新モデルの試乗会や、名物のヒルクライムコンテストも開催。新型M 1000 RRのエンジン解体ショーや、シャ乱Qはたけ氏の参加するライブステージなど、多彩なコンテンツが昼夜を通して会場を盛り上げた。

新型GSアドベンチャーを試す、鯉斗師匠
新型R1300 GS アドベンチャーの試乗にも挑戦。GSにまたがると、思わず表情がほころぶ。
「新型GSは進化ぶりがすごくて。取り回しがより軽快になった印象。安定感と乗り心地はさらに抜群で、まるで寄席の座布団に腰を下ろしたような安心感とでもいいますか……。顔つきはだいぶ歌舞伎というか、ガンダムっぽくなりましたけどね(笑)」
そしてイベントのハイライトのひとつが、最大傾斜28度の急斜面に挑む迫力のヒルクライム競技だ。BMWライダーたちが次々と駆け上がり、転倒して悔しがる姿に、会場は大歓声。地上から見上げる勾配の激しさに、鯉斗師匠も思わず言葉を失う。
「バイクは挑む乗り物ですね(笑)。女性ライダーの姿もあって、ある意味命懸けでダイナミックに走る姿はとても印象的でした。来年は自分も相棒のGSでチャレンジしてみたいです」

夜はサタデーナイトBBQとライブステージがスタート。20回目を記念した花火が夜空を彩った。ドイツビール片手にライダー同士が語らう光景は、落語の打ち上げ以上の盛り上がりと鯉斗師匠も笑う。
「バイクはある意味、走る瞑想だと思います」
翌朝も空は快晴。アルプスの稜線を背景にしたツーリングはこのイベントの真骨頂。「BMWオーナー同士の交流も、このイベントの大きな魅力ですね。仲間が増えて、ただただ楽しい。風景と鼓動のリズムが重なると、心が整っていく感覚があります。バイクはある意味、走る瞑想だと思いますね」とは鯉斗師匠。
“大人の遊び場”としてのBMW MOTORRAD DAYS
白馬で過ごした1泊2日は、まさにBMW Motorradが演出する“大人の遊び場”。走る歓び、仲間との出会い、そして非日常というラグジュアリーさが一度に体験できるのは、このイベントならではだ。鯉斗師匠が続ける。
「白馬までの距離感って、バイクの性能をまるごと試すのにちょうどいいんですね。もっともっと遠くまで、余裕で行けるスペックだなと実感しました。本当に買ってよかった。GSは、僕にとって人生の相棒です。その世界観をこんなスケールで味わえるなんて最高。また来たいですね」
流れるように街中から幹線道路、高速までを一気につないでくれる――そんな“一緒に毎日を駆ける相棒”GSと過ごした、白馬の週末。鯉斗師匠が楽しんだのは、自然とBMWの鼓動に包まれながら、人生を豊かにする“大人の遊び心”が存分に解き放たれる自由な時間だった。







